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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「盲獣VS一寸法師」 DVD

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「盲獣VS一寸法師」2004年 石井輝男プロダクション/スローラーナー 監督:石井輝男

ある日、三文小説家の小林紋三は、浅草レビューのスター水木蘭子の舞台を見物に行く。しかし彼は、隣の席に座った不気味な男が気になってしょうがない。舞台のあいだ中、うつむいたまま一度も顔を上げようとしないのだ。その帰り道、今度は、頭は大人で身体は子供の“一寸法師”が切り落とされた女の生腕を運んでいるのを目撃する。職業柄、その一寸法師に興味をそそられた紋三は独自調査を始める。その一方で、彼は友人の私立探偵・明智小五郎から水木蘭子の失踪を知る。それを発端として次々と猟奇事件が発生、紋三と明智は事件の解明に乗り出すが…。

石井輝男監督(2005年没)の遺作となった江戸川乱歩モノ。しかも「盲獣」と「一寸法師」、「踊る一寸法師」といった乱歩作品の中でもエグイものを組み合わせた脚本ということで以前から気になっておりました。微妙な評判も漏れ伝わる中、借りてみたっちゃ。

昔の怪獣映画のように盲獣と一寸法師が実際に格闘しあうわけでは無く、互いに犯行を報道で知り、猟奇度を競って犯行を重ねると言う事らしい。

デジタルビデオで撮られた作品。その画質、音質、素人役者のあまりにも下手な演技、セットの安っぽさなどチープな作りが魅力とはとても言えないレベル。安もんのVシネのようで残念。
しかし、これはスタッフ・キャストと石井監督の映画学校の弟子たちを使っており、石井監督自らビデオカメラを持って撮っているという。
異常性愛路線や網走番外地のヒットなどで日本映画のキング・オブ・カルトとまで言われた石井監督が80歳手前になってでも撮りたい物をこのような手法で撮ったという事が凄い事なんだろうね。しかも遺作にまでなっちゃって。

「盲獣」は増村保造の名作があるので比較するのは辛すぎる。
水木蘭子の藤田むつみは年齢以上に熟女顔のおばはんで残念ですが、やがてエロ度を発揮してはくれますのでOK
山野夫人(橋本麗香)や盲獣の所の美少女(細野佑美子)はとても綺麗なので、もっと一寸法師や盲獣とあんな事やこんな事をして欲しかったなぁ。

素人役者の中では塚本晋也監督の明智小五郎は妙に健闘していると思う。
そして、今や売れっ子役者まで登りつめたリリー・フランキー。本作が記念すべき初の映画出演。
記念すべき事にミゼットのリトル・フランキーとWフランキー共演が実現しているところがお値打ち。
何を隠そう私は、初めてリリー・フランキーさんを知った時、ミゼットの人がイラストを描いてんのかと思ってしまったくらいですから。
Wフランキー、容貌の方も心なしか似てないか。リリー・フランキーの顔を数発殴りつけたらリトル・フランキーになりそうだ。
そのリトル・フランキーもこの映画製作翌年には他界。哀しいですね。
めっきりドワーフ物の映画が少なくなってきていますが、もっと沢山活躍して欲しかった。
文芸坐ル・ピリエでの快楽亭ブラックの会で角掛留造、Mr.ブッタマンとともに本職のミゼットプロレスを見せていただいたのが懐かしい思い出・・・
一連の下手役者の中に後に女性政治家になった方が居て話題になったりしてます。ほんのチョイ役で乳を出しておられます。

ど素人の演技に辟易しているとラストで「忘八武士道」などで石井作品でもお馴染みの丹波哲郎が登場して一刀両断に盲獣の芸術を切り捨てる。
なんだか石井監督の自虐ネタみたいに感じてしまったよ。

丹波さんも既に鬼籍ですものね。(2006年没)

このDVDの一番の見所はジャケットのバックシャン・ヌードでしょう。
これは素晴らしい。バックシャン・フェチには堪りません。



どうも作品そのものよりも外野の環境とかがカルト的で困った物です。

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