「愛がなんだ」

「愛がなんだ」2019年　エレファントハウス　監督：今泉力哉

28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。



今泉力哉監督。恋愛映画の端手かなんかで最近撮るジャンルが縁遠い感あっったけれど勇気出して観た。大丈夫、裏切らない。
何せ、SSWカネコアヤノの存在を教えていただいた恩人なので･･･



人と人との関係性で自然と生まれる上下。微妙なバランス。対等が望ましいけれど、だからってそれでうまく行くとは限らないし。
脇役陣の台詞が普遍的でいちいち深い。
伏線的な台詞が直接その人物へ繋がらず複雑に交差する感じが面白い。読んだことないし、今後も読まないだろう角田光代がまた、凄いのかもしれない。知らんけど。



すみれさん（江口のり子　ナイスキャスト）がまもちゃん（成田凌）の本質を元彼のエピソード使って言い当てるシーン。
あれ？あれあれあれ？、俺、昔すみれさんと付き合ってましたっけ？
そんなクソ野郎でも楽しめる恋愛映画。

長回し、黒味、独特な視線。リアルな会話。
テイストというか今泉型が確立されてる。そしてそれは嫌いじゃなく、なんか好き。



落ち込む状況でもちゃんと美味しく物を食べるテルコが良いが、岸井ゆきの、「光と禿」の時より個性が際立ちすぎてるような。
仲原青役、若葉竜也の存在は大きい。ナカハラっちの個展、劇中スチールは木村和平。



マモルの成田凌の佇まいも良い。テルコへの態度の悪気の無さや強がりとパリピの中に入った時の猫被り感。



葉子タイプだって寂しくなる事はある。深川麻衣、ナイスキャスト。これが自分に入ってきた最初の乃木坂46情報。
葉子のお母さんがなんかエロいと思ったら、「みんな！エスパーだよ！」でイジリー岡田の妻役の人だった。

今泉力哉はFUCK抜きで恋愛を紡ぐ事に長けてる。ピンク映画ばかり観てると、これはホントに凄い事に思える。





ヒューマントラストシネマ有楽町