「MOOSIC LAB」MOOSIC+メランコフ
「パンツの穴 キラキラ星みつけた!」1990年 フィルム・キッズ 監督:鎮西尚一
父親の再婚を素直に喜べないしおりは、その気分を紛らわすかのようにテニス部の合宿で、信州・諏訪湖にやって来る。そんなしおりに一目惚れした宿屋の息子・順平は彼女にアタックするが、しおりの義母がそこに現れて……。
学研パブリッシング発行の月刊雑誌BOMBの中の1コーナーを原案とした映画シリーズ「パンツの穴」は菊池桃子の第1作公開時から、まったく自分には縁のないちょっとエッチなアイドル映画という認識しかなかたのです。しかし、ポレポレ東中野のR18 SHOWCASEの鎮西監督特集でも上映されていて、紹介文からちょっと興味を抱いたものです。その時はスケジュールが合わず鑑賞に至らなかったのでもう観る事はないだろうと思っていた。
でも、ちゃんとまた上映機会に遭遇するんだね。
しかし、何とも形容しがたい魅力にあふれたへんてこりんな作品。まさにジャンルという枠組みに入らないというか、今となっては公開の意図すら不明と思える(上映後トークショーでいまおか監督も申してました)アイドル映画?青春ミュージカル?
夏休みの避暑地、実家の旅館に合宿に来た女子高生との出会いと恋愛。
まったく自分の高校生活には縁の無い憧れのボーイ・ミーツ・ガール物語。
良いなぁ、高校生の恋って。自分もこんな体験の10分の1でもあったなら、もうちっとまともな人間になれてたかな。否、既にまともじゃなかったから縁が無かっただけか。
旅館の息子順平とヒロインのしおり。その友人の恒雄と薫の4人の淡々とした恋愛物語と並行して描かれる街のちょっと変わった人たちの奇行。
武田信玄のお宝を探し求める老猟師。歌好きのお兄さん。
いや、合宿に来る女子高生の方だって充分おかしな人がいる。新興宗教さながらの予言をする女子。
引率教師は何かと管理することに否定的で、東京から追ってきた女ともめている。
果ては旅館を廃業して売る決心をする順平の父親。しおりを連れ戻しにくる父親の再婚相手のクラブ歌手と・・・彼等の人生を大きく左右する出来事も進行する奇妙な構成。
この特色あるキャラクターを演じるキャストが皆、とても魅力的。
まず歌のお兄さん加藤賢崇の怪人ぶりが目を引く。へんてこな歌を飄々と歌う加藤賢崇、ドレミファ娘の時もそうでしたが怪しすぎます。
「恥ずかしくってやってられない」という浅野忠信君を諭す大人の賢崇君(上映後トークショーより)
怪人という意味では大御所の天本英世。もうこの頃は完全な老人なんですが、元気いっぱいで健在ぶりで猟銃を盲滅法、撃ち放つ。
しおりの父の再婚相手、広田レオナのむんとするフェロモン。
クラブ歌手が旅館に押し掛けた時は洞窟内で猟銃をぶっ放したことが元で死んでしまった天本英世の葬儀の最中。気だるく口ずさむ「ダニー・ボーイ」にいつしか皆が大合唱になる名シーン。
他のバッチもんナツメロとはここだけちょいと違う。もちろん「銀座ジャングル娘」などバッチもんぽいメロディー(西野妙子がバケット車で2階欄干で踊る同級生の高さまで上がり歌い踊る場面も印象的)のノスタルジックな雰囲気も悪くないです。
教師を追っかけてくる女がポルノ女優、杉原光輪子。加藤善博と痴話喧嘩を繰り返し、ヌードシーンまであり。
旅館の息子順平役、毛利賢一はジョニー大倉の息子ですって。あの当時の髪方は仕方ないにして、可愛くもしっかりとした男の子。
その友人が浅野忠信(本作がデビュー作)トークショーで鎮西監督が「あの当時からカッコ良かった」と連発していましたが、映画からはそんな感じは受けません。カッコ良いというか可愛い?・・・って言うか子供じゃんか! 頬を赤くした、まさに紅顔の美少年。
しかし、この映画を最も印象深く魅力的にしているのは、何と言っても西野妙子の可愛さです。
鑑賞中、何度心の中で「うわ、かわいぃ〜」と賛嘆したことか。たいして可愛くない普通の女子高生の表情から一瞬にして天使のような可愛さに豹変する瞬間が堪りません。
思わせぶりな言動の多い罪な娘ですけど・・・。
小室哲也プロデュースのDOSでも活躍していましたが、今はどうしているのでしょう。まだまだ若い方です。もう一度復活して欲しいですね。
浅野忠信のお相手になった遠藤美佐子という娘も、良い雰囲気で若い恋心を演じていましたし、女子高生の中で唯一彼氏のいるリーダー役、華井すずみも笑窪の可愛い娘でした。
まだギャルなんて呼ばれていないあの頃の女子高生。映画の中だけの幻影でしょうか。
池袋シネマロサ
「パンツの穴 キラキラ星みつけた!」1990年 フィルム・キッズ 監督:鎮西尚一
父親の再婚を素直に喜べないしおりは、その気分を紛らわすかのようにテニス部の合宿で、信州・諏訪湖にやって来る。そんなしおりに一目惚れした宿屋の息子・順平は彼女にアタックするが、しおりの義母がそこに現れて……。
学研パブリッシング発行の月刊雑誌BOMBの中の1コーナーを原案とした映画シリーズ「パンツの穴」は菊池桃子の第1作公開時から、まったく自分には縁のないちょっとエッチなアイドル映画という認識しかなかたのです。しかし、ポレポレ東中野のR18 SHOWCASEの鎮西監督特集でも上映されていて、紹介文からちょっと興味を抱いたものです。その時はスケジュールが合わず鑑賞に至らなかったのでもう観る事はないだろうと思っていた。
でも、ちゃんとまた上映機会に遭遇するんだね。
しかし、何とも形容しがたい魅力にあふれたへんてこりんな作品。まさにジャンルという枠組みに入らないというか、今となっては公開の意図すら不明と思える(上映後トークショーでいまおか監督も申してました)アイドル映画?青春ミュージカル?
夏休みの避暑地、実家の旅館に合宿に来た女子高生との出会いと恋愛。
まったく自分の高校生活には縁の無い憧れのボーイ・ミーツ・ガール物語。
良いなぁ、高校生の恋って。自分もこんな体験の10分の1でもあったなら、もうちっとまともな人間になれてたかな。否、既にまともじゃなかったから縁が無かっただけか。
旅館の息子順平とヒロインのしおり。その友人の恒雄と薫の4人の淡々とした恋愛物語と並行して描かれる街のちょっと変わった人たちの奇行。
武田信玄のお宝を探し求める老猟師。歌好きのお兄さん。
いや、合宿に来る女子高生の方だって充分おかしな人がいる。新興宗教さながらの予言をする女子。
引率教師は何かと管理することに否定的で、東京から追ってきた女ともめている。
果ては旅館を廃業して売る決心をする順平の父親。しおりを連れ戻しにくる父親の再婚相手のクラブ歌手と・・・彼等の人生を大きく左右する出来事も進行する奇妙な構成。
この特色あるキャラクターを演じるキャストが皆、とても魅力的。
まず歌のお兄さん加藤賢崇の怪人ぶりが目を引く。へんてこな歌を飄々と歌う加藤賢崇、ドレミファ娘の時もそうでしたが怪しすぎます。
「恥ずかしくってやってられない」という浅野忠信君を諭す大人の賢崇君(上映後トークショーより)
怪人という意味では大御所の天本英世。もうこの頃は完全な老人なんですが、元気いっぱいで健在ぶりで猟銃を盲滅法、撃ち放つ。
しおりの父の再婚相手、広田レオナのむんとするフェロモン。
クラブ歌手が旅館に押し掛けた時は洞窟内で猟銃をぶっ放したことが元で死んでしまった天本英世の葬儀の最中。気だるく口ずさむ「ダニー・ボーイ」にいつしか皆が大合唱になる名シーン。
他のバッチもんナツメロとはここだけちょいと違う。もちろん「銀座ジャングル娘」などバッチもんぽいメロディー(西野妙子がバケット車で2階欄干で踊る同級生の高さまで上がり歌い踊る場面も印象的)のノスタルジックな雰囲気も悪くないです。
教師を追っかけてくる女がポルノ女優、杉原光輪子。加藤善博と痴話喧嘩を繰り返し、ヌードシーンまであり。
旅館の息子順平役、毛利賢一はジョニー大倉の息子ですって。あの当時の髪方は仕方ないにして、可愛くもしっかりとした男の子。
その友人が浅野忠信(本作がデビュー作)トークショーで鎮西監督が「あの当時からカッコ良かった」と連発していましたが、映画からはそんな感じは受けません。カッコ良いというか可愛い?・・・って言うか子供じゃんか! 頬を赤くした、まさに紅顔の美少年。
しかし、この映画を最も印象深く魅力的にしているのは、何と言っても西野妙子の可愛さです。
鑑賞中、何度心の中で「うわ、かわいぃ〜」と賛嘆したことか。たいして可愛くない普通の女子高生の表情から一瞬にして天使のような可愛さに豹変する瞬間が堪りません。
思わせぶりな言動の多い罪な娘ですけど・・・。
小室哲也プロデュースのDOSでも活躍していましたが、今はどうしているのでしょう。まだまだ若い方です。もう一度復活して欲しいですね。
浅野忠信のお相手になった遠藤美佐子という娘も、良い雰囲気で若い恋心を演じていましたし、女子高生の中で唯一彼氏のいるリーダー役、華井すずみも笑窪の可愛い娘でした。
まだギャルなんて呼ばれていないあの頃の女子高生。映画の中だけの幻影でしょうか。
池袋シネマロサ