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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「フェリーニの道化師」

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「映画の国名作選?イタリア篇」

「フェリーニの道化師」1970年 伊 監督:フェデリコ・フェリーニ

少年の頃よりサーカスに強い憧れを抱いていたフェリーニは、道化芸の本場イタリアとフランスを旅するが、どこにも道化師が見つからない。彼らは老いに直面し、その芸を継承しようという者も少ないのが現実。旅の途中、彼は旧知の女優エクバーグ、喜劇役者P・エテックス、笑いの王様チャップリンの娘ジョセフィンらにそのことを嘆き、かつて観た素晴らしい道化たちの想い出を語り合う。

フェリーニの映画といったらサーカスや道化師が良く登場します。これはそんなフェリーニの本質的な作品でしょうか。TV番組が元だったようで尺も短めなのも良いです。

難しい事は解りませんが、その映像からくる変テコなフェリ−ニのゲージュツ性がとても好ましくて病みつきになるんですよね。

夜中に窓から見えるサーカスのテント設営のシーンひとつ取っても。

ドキュメンタリータッチでサーカスの実況、ドタバタを見せながら、自分の周囲に居るヘンな人々を紹介する街のスケッチがナイスであります。
小柄な駅員を列車の窓からコケにしまくる子供たち。ナチスへの敬礼!
こういうギャグのようなヘンな人たちを並べる。
この異形さが良いのでありまして、この際、後半の失われつつある道化師への憧憬、センチメンタリズム、フェリーニの道化師に対する愛情なんてモノは放っておきましょうって気にもなる。

アニタ・エクバーグがサーカス小屋に豹を物色しにくる悪夢のような幻想的シーン。
アニタ・エクバークの本格出演作、未見であったな。

ニーノ・ロータの音楽の使い方も憎い。
ラストのトランペットの音色はともかく、劇中の音楽が賑やかに付け哀愁を帯びるに付け素晴らしいです。

そういえば、私、サーカスというものはテレビ中継のみでライブを体験していない。子供の頃、親から誘いがあったが、断って妹だけが見に行った。
いづれにしてもこの映画のような如何わしく、かつ豪華絢爛なサーカスは最早、生体験不可能だもんな。
テント内の円形舞台のあちらこちらで勝手気ままに演じているかのようなクラウンたちのアンサンブルを堪能できるというのも本作のお値打ち。

ところで、女怪力と女ターザン(サクラですか)のバトルは見たかったなぁ。

フェリーニのゲージュツ。まだまだ見てないものが多いので今後も楽しみ。

渋谷 シアター・イメージフォーラム

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