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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「河口」

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「日本のオジサマ 山村聰の世界」

「河口」1961年 松竹 監督:中村登

財界の重鎮・宮原と別れた元愛人の梨枝は、宮原の相談役・館林の勧めで銀座に画廊を構えたものの・・・。さえない風貌のザ・美術オタク・館林を演じるは山村聰。梨枝が男にはまるたび、嫌味な声で「あー、いやだいやだ!」「なんですか、さかりのついた犬みたいに」といちいち説教する館林が、何とも可笑しい。ウィットに富んで洒落たコメディの傑作!

このコメディは凄く良かった。
さぼっていて鑑賞から時間が経ってしまったので、弱い頭をウンウンと捻り、思い出しながら・・・

当然の事ながら1961年ですから岡田茉莉子の美貌が半端ありません。ファッションもgood!
そしてこの梨絵というキャラ、財界の重鎮のところへ愛人として就活するところから映画は始まるのですが、ここポイントです。
そういう割り切った所のある女性なので女画商への可能性を見て支援するのが美術オタクの館林(山村聰)
ところが梨絵も女です。このあたり控えめではあるけど61年作と言う事を考え合わすとかなり生々しくって、いいんんだな。
モノローグで明らかに自らの性欲を肯定して。美人なだけに妄想膨らみまっせ。
しかも、東野英治郎なんて爺さんの持ち物になったり。また、東野さんのコケるギャグがベタで良いしね。
杉浦直樹との情事の後のベッドでのシーンも見せなくてもエロいのは流石。
そして、やきもちの焼き方が、女女していてこれまた艶っぽい。
生き方としては男を利用する手法なんだけど、女としての可愛さが艶めかしい。

この辺りではどうしても岡田茉莉子の魅力への言及に偏ってしまいがちですが、もちろんこの作品は岡田茉莉子の魅力だけで持たせるような凡作ではありません。
山村聰というのはこういう役をやれせても上手いんだな。可笑しくってたまらない。
女にはまったく興味のない美術オタク。岡田茉莉子とのコンビネーションは出色。
格調高い雰囲気を保つコメディになっているのは彼の力量のおかげでしょう。
二枚目役で田村高広が登場するが、紳士をきどっていやがる。これはもう少しムッツリすけべ感があると尚良かったかな。

電話ごしで、梨絵の悲恋を良い事にどんどん美術品の落札許可を取って嬉しそうな館林が最高!

邦画コメディ作として、これは相当上位に来る傑作ですな。

シネマヴェーラ渋谷

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