「映画史上の名作11」
「キートン・サイレント集」監督・脚本:バスター・キートン、エドワード・F・クライン
すっかりお馴染みの特集でのお約束、キートン短編集。
「キートンの即席百人芸」1921年
The Play House
オーケストラと観客の全員がキートンという冒頭の演奏会シーンから後半の水槽割りまで、映像の美しさに溢れた一篇
楽団員も観客も全部キートンというギャグは当時の技術を持ってすると結構大変な労力であったろうと想像する。30分弱の短編であっても最後までその線で押すのは辛かったか。全部キートンのシーンは夢だったという事になっていて後半戦へ・・・。
そういえばキートンの短編って前後半の2部構成的な作りが多いようにも思う。
後半ではキートンのマルセ太郎芸が見れるよ。
「キートンの船出」1921年
The Boat
グルグル回転する船内をアクロバティックに動き回るキートンが凄い。オチもばっちりの傑作短編。
陸のキートンも良いが、海のキートンも最高だよね。海洋三部作の一つとして短編の傑作。タイトルは「キートンの船出」と「キートンの漂流」の2種類があるようです。前半部が「船出」、後半部が「漂流」・・・。原題は The Boatで両方通用する。
破壊の魅力に溢れた船出。キートンの勇姿、後ろ姿で揚々と海に沈んで行くシーンが好きだから邦題は「船出」が良い。
ここでのキートンは家族持ち、料理は上手じゃないが、セーラー服の可愛い嫁と男の子が2人。
この子供に対する乱暴な扱いがシュールで面白い。まるで荷物のように扱う。
ギャグとしては、釘の穴から浸水してきた水を船底に穴を開け逃がそうというおバカが良い。
船の名前そのものがギャグになっていて落ちでも・・・
「キートンの酋長」1922年
The Paleface
崖から落ちたり斜面を転げ落ちたりのアクロバティックなスタントに加え、社会風刺も効いた一作。
強欲な石油商人がわずか1ドルでせしめた元インディアンの土地にやって来た昆虫採集の若者キートンは、蝶に誘われるままに門の外の居留地に迷い込み、彼らの存在に気づかず、虫捕り網をふるって混乱を巻き起こす。
インディアンの酋長から「この門を潜った最初の白人を殺せ」の指令。そこに紛れこんできたのが我らが主人公。インディアンの不穏な様子を察知して脱兎の如く逃げ出したのかと思ったらそうでなく、蝶を見つけて捕まえにいったっていうギャグに爆。
インディアンのダンスがベタでいいなぁ〜。
吊り橋。高所でのシルエット。
ラストはとても洒落てる。インディアン娘との間に可愛いベビーでも出来たかと思ったら、まだまだラブラブでチュー!
「キートンの警官騒動」1922年
Cops
大勢の警官から追われるキートンの逃げ足の速いこと!巧みな馬の扱いや巨大シーソー・シーンなど見所満載。
タイトルからして、いきなり牢獄のキートンかと思いますがそうではありません。単なる門。
タクシーを拾おうとする紳士の落とした財布を拾って、彼に返そうとするが何度か渡し損ねて中身だけ貰ってしまう。そして、その大金に目をつけた詐欺師が、引っ越しで今から運ばれようという家具を、持ち主のいない隙に彼に泣きついて無理矢理買わせる。そして、キートンは近くの吊しの洋服露地商の値札を、その前に停めてあった馬車の値段と勘違いして、わずか5ドルでそれを手に入れ、家具を満載して出発・・・
感違いの連鎖。こういうの好きなんよね。
このお馬さんが途中、調子が悪くなるんだけれど、様子がカワユイのです。
マジックハンドの方向指示器のギャグが秀逸。交通巡査、KO!
後半は大勢の警官との追っかけ。
最後は自ら囚われの身となり、墓石で終わる。意味深ですな。
シネマヴェーラ渋谷
「キートン・サイレント集」監督・脚本:バスター・キートン、エドワード・F・クライン
すっかりお馴染みの特集でのお約束、キートン短編集。
「キートンの即席百人芸」1921年
The Play House
オーケストラと観客の全員がキートンという冒頭の演奏会シーンから後半の水槽割りまで、映像の美しさに溢れた一篇
楽団員も観客も全部キートンというギャグは当時の技術を持ってすると結構大変な労力であったろうと想像する。30分弱の短編であっても最後までその線で押すのは辛かったか。全部キートンのシーンは夢だったという事になっていて後半戦へ・・・。
そういえばキートンの短編って前後半の2部構成的な作りが多いようにも思う。
後半ではキートンのマルセ太郎芸が見れるよ。
「キートンの船出」1921年
The Boat
グルグル回転する船内をアクロバティックに動き回るキートンが凄い。オチもばっちりの傑作短編。
陸のキートンも良いが、海のキートンも最高だよね。海洋三部作の一つとして短編の傑作。タイトルは「キートンの船出」と「キートンの漂流」の2種類があるようです。前半部が「船出」、後半部が「漂流」・・・。原題は The Boatで両方通用する。
破壊の魅力に溢れた船出。キートンの勇姿、後ろ姿で揚々と海に沈んで行くシーンが好きだから邦題は「船出」が良い。
ここでのキートンは家族持ち、料理は上手じゃないが、セーラー服の可愛い嫁と男の子が2人。
この子供に対する乱暴な扱いがシュールで面白い。まるで荷物のように扱う。
ギャグとしては、釘の穴から浸水してきた水を船底に穴を開け逃がそうというおバカが良い。
船の名前そのものがギャグになっていて落ちでも・・・
「キートンの酋長」1922年
The Paleface
崖から落ちたり斜面を転げ落ちたりのアクロバティックなスタントに加え、社会風刺も効いた一作。
強欲な石油商人がわずか1ドルでせしめた元インディアンの土地にやって来た昆虫採集の若者キートンは、蝶に誘われるままに門の外の居留地に迷い込み、彼らの存在に気づかず、虫捕り網をふるって混乱を巻き起こす。
インディアンの酋長から「この門を潜った最初の白人を殺せ」の指令。そこに紛れこんできたのが我らが主人公。インディアンの不穏な様子を察知して脱兎の如く逃げ出したのかと思ったらそうでなく、蝶を見つけて捕まえにいったっていうギャグに爆。
インディアンのダンスがベタでいいなぁ〜。
吊り橋。高所でのシルエット。
ラストはとても洒落てる。インディアン娘との間に可愛いベビーでも出来たかと思ったら、まだまだラブラブでチュー!
「キートンの警官騒動」1922年
Cops
大勢の警官から追われるキートンの逃げ足の速いこと!巧みな馬の扱いや巨大シーソー・シーンなど見所満載。
タイトルからして、いきなり牢獄のキートンかと思いますがそうではありません。単なる門。
タクシーを拾おうとする紳士の落とした財布を拾って、彼に返そうとするが何度か渡し損ねて中身だけ貰ってしまう。そして、その大金に目をつけた詐欺師が、引っ越しで今から運ばれようという家具を、持ち主のいない隙に彼に泣きついて無理矢理買わせる。そして、キートンは近くの吊しの洋服露地商の値札を、その前に停めてあった馬車の値段と勘違いして、わずか5ドルでそれを手に入れ、家具を満載して出発・・・
感違いの連鎖。こういうの好きなんよね。
このお馬さんが途中、調子が悪くなるんだけれど、様子がカワユイのです。
マジックハンドの方向指示器のギャグが秀逸。交通巡査、KO!
後半は大勢の警官との追っかけ。
最後は自ら囚われの身となり、墓石で終わる。意味深ですな。
シネマヴェーラ渋谷