「冷たい熱帯魚」2010年 日活 監督:園子温
熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。
大作「愛のむきだし」に続く園子温監督の新作。
やってくれました、園子温監督。
鑑賞後も異様な感動で興奮しております。
この作品の元となった埼玉愛犬家連続殺人事件の関根元という男はその筋の猟奇殺人愛好家(?)から絶大な人気を誇る人物のようですね。
私は当時ニュースやワイドショーを遠くから眺める程度でしかなく、オウム事件の影に隠れたこの事件は一連の殺人事件の一つでしかなく、あまり関心を示しておりませんでした。したがって知識もほとんどありません。
でも、この映画を見たからには、ちゃんと詳しく調べる必要を感じております。
愛犬家連続殺人 (角川文庫)志麻 永幸角川書店発売日:2000-09ブクログでレビューを見る»
現在、中古でえらい高値じゃないの。復刊希望!
映画化と文庫本のタイアップ流行りなのに、なぜ復刊しないの角川さん!
映画は事件を再現した実録物ではないので、実話をなぞって犯人像に迫るという性質のものではありません。
でんでん=村田が関根元にどこまで迫っているか、事件の核心に何処まで迫れているかという見方はこの際、置いといて・・・。
関根元は人間心理を読むことに長けており、ヤクザのような風体とは裏腹の、独特なユーモアと巧みな話術に引き込まれる人も多かったという。
その関根元=村田をでんでん、が・・・
でんでん、が・・・、でんでん、が・・・
あの「の・ようなもの」で志んととと枕を並べ「女の話でもしようぜ」という兄弟子役で名場面を作った、あの、でんでんが30年の時を経て進化を遂げてしまいました。
間違いなく、でんでん一世一代の名演。
人のいいおじさんから怖い人への変貌過程、その瞬間。
その圧倒的迫力でキャラクターと共に映画の進行もグイグイ押しまくってくる。この力に圧倒されます。
徹底的に押してくるので、ある意味単調になってしまっているかもしれません。
しかし、単調になった頃を見計らって、社本(吹越満)との森の中での教育的恫喝から社本の反撃。社本がある種の観念から解脱したかのようなシーンへ。
やはり、宗教的なものだとか、自己啓発セミナー的な物を感じるわけで・・・。時期的に「アンチ・クライスト」と比較されたりするけど、明快な分だけ園子温に軍配。
三池監督じゃないけど、人生をリセットしたい多くの人に感動をもたらしますよ。
作品作りにテーマみたいな事は特に考えていないという態度の監督の面目たるは、人を喰ったようなラストに現れ、私としてはもう、してやられた感いっぱいで、打ちのめされました。
ネタバレを避けたいと思いますが、社本の初めて娘に父親らしいメッセージを残せた満足気な表情に浴びせられる娘からの一言。
思わず、スタンディング・オベイション・・・いや、ちょっと席から立つ気もおきず茫然。
音楽がまた良いのです。
私の好きなマーラーの交響曲第一番「巨人」第3楽章が静かに流れ続ける。
社本が逆襲に出ても、決して印象的な第4楽章を使わない所が憎いね。
そして、この映画の肝心要の勘所−−−女優陣のエロ度も大層評判。
こちらも期待通りで充分堪能できますですよ。
村田愛子の黒沢あすかのツンデレ、社本になびいいて従順になる可愛さが堪りません。
社本妙子の神楽坂恵、口数が少ないボディコン妻です。村田に迫られる被虐の血が実にエロい。
アマゾン・ゴールドのタンクトップスタイルも可愛い社本美津子ちゃんの梶原ひかり。
アマゾンゴールド
園子温監督の最高傑作であり、近年の日本映画でも最高クラス、間違いなしです。
シネ・リーブル池袋
熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。
大作「愛のむきだし」に続く園子温監督の新作。
やってくれました、園子温監督。
鑑賞後も異様な感動で興奮しております。
この作品の元となった埼玉愛犬家連続殺人事件の関根元という男はその筋の猟奇殺人愛好家(?)から絶大な人気を誇る人物のようですね。
私は当時ニュースやワイドショーを遠くから眺める程度でしかなく、オウム事件の影に隠れたこの事件は一連の殺人事件の一つでしかなく、あまり関心を示しておりませんでした。したがって知識もほとんどありません。
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映画は事件を再現した実録物ではないので、実話をなぞって犯人像に迫るという性質のものではありません。
でんでん=村田が関根元にどこまで迫っているか、事件の核心に何処まで迫れているかという見方はこの際、置いといて・・・。
関根元は人間心理を読むことに長けており、ヤクザのような風体とは裏腹の、独特なユーモアと巧みな話術に引き込まれる人も多かったという。
その関根元=村田をでんでん、が・・・
でんでん、が・・・、でんでん、が・・・
あの「の・ようなもの」で志んととと枕を並べ「女の話でもしようぜ」という兄弟子役で名場面を作った、あの、でんでんが30年の時を経て進化を遂げてしまいました。
間違いなく、でんでん一世一代の名演。
人のいいおじさんから怖い人への変貌過程、その瞬間。
その圧倒的迫力でキャラクターと共に映画の進行もグイグイ押しまくってくる。この力に圧倒されます。
徹底的に押してくるので、ある意味単調になってしまっているかもしれません。
しかし、単調になった頃を見計らって、社本(吹越満)との森の中での教育的恫喝から社本の反撃。社本がある種の観念から解脱したかのようなシーンへ。
やはり、宗教的なものだとか、自己啓発セミナー的な物を感じるわけで・・・。時期的に「アンチ・クライスト」と比較されたりするけど、明快な分だけ園子温に軍配。
三池監督じゃないけど、人生をリセットしたい多くの人に感動をもたらしますよ。
作品作りにテーマみたいな事は特に考えていないという態度の監督の面目たるは、人を喰ったようなラストに現れ、私としてはもう、してやられた感いっぱいで、打ちのめされました。
ネタバレを避けたいと思いますが、社本の初めて娘に父親らしいメッセージを残せた満足気な表情に浴びせられる娘からの一言。
思わず、スタンディング・オベイション・・・いや、ちょっと席から立つ気もおきず茫然。
音楽がまた良いのです。
私の好きなマーラーの交響曲第一番「巨人」第3楽章が静かに流れ続ける。
社本が逆襲に出ても、決して印象的な第4楽章を使わない所が憎いね。
そして、この映画の肝心要の勘所−−−女優陣のエロ度も大層評判。
こちらも期待通りで充分堪能できますですよ。
村田愛子の黒沢あすかのツンデレ、社本になびいいて従順になる可愛さが堪りません。
社本妙子の神楽坂恵、口数が少ないボディコン妻です。村田に迫られる被虐の血が実にエロい。
アマゾン・ゴールドのタンクトップスタイルも可愛い社本美津子ちゃんの梶原ひかり。
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園子温監督の最高傑作であり、近年の日本映画でも最高クラス、間違いなしです。
シネ・リーブル池袋