「100年のロシア -ロシアからソビエトへ、ソビエトからロシアへ-」
「火を噴く惑星」1962年 ソビエト 監督:P・クルシャンツェフ
ПЛАНЕТА БУРЬ
ソ連宇宙捜査隊の宇宙船シリウス、ヴェガ、カペラ号は金星探検のため目標に接近していた。が、突如カペラ号は隕石にぶつかり、爆発消滅してしまう。ヴェルシーニン隊長はヴェガを軌道に残し、シリウス号のみが金星探査に向かうことにする。まず2人の隊員とロボットが着陸船で先に降り、シリウスに着地点を指示するものの、目標をはるかに離れた地点に不時着してしまう。予定外の事態で地球への帰還が危うくなるが、金星上ではさらなる危機が待ち受けていた..。触手の生えた肉食植物、巨大な恐竜、爬虫類風モンスターの集団襲撃!謎の女性の歌声が響く険しい荒地、海底に沈んだ町など思いもよらぬ 金星の全貌。数々の危機に遭う隊員達は無事生還できるのか!?
不思議惑星キン・ザ・ザを産んだソビエトから、また・・・。
カルト映画としての衝撃度では一歩譲るかもしれないが、そこは演技者の皆様の生真面目な演技によってついつい笑みの零れる珍作。
いや、往年のSF映画として王道とも思える。
食肉植物、爬虫類、翼手竜、首長恐竜、シリウス号やヴェガ号のロケット、水陸両用車、ロボット「ジョン」の造型なんか、なかなかイケていてSF要素の水準は十二分にクリアか。
ただし、着陸したのは金星なんですよね。金・星!!
あーもう、普通に空気があるし、雨も降る。海岸では火をおこしているし、水中には地球とそっくりのお魚さんたちがうようよ。
「地球と環境が似ているのかもしれない」ですって。
そこに生息する生物はプロントザウルスに似た恐竜だったりするので、これは「猿の惑星」パターンで時間を飛び越え地球の過去に到着してしまったという落ちがあるんじゃないかと真剣に思ったりして・・・
しかし、そんな事はなく、あくまでも金星。
いや、ただ単に乗務員たちが気付かなかったのか?
小型ゴジラのような爬虫類がピョンピョンとジャンプしながら襲ってくる所が最も受けていました。
こいつら、可愛いんですもの。クレクレタコラに登場する怪獣といった趣。
ロボット「ジョン」さんは敬語にしか反応しないという設定が、またユーモアとして生きる。
この時代の科学の限界としてロボットに多様な言語を認識させられず、一定の敬語のみしか認識させる事ができなかったという解釈になるのでしょう。それを逆手に取ったSFギャグというのは確かにあるよね。
お話の方は隊員たちがシリウスに戻ると、紅一点で通信担当のため船で待機していたマーシャが
「マニュアルでは軌道上で待機する事になっているけど、仲間を失っての燃料確保には意味がない。助けに行かなくては」と録音テープに残して姿が見えない。彼女がいなければ地球と交信する事も出来ず、ヴェガが金星に向い着陸してしまったら全員、帰る事だってできなくなる。
ここでの台詞(字幕)が振ってます。
「機転が利かない・・・」
「機転が利かないのはロボットだ、女性じゃない」
ともあれ、隊員が知的生命体の存在に関する夢想をモノローグで語ってみたり、SFとしての楽しみをサービス満点で提供しようとしている事と大真面目にシリアス演技に徹している事。それだけにクスクスと笑いたくなる、これもやっぱりソビエトカルトSFとして価値ある一本でした。
渋谷 UPLINK FACTRY
「火を噴く惑星」1962年 ソビエト 監督:P・クルシャンツェフ
ПЛАНЕТА БУРЬ
ソ連宇宙捜査隊の宇宙船シリウス、ヴェガ、カペラ号は金星探検のため目標に接近していた。が、突如カペラ号は隕石にぶつかり、爆発消滅してしまう。ヴェルシーニン隊長はヴェガを軌道に残し、シリウス号のみが金星探査に向かうことにする。まず2人の隊員とロボットが着陸船で先に降り、シリウスに着地点を指示するものの、目標をはるかに離れた地点に不時着してしまう。予定外の事態で地球への帰還が危うくなるが、金星上ではさらなる危機が待ち受けていた..。触手の生えた肉食植物、巨大な恐竜、爬虫類風モンスターの集団襲撃!謎の女性の歌声が響く険しい荒地、海底に沈んだ町など思いもよらぬ 金星の全貌。数々の危機に遭う隊員達は無事生還できるのか!?
不思議惑星キン・ザ・ザを産んだソビエトから、また・・・。
カルト映画としての衝撃度では一歩譲るかもしれないが、そこは演技者の皆様の生真面目な演技によってついつい笑みの零れる珍作。
いや、往年のSF映画として王道とも思える。
食肉植物、爬虫類、翼手竜、首長恐竜、シリウス号やヴェガ号のロケット、水陸両用車、ロボット「ジョン」の造型なんか、なかなかイケていてSF要素の水準は十二分にクリアか。
ただし、着陸したのは金星なんですよね。金・星!!
あーもう、普通に空気があるし、雨も降る。海岸では火をおこしているし、水中には地球とそっくりのお魚さんたちがうようよ。
「地球と環境が似ているのかもしれない」ですって。
そこに生息する生物はプロントザウルスに似た恐竜だったりするので、これは「猿の惑星」パターンで時間を飛び越え地球の過去に到着してしまったという落ちがあるんじゃないかと真剣に思ったりして・・・
しかし、そんな事はなく、あくまでも金星。
いや、ただ単に乗務員たちが気付かなかったのか?
小型ゴジラのような爬虫類がピョンピョンとジャンプしながら襲ってくる所が最も受けていました。
こいつら、可愛いんですもの。クレクレタコラに登場する怪獣といった趣。
ロボット「ジョン」さんは敬語にしか反応しないという設定が、またユーモアとして生きる。
この時代の科学の限界としてロボットに多様な言語を認識させられず、一定の敬語のみしか認識させる事ができなかったという解釈になるのでしょう。それを逆手に取ったSFギャグというのは確かにあるよね。
お話の方は隊員たちがシリウスに戻ると、紅一点で通信担当のため船で待機していたマーシャが
「マニュアルでは軌道上で待機する事になっているけど、仲間を失っての燃料確保には意味がない。助けに行かなくては」と録音テープに残して姿が見えない。彼女がいなければ地球と交信する事も出来ず、ヴェガが金星に向い着陸してしまったら全員、帰る事だってできなくなる。
ここでの台詞(字幕)が振ってます。
「機転が利かない・・・」
「機転が利かないのはロボットだ、女性じゃない」
ともあれ、隊員が知的生命体の存在に関する夢想をモノローグで語ってみたり、SFとしての楽しみをサービス満点で提供しようとしている事と大真面目にシリアス演技に徹している事。それだけにクスクスと笑いたくなる、これもやっぱりソビエトカルトSFとして価値ある一本でした。
渋谷 UPLINK FACTRY