「ラブ&マーシー 終わらないメロディ」2015年 米 監督:ビル・ポーラッド
バンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」の人気が過熱していた1960年代のカリフォルニア。うなぎ上りの人気とは裏腹に、新たな音楽を模索してスタジオで曲作りに没頭するブライアンは、新作へのプレッシャーによって精神的に参ってしまう。それから二十数年、ブライアンはメリンダと出会ったことで……。
私にとってザ・ビーチ・ボーイズというのはどちらかというと置き忘れててきたような存在で、恥ずかしながらブライアン・ウィルソンちゅう固有名詞もままならないくらいのもんです。
それでも有名な曲の数々はタイトルが解らなくても聞きゃ解るし、夏の健康的なサーフィン・サウンドという概念を取っ払ってしまうと、案外好きなサウンドでもあります。
そもそもビーチ・ボーイズのメンバーだってほとんどサーフィンしないらしいしね。
ザ・ビーチ・ボーイズはともかく、事前に入手した情報、ブライアン・ウィルソンの知らざれる数奇な運命ってのがメチャ面白そうなんで、遅ればせながらニ番館上映で観賞です。
いいですね。
音楽PV的側面でも充分楽しめるし、時代を変えて二人一役(60年代:ポール・ダノ、80年代ジョン・キューザックス)で交互に語られる構成も面白い。
ブライアン・ウィルソンの精神が壊れていく様子が味があってたまりません。特に50代の彼とそのロマンス。
悪徳精神科医(ポール・ジアマッティ)も最高に怖い怪優怪演。
メリンダとの恋路をスタジオの窓越しに監視している恐ろしさは心理ホラー。
60年代編での父親のモンスターぶりは想像よりおとなしめで残念でしたが。
中年ブロンド美人メリンダ(エリザベス・バンクス)のエロさも80年代ボディコンでもって、どストライク。
ヨットから脱出するとてもロマンチックなラブストーリー仕立てから、狂った事を言いだす当たりが抜群です。
またそれが悪徳医師からの脱出に繋がるというね・・・
黒味が長く続いたり、水中にもぐったり、音声を消すタイミミングとか、何かと工夫を凝らしているのも、「ペット・サウンズ」の制作過程と重なって面白い。
聞いたことがなかった「ペット・サウンズ」
映画観賞後に試聴しましたが、今聴くとそれほど先鋭的には思えずピンと来ない。かなりまともなビーチ・ボーイズ・サウンドとして聞けました。
ビートルズがやると先鋭的という事で大ヒットし、ビーチ・ボーイズがやると意味不明と理解が得られないというのは良く解るような気がします。
それにしてもこの映画、最後はとっても素敵なハッピー・エンド。
ハッピー・エンドをさほど好むタイプでは無いのですが、これは近来稀にみる良いハッピー・エンドで気持ち良かったすね。
それもすべて、ビーチ・ボーイズ・サウンド効果って事かもしれない。
あのブロンド・エロ美人、結局嫁さんにしたんか。それまでをすべてチャラにする幸福者めが!
角川シネマ新宿
バンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」の人気が過熱していた1960年代のカリフォルニア。うなぎ上りの人気とは裏腹に、新たな音楽を模索してスタジオで曲作りに没頭するブライアンは、新作へのプレッシャーによって精神的に参ってしまう。それから二十数年、ブライアンはメリンダと出会ったことで……。
私にとってザ・ビーチ・ボーイズというのはどちらかというと置き忘れててきたような存在で、恥ずかしながらブライアン・ウィルソンちゅう固有名詞もままならないくらいのもんです。
それでも有名な曲の数々はタイトルが解らなくても聞きゃ解るし、夏の健康的なサーフィン・サウンドという概念を取っ払ってしまうと、案外好きなサウンドでもあります。
そもそもビーチ・ボーイズのメンバーだってほとんどサーフィンしないらしいしね。
ザ・ビーチ・ボーイズはともかく、事前に入手した情報、ブライアン・ウィルソンの知らざれる数奇な運命ってのがメチャ面白そうなんで、遅ればせながらニ番館上映で観賞です。
いいですね。
音楽PV的側面でも充分楽しめるし、時代を変えて二人一役(60年代:ポール・ダノ、80年代ジョン・キューザックス)で交互に語られる構成も面白い。
ブライアン・ウィルソンの精神が壊れていく様子が味があってたまりません。特に50代の彼とそのロマンス。
悪徳精神科医(ポール・ジアマッティ)も最高に怖い怪優怪演。
メリンダとの恋路をスタジオの窓越しに監視している恐ろしさは心理ホラー。
60年代編での父親のモンスターぶりは想像よりおとなしめで残念でしたが。
中年ブロンド美人メリンダ(エリザベス・バンクス)のエロさも80年代ボディコンでもって、どストライク。
ヨットから脱出するとてもロマンチックなラブストーリー仕立てから、狂った事を言いだす当たりが抜群です。
またそれが悪徳医師からの脱出に繋がるというね・・・
黒味が長く続いたり、水中にもぐったり、音声を消すタイミミングとか、何かと工夫を凝らしているのも、「ペット・サウンズ」の制作過程と重なって面白い。
聞いたことがなかった「ペット・サウンズ」
映画観賞後に試聴しましたが、今聴くとそれほど先鋭的には思えずピンと来ない。かなりまともなビーチ・ボーイズ・サウンドとして聞けました。
ビートルズがやると先鋭的という事で大ヒットし、ビーチ・ボーイズがやると意味不明と理解が得られないというのは良く解るような気がします。
それにしてもこの映画、最後はとっても素敵なハッピー・エンド。
ハッピー・エンドをさほど好むタイプでは無いのですが、これは近来稀にみる良いハッピー・エンドで気持ち良かったすね。
それもすべて、ビーチ・ボーイズ・サウンド効果って事かもしれない。
あのブロンド・エロ美人、結局嫁さんにしたんか。それまでをすべてチャラにする幸福者めが!
角川シネマ新宿