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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「遊星よりの物体X」

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「エドガー・G・ウルマーと愉快な仲間たち」

「遊星よりの物体X」1951年 米 監督:クリスティアン・ナイビイ
The Thing from Another World

ノルウェイ越冬隊が南極の氷の下から見つけた10万年前の宇宙人の死体。そこには人類の及びもつかない生命が息づいていた…。

後にジョン・カーペンターがリメイクして、そっちの方が有名なようですが、見ていないので、ちゃんと順番として、このハワード・ホークス制作の1951年版が観られ事は目出度し。

本作は"The Thing"、物体Xなどと謎めいた呼称を使う、高度な知能を持った植物的生命だというのにいざ、その正体を現すと低能なヒト型怪物で、まるでフランケンシュタインの怪物や雪男みたいなのが出てくる。
この一点がキズなんだが、それ以外の部分はかなり味わいがあり楽しめる作品のように思える。SFというよりも正当な古典怪奇映画、古さは仕方ないとして、けっこう好きでした。
そうして見ると、物体Xの造形に関しても当時の技術で怪しげなクリーチャー製作に走る事を避けたのは案外、賢明だったかもしれない。あそこで金星ガニみたいな物を出してもしょうがないしね。と、好意的に捉えたりして・・・。



前半、謎の飛行物体の落下地点での探索で、氷に埋もれた飛行物体の輪郭に沿って隊員たちが並んでみると、「おや、これこそ円盤でないの」と円形が浮き上がるなんてのはかなりワクワクさせられてよろしい。

腰抜けの新聞記者やら、頭脳明晰なはずなのに傲慢で詰めがお馬鹿な科学者と軍人とのせめぎ合いも後に定番となる設定。
紅一点の女性と大尉のロマンスの挿み込み方も洒落ていて良い。
彼女が恐怖映画にありがちな、やたら悲鳴で喚き散らしすような煩い女で無く、理性的であるのも好印象。これは、悲鳴連続になるほど恐い目に合わされていないからかもしれないけど。
女優はマーガレット・シェリダンという方です。

ラストシーン、好きですね。
隊員の粋な計らいで大尉と恋人が結婚を誓うのを尻目に、それまで役立たずの腰抜け新聞記者がすっかり英雄気取りでカッコ良く本部と交信。「おまえ、何んなんだよ!キメすぎっしょ!」

シネマヴェーラ渋谷

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