「レフ・クレショフ傑作選」
「ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険」1924年 露 監督:レフ・クレショフ
Необычайные приключения мистера Веста в стране Большевиков
ロシア帝国時代からソビエト連邦時代にかけて生きた映画監督で理論家のレフ・クレショフが1924年に手がけ、誕生したばかりの社会主義国家ソビエトをシニカルに描いた風刺コメディ。
アメリカ人のウェスト氏は、ソビエトを「ボリシェビキが暴れる悪魔の国」と紹介する新聞記事を読み、その実情を自分の目で確かめようとソビエトへ視察旅行にやってくる。しかし、到着早々に詐欺師に目をつけられたウェスト氏は、次々とおかしな事件に巻き込まれていく。
レフ・クレショフが設立した映画学校であるクレショフ工房の卒業制作と言う事で後にロシア映画界を代表する監督などが多く出演している。
ロシア民衆の大好きなアメリカ娯楽映画って事のようです。
アメリカ西部劇のパロディ的要素を秘めた風刺スラプスティック。サイレントのためところどころ「?」の描写もあるけど気にせず楽しめる。
前半はカウボーイ・ジェディ役のボリス・バルネットのスリリングなアクションが見せ場。多分、吹替えだとは思うのだがなかなかにハラハラさせるアクション。バルネットは元々ボクサーだったらしいから身体能力は長けていたんでしょう。
馬橇に投げ縄、モスクワの街を暴れ回るカウボーイに通りがかりのご婦人も仰天のでんぐりがえし。
999と666が解らなくなる間抜けさ。
中盤から後半にかけては詐欺師ジバンの一味がウェスト氏を監禁して次々に紙幣を巻き上げる展開が楽しい。
小ネタでもって紙幣を1枚づつ巻き上げて行く。
一味はウェスト氏の持っていた新聞(ボリシェヴィキの国がいかに野蛮かが書かれている)を入手して野蛮ボリシェヴィキを演じ、果ては美人局まで・・・
ここで登場する伯爵夫人のアレクサンドラ・セルゲーエヴナ・ホフローワが良いんだわ。
サイレント時代とは思えないエキセントリックな美人で、麗しさ、妖しさ、滑稽さ、不気味さ、と次々に魅力的な表情を見せてくれる。
サイレントだから各役者の大袈裟な演技や、長めのアップ・ショットが効果的。
そこから繋がって行く別の映像。今や当たり前のモンタージュ。クレショフ効果。
Лев Владимирович Кулешов
ジェディがモスクワで再会した旧知のご婦人との通報で無事で警官に救出され、モスクワ観光。
最後は結局・・・
赤の広場の軍事行進を眺めたりして
これが本当のボリシェヴィキ。
ボリシェヴィキは素晴らしい!ボリシェヴィキ万歳!
反米を表現した最初の映画なんだそうである。
とても面白く、気に入ったのですが今回の特集では山崎バニラ氏の活弁上映もあった。
活弁解説付きで観たらもっと楽しめるだろうな。見たかった、残念。
渋谷 ユーロスペース
「ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険」1924年 露 監督:レフ・クレショフ
Необычайные приключения мистера Веста в стране Большевиков
ロシア帝国時代からソビエト連邦時代にかけて生きた映画監督で理論家のレフ・クレショフが1924年に手がけ、誕生したばかりの社会主義国家ソビエトをシニカルに描いた風刺コメディ。
アメリカ人のウェスト氏は、ソビエトを「ボリシェビキが暴れる悪魔の国」と紹介する新聞記事を読み、その実情を自分の目で確かめようとソビエトへ視察旅行にやってくる。しかし、到着早々に詐欺師に目をつけられたウェスト氏は、次々とおかしな事件に巻き込まれていく。
レフ・クレショフが設立した映画学校であるクレショフ工房の卒業制作と言う事で後にロシア映画界を代表する監督などが多く出演している。
ロシア民衆の大好きなアメリカ娯楽映画って事のようです。
アメリカ西部劇のパロディ的要素を秘めた風刺スラプスティック。サイレントのためところどころ「?」の描写もあるけど気にせず楽しめる。
前半はカウボーイ・ジェディ役のボリス・バルネットのスリリングなアクションが見せ場。多分、吹替えだとは思うのだがなかなかにハラハラさせるアクション。バルネットは元々ボクサーだったらしいから身体能力は長けていたんでしょう。
馬橇に投げ縄、モスクワの街を暴れ回るカウボーイに通りがかりのご婦人も仰天のでんぐりがえし。
999と666が解らなくなる間抜けさ。
中盤から後半にかけては詐欺師ジバンの一味がウェスト氏を監禁して次々に紙幣を巻き上げる展開が楽しい。
小ネタでもって紙幣を1枚づつ巻き上げて行く。
一味はウェスト氏の持っていた新聞(ボリシェヴィキの国がいかに野蛮かが書かれている)を入手して野蛮ボリシェヴィキを演じ、果ては美人局まで・・・
ここで登場する伯爵夫人のアレクサンドラ・セルゲーエヴナ・ホフローワが良いんだわ。
サイレント時代とは思えないエキセントリックな美人で、麗しさ、妖しさ、滑稽さ、不気味さ、と次々に魅力的な表情を見せてくれる。
サイレントだから各役者の大袈裟な演技や、長めのアップ・ショットが効果的。
そこから繋がって行く別の映像。今や当たり前のモンタージュ。クレショフ効果。
Лев Владимирович Кулешов
ジェディがモスクワで再会した旧知のご婦人との通報で無事で警官に救出され、モスクワ観光。
最後は結局・・・
赤の広場の軍事行進を眺めたりして
これが本当のボリシェヴィキ。
ボリシェヴィキは素晴らしい!ボリシェヴィキ万歳!
反米を表現した最初の映画なんだそうである。
とても面白く、気に入ったのですが今回の特集では山崎バニラ氏の活弁上映もあった。
活弁解説付きで観たらもっと楽しめるだろうな。見たかった、残念。
渋谷 ユーロスペース