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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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(秘)極楽紅弁天

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「わたしたちの芹明香」

「(秘)極楽紅弁天」1973年 日活 監督:曽根中生

戸の町の片隅に肩を寄せ合うように建ち並んでいる帳外長屋。この長屋の住人がある日、日本橋の呉服店、越後屋へ金をせびりに押しかけたが、地廻りに追っ払われてしまう。丁度、丁稚と外出した店のひとり娘・お絹を見つけたお紺は、お絹の着物をはぎ取り、自分と取り換えてしまう。そしてその足でお紺は、越後屋へ。ところが忽ちバレて、掴み出されるところを、丁度、居合せた善養寺新三郎に救われる。彼は旗本の後継ぎで、いやいやお絹と結婚することになっていたのだが、その場で縁組を断わり、お紺と連れ立って店を出た。この事がきっかけで、互いに惹かれるが、身分の違いはどうしようもない。が、二人は人目のない河原で抱き合う。ある日、新三郎は金に困って、同僚の坂部仙十郎に借金を申し込む。そこへ、お品とお紺の流し姿。新三郎とお紺の態度から、それと知った仙十郎は、お紺をものにしようと、それとなく金を貸そうとするが、新三郎は断わった……。

待ちに待った芹明香特集始まりました。
レイトで1週間づつ(一部変則日程あり)上映されるので見やすいし、既に見た作品も多いけど場合によってはコンプリしても良いかと思ってるぐらい。

東映デビューの芹明香の記念すべき日活ロマン出演第1作。
タイトルは紅を「あか」と読ませて「まるひ ごくらくあかべんてん」
こういう時代劇ポルノはこの時代の日活ロマンポルノでしか実現できないという意味で貴重。
「(秘)女郎市場」の流れでの第2弾という事になるようだが、前作よりも活力溢れる本作の方が遙かに良いし面白く観れた。
最低変で暮らす人々を生き生きと活写、弾けてるので悲惨さよりも大らかな性とかが前面に出て、貧乏で下品でも楽しそうな人々。
放尿シーンから始まるだけあって小便ネタがふんだん。

まだ男を知らないおぼこ娘のお紺(片桐夕子がまたしても足りない女を好演)、男をみたら誰とでもやりたくなる“やらせ”のお品(アンニュイな台詞回しで既に淫乱症が板に付いてる芹明香)、女にすぐ抱きつき金をせびる弥五郎、その他、お化けの九太、雨天の甚助(一度始まったら終わらない小便放水)、願人坊主、荒熊(ほとんど半裸の丹古母鬼馬二)とお六の夫婦、こつこつ銭を貯めこんでいる松婆など・・・。

時代物でありながらヒッピーやら学生運動風シュプレヒコールが出てきたり、背中に「地回り」と書かれた5人集、「助っ人」と書かれた助っ人と遊び心が楽しい。雨天の甚助の小便で刀が赤錆び「アンモニアにやられた」は良かったね。

田中陽造の脚本もなかなかふるっていて展開が素晴らしい。

お紺と入れ違ったため裸で拘束されているお絹を乞食女と間違い(いつも遠目からしか見て無かったから気づかない)お店ものが寄ってたかって輪姦。お絹は発狂するんだけど、この発狂が後の仙十郎の策略に使われる展開。

アホの女と能無し旗本がくっついた。純愛物語うぷぷ・・・
お紺と新三郎、お品の3人での生活が始まると、長屋連中が、スワ夜這いかと思いきや、皆で性交幇助の行為に出るのも面白い。
通夜の席、あれが長持ちする秘薬「長命丸」を使ったギャグ。この長命丸がラストの粋な復讐劇に使われる。
オランダ先生と呼ばれた学者はなるほど平賀源内でありますな。

芹明香はど嵌りな役でもうこれしか無いという所。
良い着物は着ているが不細工だし、うちらと何が違うんだろう?と伊勢屋の娘を弄ぶ。この辺りの批判精神、反骨の意気も本作の肝で気持ち良いのです。

かんかんのうを踊り狂う長屋連中の真ん中で騎乗位でよがるお紺のラストも色っぽくて良いよ。

今回、芹明香のスリムな背中が妙に艶めかしく映ったニュープリント版に喝采。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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