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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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柳の家の三人会 松戸

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こんなに天気が良いのに昼間から落語。しかも松戸・・・
前売り買っといたからしかたない。
松戸だから天気が良ければチャリでと考えていたが、ここのところ花粉アレルギーが重篤。杉は大したこと無かったのに。そのうえ杉の季節に入った頃しこたま入手していた薬も切れてしまっていて辛い。電車で・・・
あぁ、こんなに天気が良いのに・・・

松戸市民会館、ずいぶん時代がかかってる。建造物にも加齢臭はある。いきなり嫌な気持ちになるなぁ。

柳の家の三人会
松戸市民会館
2014年5月11日

開口一番 柳家花どん 「真田小僧」
柳家花録 「祇園祭」

中入り

柳家喬太郎 「花筏」
柳家三三 「文七元結」

花録も松戸市民会館が初めてで、その立地条件、時代がかり、しかも好天でというマクラ。
思うところ皆、そんなところだろが、あまりに開演前に考えていた事と同じ事を言うのでちょっと恥かしくなるではないか。
祖父、小さんの命日(16日)が近く、追善公演の事など長くおしゃべりして「祇園祭」
この噺を初めて聴いたのは八代目文治の音源で、状態が悪い事もあり、サッパリ意味が解らなかった事を思い出した。
江戸ッ子に肩入れしながら聴く。京の伯父さんはあくまで嫌味に、妙な笑い方で。

喬太郎師、例によってマクラがマニアックでサブカル、根暗的。男性が車中でチョイいい女を発見した際のチラ見視線の話。婦人客が多くても平気で語る内容がこれまたメチャ共感を呼ぶので困ったものだ。
小保方さんや紀子様に似た方の話で、これがちゃんと花筏(大関に似た提灯屋)に繋がっていく。
落語と相撲は仲が良く、相撲の噺は多いけれど、あまり面白いものは無いように思い、昔はあまり好きじゃなかった。最近は相撲噺も風情があっていいなと思う。ただ、この「花筏」なんてのもよくよく考えるとくだらないね。相撲の噺の中では笑いは取れようが。
相撲噺は骨付きカルビの左談次師のようなヤサ男が演じるのが面白い。
喬太郎師、土俵に上がった仕草で座布団に膝立ちとなり大きなお腹を気合たっぷりポンと!
「変にリアルですみません」
確かにこの仕草をリアルに出来るのは喬太郎師くらいだろう。後は本物の歌武蔵師か。

トリは三三師、マクラもそこそこに入ったのは季節はずれの文七元結。
これが素晴らしかった。
初夏に聴く文七元結。三三師自身も良く練っていると思うが、この噺が現代でも生き生きと聴けるのは先輩方の工夫の積み重ねだとつくづく感じる。
やはり昭和54年池袋の談志が最高だったけれど、談志師の存在が無かったらここまで現代にも通じる噺として生き続けただろうか・・・、などと考えながら。

肝は佐野槌の女将が長兵衛に小言をいう場面。お久の親孝行とカッコ良い女将。
その後も吾妻橋の件、文七がお店に戻ってからの番頭の知識。大団円に向かう長兵衛宅での爆笑たたみかけ、と厭きさせない展開の美味しい噺。本を素読みにしても面白いところを若き旗手、三三師で聴けるのだから悪かろうはずがありません。

吾妻橋で、長兵衛と文七が大声で言い争う「盗られてしまったものはしょうがないでしょう!」の文七に「それをお店に帰って言いなさい」・・・・

べっ甲問屋の主もカッコ良いんだ。
番頭が吉原に明るい事が発覚すると
「ナニ、ウチも、べっ甲問屋を商なっているんだから、吉原に明るい者が居たって不思議じゃない。ただ、番頭さん、無理はしないように・・・」と諭す。

良く出来た噺と言っても、所詮、落語なので穴はある。「なんで?」とか「おかしいや」とかいう疑問点を一つづつ長兵衛の言葉を借りて投げかける事によって埋めて行く。いや、埋まっちゃいないんだけど、良い演出だなぁ。

好天気を棒に振ったが、お遊び所の多い中の選択は間違いでは無かったと思える。
ホールを出た午後3時、本当に良い陽気だ。それにしても何故この時期に文七やったんかな。

来週耳鼻科に行く時間がありそうにない。薬局で「アレジオン10」というのを購入。今夜から試してみる。


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