「汗ばむ美乳妻　夫に背いた昼下がり」

「汗ばむ美乳妻　夫に背いた昼下がり」2016年　オーピー映画　監督：城定秀夫

清楚な妻の秘密は男の汗や体臭に興奮を覚える匂いフェチ。潔癖症の夫に不満を感じていた彼女は水道工事屋の汗だくの姿を見て…。

見逃してはいけない城定秀夫監督のピンク映画。
やはりピンク映画界の中でその水準は群を抜いている。
今回作品は城定作品としては並かもしれないが、それでも充分トップ・クラスに輝くんでないの。

七海ななの行けてない眼鏡女子ぶり、眼鏡が少し歪んだ感じにみえたり、ずれ上がったりしながらの自慰行為が。
妻はほぼ男性体験が無いけれど、男の汗の匂いフェチの変態女だ。



男優もいい。木下桂一の潔癖性夫。
相談所で知り合った夫婦の生活は最初、決して楽しそうなものには思えないのだけれど
七海ななの健気さが良い。
実際、夫婦間でいつまでも敬語会話というのは根がおタク系の自分としても憧れるもんがあるし･･･



この夫婦がお互いに秘密を持つようになる。単純に言えば相方への裏切り行為なんだけれど、この関係が実に素敵なんだもの。
それぞれ新しい体験で別の世界を知った翌朝に亭主が黄金の麦茶、妻が白濁の牛乳をじっと見つめる演出までもが微笑ましい。
水道屋からゲットした汗臭いタオルを亭主が洗濯機にほうり込んだとき、崩れ折れる絶望感。
詰まってもいないトイレが「また詰まった」と水道屋を呼ぶ新妻の可愛らしさよ。

新しい世界を教えた水道屋、ＳＭ女王もこの夫婦の愛の前にがっかりしたり、結婚の勇気をもらったり･･･
明らかに変性を遂げた夫婦が一つベッドでぎこちなく身体を触れあわせ寝る夜は幸福の予感に満ちていて、とても気持ち良い。

下衆な私にこんなにもラブストーリーを素直に見せてくれる手腕て何なんだろ。

昨年の「悦楽交差点」の見逃しは痛恨であったけれど、今度ＧＷに観る機会が得られそう。楽しみ。



上野オークラ劇場