「華麗なるダメ男たち 〜色男、金と力はなかりけり〜」
「肉体の学校」1965年 東宝 監督:木下亮
元男爵夫人で六本木に洋裁店を持つデザイナーの妙子は、離婚後、同じ境涯の二人と仲良くなり、裕福で自由な生活を楽しんでいた。三人は、ある日池袋のゲイ・バーに足をむけた。頽廃的なムードの中、カウンターの中で精悍な顔をしたアルバイト学生の千吉の存在は、妙子の眼を奪った。デイトを重ねると妙子は、この怪物じみた青年にすっかり魅了された。2人は、お互いの自由を縛らないという契約のもと同棲生活を始めたが千吉は、妙子のもとへ帰ることは少く、妙子は苛立つ・・・。
はい、待ちに待った、岸田今日子様の主演作、三島由紀夫原作の「肉体の学校」でございます。
しかも、才能やキャリアを持つバツ1、で可愛くも妖艶な女性をやらせれば、岸田今日子様というぐらい嵌り役なのですから、見る前からワクワクです。
加えて、木下亮の撮るモノクロの絵がレトロ・モダンと言うか、演出も極めてスタイリッシュ。
ところどころ、涎を垂らさんばかりに岸田今日子様に見惚れてしまいます。
特に千吉(山崎努)と1回目のデートでファッションが合わず、2回目にトレンチコートで登場する妙子(岸田今日子)のエロカワいさが堪りません。
でも、これまでの端役での岸田今日子様のカッコ良さを見てきて、もっともっと見たいという渇望感が伴わないためか、だんだん普通に思えてきちゃいました。
有閑マダム・妙子が若くてクールな野心家でバイセクシャルの学生、千吉に目を付けペット化しようとするのですが、この対決はしばし、千吉有利に進み。妙子は翻弄されっぱなし。
この翻弄され続ける段階の面白さはとても良いのです。
とても可愛いとっておきのワンシーン
「ちょっとほっぺた拝借」
パシン!
ブチュー
お互いを縛らない同棲ルールの一つ、外泊禁止を破る千吉に悶々とする妙子。
新しい中年のおじ様(山村總:出番も台詞も少なめですが充分エロいオヤジ)を紹介された事により、千吉の恋人との合同デートを持ちこむと、千吉の連れてきた娘は、なんと、自分の仕事上カモにしているおばはんの芋娘(中川ゆき)で・・・。どんなに強がっても、ますます妙子の心情が乱れ翻弄されてしまいます。いいですね。
でも今回の特集は「ダメ男」でありました。
千吉の山崎努のダメっぷりが発揮されるのは、形成逆転となる、ゲイバーのテルが温めていた自分の過去の忌まわしい写真によって。
実は家庭への憧れから芋娘との縁談にかけていたという、それまでクールだった千吉の崩壊ぶりの情けなさは見どころ。
逆転され、妙子にジリジリ苛められる。それは良いのだけれど、既に妙子の方は千吉に興味を失い「肉体の学校」の1課程を卒業し、次なるステップへ・・・。
したたかに次なるステップへ進む女。物語としてはこれで良いと思いますが、岸田今日子様としては物足りなさを感じてしまいました。贅沢でしょうか。
妙子にアドバイスや入れ知恵するゲイボーイのテル(かつて千吉とも関係あり)がとても良いです。いつも思いますがこのようなゲイボーイが知り合いに1人いるというのは楽しそうじゃない?
神保町シアター
「肉体の学校」1965年 東宝 監督:木下亮
元男爵夫人で六本木に洋裁店を持つデザイナーの妙子は、離婚後、同じ境涯の二人と仲良くなり、裕福で自由な生活を楽しんでいた。三人は、ある日池袋のゲイ・バーに足をむけた。頽廃的なムードの中、カウンターの中で精悍な顔をしたアルバイト学生の千吉の存在は、妙子の眼を奪った。デイトを重ねると妙子は、この怪物じみた青年にすっかり魅了された。2人は、お互いの自由を縛らないという契約のもと同棲生活を始めたが千吉は、妙子のもとへ帰ることは少く、妙子は苛立つ・・・。
はい、待ちに待った、岸田今日子様の主演作、三島由紀夫原作の「肉体の学校」でございます。
しかも、才能やキャリアを持つバツ1、で可愛くも妖艶な女性をやらせれば、岸田今日子様というぐらい嵌り役なのですから、見る前からワクワクです。
加えて、木下亮の撮るモノクロの絵がレトロ・モダンと言うか、演出も極めてスタイリッシュ。
ところどころ、涎を垂らさんばかりに岸田今日子様に見惚れてしまいます。
特に千吉(山崎努)と1回目のデートでファッションが合わず、2回目にトレンチコートで登場する妙子(岸田今日子)のエロカワいさが堪りません。
でも、これまでの端役での岸田今日子様のカッコ良さを見てきて、もっともっと見たいという渇望感が伴わないためか、だんだん普通に思えてきちゃいました。
有閑マダム・妙子が若くてクールな野心家でバイセクシャルの学生、千吉に目を付けペット化しようとするのですが、この対決はしばし、千吉有利に進み。妙子は翻弄されっぱなし。
この翻弄され続ける段階の面白さはとても良いのです。
とても可愛いとっておきのワンシーン
「ちょっとほっぺた拝借」
パシン!
ブチュー
お互いを縛らない同棲ルールの一つ、外泊禁止を破る千吉に悶々とする妙子。
新しい中年のおじ様(山村總:出番も台詞も少なめですが充分エロいオヤジ)を紹介された事により、千吉の恋人との合同デートを持ちこむと、千吉の連れてきた娘は、なんと、自分の仕事上カモにしているおばはんの芋娘(中川ゆき)で・・・。どんなに強がっても、ますます妙子の心情が乱れ翻弄されてしまいます。いいですね。
でも今回の特集は「ダメ男」でありました。
千吉の山崎努のダメっぷりが発揮されるのは、形成逆転となる、ゲイバーのテルが温めていた自分の過去の忌まわしい写真によって。
実は家庭への憧れから芋娘との縁談にかけていたという、それまでクールだった千吉の崩壊ぶりの情けなさは見どころ。
逆転され、妙子にジリジリ苛められる。それは良いのだけれど、既に妙子の方は千吉に興味を失い「肉体の学校」の1課程を卒業し、次なるステップへ・・・。
したたかに次なるステップへ進む女。物語としてはこれで良いと思いますが、岸田今日子様としては物足りなさを感じてしまいました。贅沢でしょうか。
妙子にアドバイスや入れ知恵するゲイボーイのテル(かつて千吉とも関係あり)がとても良いです。いつも思いますがこのようなゲイボーイが知り合いに1人いるというのは楽しそうじゃない?
神保町シアター