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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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佐藤次郎 「東京五輪1964」

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東京五輪1964 (文春新書 947)著者 : 佐藤次郎文藝春秋発売日 : 2013-10-18ブクログでレビューを見る»

満を持してタイムリーに出版されたノンフィクション。
久しぶりにスポーツ・ノンフィクションを堪能しました。活字に対する気力が少し戻るかもしれない。

1964年の五輪はほんのわずかに記憶されているのみ。
ほとんどは後のニュースで刷り込まれた記憶と思うけど。
テレビで五輪を自主的に楽しみ始めたのは次のメキシコから。その4年前ですから、いろいろメキシコ大会の伏線部分もあり楽しめます。

当時から、五輪の楽しさは日頃観戦できないマイナースポーツにあると感じていたので15日間に照合させて取り上げている種目も幅広く、ホッケーやボート代表の健闘と挫折が印象的。競技だけでなく選手村の理容師、フリーカメラマン、NHKアナウンサーの当時の活動がいきいきと活写されていて楽しく読めました。

今では当たり前のような閉会式の風景は東京五輪で初めて起こったハプニングだった。
その驚きや、その場に遭遇した感動は未体感の読み手にもストレートに伝わり、思わず感動しちゃいます。

五輪がもっとも五輪らしく、スポーツイベントとしての理想的な形がそこにはあったのですね。

年末年始、早稲田で市川昆の「東京オリンピック」上映あります。
本書とともに鑑賞するのも良いでしょう。私もまた見たくなってきました。
岸本健の写真もまとめて見たいですね。

2020が楽しみでもあり、また、不安にもなります。大丈夫なのかな。
難しいと思うけど商業主義からスポーツの原点に戻るような事を意識したシンプルな演出が欲しいな。
各国コーチの交流の場、なんて壁が多すぎて無理でしょうね。

第1日 坂井義則 聖火を灯した最終ランナー
第2日 ホッケー代表 大敗からの出発
第3日 三宅義信(重量挙げ) 金メダルへの「4年計画」
第4日 ボート代表 選抜クルーの挑戦
第5日 サッカー代表 銅メダルへの助走
第6日 佐々木吉蔵 ボブ・ヘイズの信頼を勝ち取った名スターター
第7日 織田幹雄 日本初の金メダリストの夢
第8日 山方澄枝 ヘーシンクの髪を切った選手村の理容師
第9日 田中聰子 メダルの重圧を背負った渾身の泳ぎ
第10日 花原勉 八田イズムで掴んだレスリングの頂点
第11日 中谷雅英 柔道初の金メダル
第12日 寺澤徹 アベベ、円谷に敗れた42.195キロ
第13日 杉山茂と西田善夫 国際テレビ中継を支えたNHKのスタッフたち
第14日 男子バレー代表 「東洋の魔女」にかき消された銅メダルの快挙
第15日 岸本健と土門正夫 写真家とアナウンサーが見た幸せな閉会式

東京オリンピック1964デザイン・プロジェクト

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