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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「シン・ゴジラ」

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「シン・ゴジラ」2016年 東宝 監督:庵野秀明 樋口真嗣

東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが……。

「シン・ゴジラ」やっと見てきました。
これも公開即鑑賞の予定でいきまいていたのに8月末にやっとこさです。
予告編での期待と不安。2015年ハリウッドであんなゴジラを作られちゃって、思いっきりハードル上がっちゃった日本ゴジラ。
しかし、公開されると何気に評判が良い。という事で鑑賞までは徹底的にネタバレ、その他情報を避け続けて挑んだのであります。



結論。これはもう感心の連続。
怪獣映画の楽しさとしては2015ハリウッド版に軍配だろうが、まったく違う角度で勝負してみせた。
なるほど「ニッポン対ゴジラ」のコピーに納得。ポリティカル・アクションでありフィクション。

ここでの味噌は描かれる日本国。それは円谷英二も本多猪四郎も、東宝チャンピオン祭りも存在しない、ゴジラ・バージン状態の現代日本。つまり、リアル描写に優れていてもあくまで虚構の日本国。
序盤の会議シーンの超高速テンポ。日本を守るお偉いさん、エリートさんたちの頭の回転に付いていけない。
会話だけじゃなく、テロップ、影の声、膨大なカット割りが超高速で溢れ流れていき、到底認識には至らない。もう流して見るしかないし、流して雰囲気で見ていても臨場感は充分伝わる。作り手は観客に情報を認識させようとは思っていない。要するに、今後語り継いでいくであろうディープなファンにとっては「調べる」楽しさを残し、多くの薀蓄を垂れるファンが出現を促す。大ヒット作ではあるがまさにカルト要素の強い作品。さすが、庵野秀明といったところ。こちとらエヴァンゲリヲンは劇場版の1しか見てないが、やはりエヴァの劇場版はちゃんと見ておかなくてはいかんだろうね。

1956年のゴジラが原爆のメタファーであれば、シン・ゴジラは原発のメタファーである事は容易に知れる。
だからこそ、この時代に放たれた本作には意義があるだろう。
日本を守るエリートたちは、一部ユーモアやダメな部分も出てくるものの総じて、テキパキと判断を誤らず、カッコ良く大災害に対処していく。
リアルなニッポンはなかなかそうは行かないだろう。
しかし3.11に関しても現場ではこの虚構ニッポンのように勇敢に対応した人々もあったと聞く。



ニッポン対ゴジラ
そこにはマスコミや世論、野党という厄介物は敢えて排除し、近年にありがちな家族のドラマさえも排除した本作。確かにそこに物足りなさを感じなくもないが、本作に関して言えば個人的に大好きな構図でしたね。
本作には一般人、特に恋人や妻やらという女性的な役どころを演じる女優は出て来ない。
キャラ的に不快感を伴う石原さとみのカヨコ・アン・パターソン米国大統領特使。



凛々しくも総理に迫る余貴美子の防衛大臣・花森麗子。新都知事より数倍イカシテル。


 
理系女子で感情の垣間見える隙のないロボットのような市川実日子の尾頭ヒロミ環境省自然環境局野生生物課課長補佐。
そうそう、何だかさっぱり解らん予告編を見ていて市川のスッピンを見るだけでも、本作は絶対に観ようと思ったものでした。思った以上に重要な役。ラストで見せる笑顔もイイ。




さて肝心の主役ゴジラですね。
造形的にほぼ不満の無い迫力。
第一形態から第四形態に変化していく設定。
近頃のヒーロー物は複数形態が当たり前になっているので目新しい事ではないけど、それぞれの造形が素晴らしいので嬉しい。
特に第二形態のキモカワイさは、(登場した時はゴジラだと思っていたのにあんな奴が出てきて、ゴジラの対戦する敵キャラかと思ったよ)久しぶりにフィギュアに対する物欲が沸き起こりますよ。
おー!既にフィギュアが発売されているではないですか!手頃な価格。今度買おう、買おう。



第四形態でのヤシオリ作戦以降、荒ぶる感がトーンダウンしてしまった事と首都東京をもっと徹底的に焼け野原にして欲しかった点はちょっと残念なところでした。
ただ、無人新幹線や無人在来線攻撃は燃えましたね。

音楽面、やはり伊福部サウンドがかかると上がりますが、その他の音楽もシンボリックではないけどなかなかよろしい。
音響設計も庵野秀明とあった。

野村萬斎も中島春雄、薩摩剣八郎に引けを取らぬ仕事ぶりです。

樋口真嗣監督も「進撃の巨人」の時に言われていたように特技に徹したせいか、本作のドラマパートは見違えるほど良くなっているし、
やはり「シン・ゴジラ」・・・新ゴジラだろうが、神ゴジラだろうが、真ゴジラだろうが、深ゴジラだろうが、兎に角、面白うございました。

























ユナイテッドシネマ豊洲

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