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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ルーム」

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「ルーム」2015年 加・愛 監督:レニー・アブラハムソン

施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャックと、母親ジョイ。彼女はオールド・ニックによって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。

とても好評のようなので観てみました。
監禁物と言っても猟奇的なゲテ作品ではなく、5歳まで小さな部屋の中だけが世界だった息子ジョイが初めて世界に触れる瞬間の表現が優れていて追体験ができるという評判が先に入ってしまったためか、ハードルが高くなってしまった事もあり、そこんところはそれなりに・・・でした。
確かにカメラワークはかなり工夫されているようです。



サスペンス要素の脱出劇は中盤にあっさり目というかオールド・ニックがトロすぎ。

むしろ脱出してからの後半の特に母親サイドの葛藤が興味深い。
世間の悪意とまともに向き合わなければならない現実。
ただ、終始息子の視点で描かれていく(あの子役の演技はホントに凄い)のがこの作品の肝ですから、母親は入院して途中退場したりする。
ジョイが行方不明中に、おそらくそれが因で離婚してしまった父親のウイリアム・H・メイシーが堪らなく良いだけに、もっとそちら方面を抉って欲しくなる。
疲弊していくジョイが母親に究極の毒付きをしてしまうあたりで苦悩は見ていて苦しくなるほど充分表現されてはいるのだけれど・・・

脱出時の空のシーンに感動が深ければ求めるものも変わってくるんでしょう。
多分、事前情報を極力排除して見た方が良い作品なんだろうけれど、それはなかなか難しい事です。

面白い作品である事は間違いありません。



ヒューマントラストシネマ渋谷

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