Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」

$
0
0
「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」2013年 米 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン

1960年代のニューヨーク、冬。若い世代のアートやカルチャーが花開いていたエリア、グリニッジビレッジのライブハウスでフォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィス。熱心に音楽に取り組む彼だったが、なかなかレコードは売れない。それゆえに音楽で食べていくのを諦めようとする彼だが、何かと友人たちに手を差し伸べられ……。

「コーエン兄弟作品にはずれ無し」という事を耳にして、遅ればせながら、少しづつDVDなどにて鑑賞しております。
確かに今のところ、どれもはずれ無しで面白い。かなり好きですね。
そうなるとコーエン兄弟の新作、しかもボブ・ディランが憧れていたフォークシンガーの物語ちゅう事だし、ポスターもめちゃくちゃイカしているので(パンフレットの表紙なんて古いレコードジャケットみたいにレコード盤の跡がうっすら汚れていたりする)楽しみにしておったわけです。
スケジュール的にちいと出遅れましたが映画の日を待って鑑賞。
そりゃね、完全にW杯モード真っ最中に映画なんか観に行った日にゃあ、そりゃ眠りますわな。

ダメな主人公が旅に出て自分を売り込むあたりの中盤を熟睡。

意識のある限りでストーリーを追いましたが、今までのコーエン兄弟作品のような意表を突く展開はないようで、その分地味に感じてしまいますが・・・(眠ってる奴に言う資格ないけど)
ところどころのユーモアはやはりとても好ましい。



睡眼でぼんやり眺めていると
音楽映画である。
にゃんこ映画である。
見せ場はキャリー・マリガンの強烈な罵声。
と言ったところでしか言えない。

しかし、音楽映画の部分ではジャンルはフォークソングだけど所謂黎明期であり、まだ民謡的部分から抜け切ってない感じ。これはフォーク・ソングなんてボブ・ディラン・オンリーの身にとってはあまり興味をそそられない。良い曲はありましたけどね。
ラストのあたりでボブ・ディランと思われる青年が歌ってるというサービスは嬉しい。

にゃんこに関しても、犬と猫では完全に猫派だし、四半世紀に渡って猫を飼っていた身でありながら、(仕方なく猫と2人きりの同棲生活期さえあった)たいして猫好きというわけでは無いので・・・
ただ、地下鉄の車窓から反射して見える自分の姿を不思議そうに眺めている猫シーンは素晴らしかったですね。



キャリー・マリガンに関しては「ドライブ」での人妻がメチャ可愛かったけれど、今回は普通の美人の粋でチト残念。ただ、デイヴィスばかりに責任を追及する罵声は見事で、それにデイヴィスが辛うじて反論する様子が面白い。後半になってこの女の貞操観念にかなり問題ありな事が発覚して、また笑える。基本的には良い人のようです。




と言う事で、これはDVDが出たらちゃんと見直そうとかも思いましたが、だんだんどうでも良くなってきました。

ところがね。やはりコーエン兄弟が一筋縄では行かない事が鋭いブロガーさんたちによって思い知らせれるわけですよ。

今回は2つのブログさんを鑑賞の手引きとしてリンクしておきます。

猫の名前がユリシーズ。この物語はホメロスの「オデュッセイア」と符合する部分が多いという処をアカデミックに説明いただいた・・・ナドレックさんのブログ。

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』の正体は?


この映画の猫の役割を鋭く分析してくれたとらねこさん(珍しく女性でコメントいただく殊勝な方でもあります)のブログ。

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名も無き男の歌』 猫が表わす魂の物語




新宿武蔵野館

にほんブログ村 映画ブログへ blogram投票ボタン

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles