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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「NAGISA なぎさ」

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「開館10周年記念特集Ⅱ シネマヴェーラ渋谷と愉快な仲間たち」
柄本祐セレクション

「NAGISA なぎさ」2000年 監督:小沼勝 (35mm)  併映「フレンチ・カンカン」

60年代の江の島。アルバイト、初めてのパーマ、母への反発、初恋・・・。小6のなぎさの一夏の冒険を描いた小沼勝監督初の一般映画にして12年ぶりとなる劇場映画。ちょっと背伸びした思春期の少女の二度と来ない夏を瑞々しい感性で描き、ベルリン国際映画祭キンダーフィルム部門のグランプリに輝いた。
*映画の波が松田まどかの身体を通して押し寄せてきます。

なぎさは、居酒屋を営む母とふたりで暮らす12歳の女の子。漁師の父を4年前に亡くしているが青春まっただ中で元気満開。その年の夏休みは生涯忘れられない夏休みになる。
なぎさが海の家でバイトを始めたのはレコードプレーヤーを手に入れるため。海の家を経営する叔母の不良娘・麗子に影響されてパーマをかけたり、麗子の彼氏とアメ車でダンスパーティーに行ったり、東京から帰省中の金持ちの美少女・真美に意地悪をされたり、東京から来た病弱な少年・洋と出会ったり、毎日が様々な出来事満載。砂浜への漂着物を拾うのが趣味の洋に泳ぎを教えているうちに生じる恋心、そして初キス。でもその洋は・・・

昨年のシネマヴェーラ小沼勝特集での貴重な上映を痛恨の見逃しをして悔しかった作品。早速、同劇場での上映。柄本祐でかしたぞ!
原作は村上もとかの同名漫画。
最初、舞台が1960年代とは知らずに見ていた。
徐々に時代が60年代頃と理解してくるのだが、これは、あまり時代設定に拘らず、世代的に汎用を持たせた作品にしても良かった。否、その方が良かったかな。
その方が海水浴客で賑わう江の島の海岸でランドセル姿の女子2人が歌う「恋のバカンス」のシュールさが生きる。多分ゲリラ撮影で海水浴客の水着が2000年だし。

金持ちの真美ちゃんの言動とかも時代の汎用性が高そう。
この手の少女作品で常となるのは、同級生男子のおバカさ、幼稚さ。しっかり抑えられていますね。

個人的にはロカビリーの従姉が自分の世代として鑑賞するのが面白いですよ。江の島ですし。・・・もちろん、あんな青春はありませんけど。

同級生に比べて病弱な洋くんがなかなかカッコ良い。だから初恋なんでしょうけど。
彼がひとりで沖へ泳ぐシーンは、明らかに不穏気配が漂いいやな感じ。



とにかく、スクール水着姿もまぶしい主演の松田まどかの素材の良さが際立つ作品。

鑑賞後調べてみたら1987年生。この後「スウィングガールズ」や「夜のピクニック」に脇で出演しているけど、芸能活動休止もあり作品は少ない。現在大人の28歳。
好もしい顔立ちはちょっと多部未華子(1989年早生、つまり1個下)と被ってしまうかもしれないが、どちらも可愛い。
公式ブログは2011年で止まってますが、拝見すると素材の良さを損なわず成長され美人さんです。


親友の役の吉木誉絵さんはこの後、留学後慶応義塾大学院を修了し、現在は著作家として活躍する才媛。
こちらも刺激的ななぎさの一夏とは対照的に凡庸な娘を好演。ラストでの親友キャラ。このキャラは徳がある。
当時のお菓子事情(新発売の笛ラムネとか)を入れ込んで時代性を強調するのは面白いけれど、そういうのはオマケみたいなもんだから。



谷ナオミでも松田まどかでも魅力的に撮れる小沼勝。
この一般作も瑞々しくて傑作と思うが、でもやっぱりこの人はポルノ作品に傑作が多すぎる。
ずっとエロ作品で生きていて欲しい監督なんですけど。


わが人生 わが日活ロマンポルノ著者 : 小沼勝国書刊行会発売日 : 2012-05-25ブクログでレビューを見る»

シネマヴェーラ渋谷

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