「FAKE」

「FAKE」2016年　東風　監督：森達也

2014年、聴覚障害を抱えながら「鬼武者」などのゲーム音楽や「交響曲第1番“HIROSHIMA”」といった作品により「現代のベートーベン」と呼ばれた佐村河内守が、実は耳は聞こえており、作品はゴーストライターの作曲だったと報道される。騒然とする状況で、自宅での撮影に応じた佐村河内は……。

ゴーストライター事件発覚前から胡散臭い佐村河内氏にもその音楽にも興味ありませんでしたが、あの断髪の別人記者会見がとても良かったので。
そもそも障害者でありながら才能のある方々に対しては五体満足でありながら無能な人間より恵まれてると思うので嫉妬こそすれ、感心はしない性質でその人の実力よりも低い評価をしたくなる困ったヤツなもんで、すんません。

個人的には会見で風貌の一変した姿、その雰囲気が知人のＭ氏に似ているので、Ｍ氏を知る人に言いまわったんですが全く同意を得られず残念な思いとかはあります。

映画は大盛況でした。
しかし、本当に胡散臭さが良いですね。
タイトル「ＦＡＫＥ」が絶妙ですね。
マスコミに対する懐疑や、海外メディアの鋭さ。
一番鋭くカッコ良い一言を発するのは監督本人で、これは監督の作品だから仕方ない。
職を失い名誉も地に落ちた芸術家の復活に必要なものは何か･･･。

ネタバレ厳禁のラストは感動することも可能。
エンドロールに「音楽・佐村河内守」の文字を探したんだけど･･･
立場や見方で、見え方はこうも違うという意味ではとても奥深いドキュメントだし、夫婦愛の作品と見ることも可能。
鑑賞後もやもやと考えるのが面白いタイプの多面的な作品。
取りようによってはしょうもないけれど、取りようによってはメチャ面白い。

やっぱり感情の動き方とかM氏に似てると思う･･･（M氏はとても真面目な方です）

それにしても･･･
巧みなのは猫の使い方。
思いっきりケーキを食べたくなる。

佐村河内氏のペテンは案外穴があって可愛い。
佐村河内氏より実は奥さん。


「FAKE」
でも、頭ん中は･･･

世界で一番好きだ的な
あなたしかいらないのよ的な
あなたのために生きるは的な

ことなんて今は絶対言わないわ
FAKE IT？

森達也監督のドキュメンタリー手腕が恐ろしい。



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