小銭をかぞえる (文春文庫)西村 賢太文藝春秋発売日:2011-03-10ブクログでレビューを見る»
もう、読んだのは去年ですよ。
去年、読んだ本を少しづつ記事UPしていこうとするのですが、映画の記事を優先にしてしまって、一向にはかどりません。
今年に入って読書ペースが極端に落ちた(というか、ほとんど読んでません)事もあり、「小銭をかぞえる」を再読してみました。
興味、関心のある未読の物を新たに読むのも良いけれど、西村賢太の作品を1年ぶりに再読して行くのもまた良し。何しろ私小説なので題材は似たものが多く、記憶が薄れるとどれがどれだか解らなくなるもんで(情けない)
1年ぶりに読んでもまたまた楽しい。
「焼却炉行き赤ん坊」
ペットの犬の代わりに買い与えたぬいぐるみを彼女が溺愛する様子に辟易としながらも、そんな女を愛おしくも思ったりして、気乗りしないながらも付き合っている。ひょんな事から(もちろん大事な大事な藤沢清造がらみね)鬱憤爆発。自制不可能・・・。あぁ、こんなにも僕は仲良くしたいのにどうして・・・
「うるせえ、おまえに立場なんかあるもんか。大体、そんなものがあるのがいけないんだ。もう、諦めちまえ!」・・・・もう、拍手喝采。
自己中男の愛が痛いほど解っちゃう。そうだよねそうだよね。
「小銭をかぞえる」
実は今年に入って西村賢太選による藤沢清造短編集をついに読んだんだけれど、その中にも借金のお願いに回る男の話があった。しかし、昔の同僚を頼って無心に行く件と言い分に関しては藤沢清造没後弟子を名乗る西村さんの方が何倍も面白いんだからね。
何とか女の父親から追加融資を取り付けてほくそ笑み、余分に借りれた分を自分だけの飲みシロにと夢想する。本人まったく悪いと思っちゃいません。
ここでも女(こちらの凝りなさ、人の良さもダメですね)を憐れみ愛おしみ、二人で外食に出かけるのだが、ひょんな事から(もちろん大事な大事な藤沢清造がらみね)険悪になってしまう。どうして、ここでそういう方面の話に持っていく、二人で楽しく外食する事が目的であって、今、それを阻んでしまう言動態度は理解できない。自分の事そっちのけで仲良くしたいだけなのにどうして・・・
・・・そうだよねそうだよね。
冷戦になる前兆として町で見かけた好みの女性をチラ見する描写がとてもリアルな心情として描かれる。
さぁ、今回の食べ物はピザでございますよ。先立つ物が無い中でのヤケ食い合戦、貯金箱の小銭で支払い・・・。
女に対してブチ切れる時の啖呵の秀逸さも健在。賢太さん特有の単語、言い回しを駆使してコテンパンに浴びせかける。気持ちええわぁ。
世の女性の適、常日頃モテないと嘆くDV男の賢太さん、小説で身を立てて、これで女もある程度自由になりそうなもんだが、いやいや、稼いだお金を妻子に使われてしまう事が嫌なので当分、結婚は無さそう。この余裕。小説が売れた事で無駄にDV犠牲者が出なくなったわけで、まったくお目出度い。
もう、読んだのは去年ですよ。
去年、読んだ本を少しづつ記事UPしていこうとするのですが、映画の記事を優先にしてしまって、一向にはかどりません。
今年に入って読書ペースが極端に落ちた(というか、ほとんど読んでません)事もあり、「小銭をかぞえる」を再読してみました。
興味、関心のある未読の物を新たに読むのも良いけれど、西村賢太の作品を1年ぶりに再読して行くのもまた良し。何しろ私小説なので題材は似たものが多く、記憶が薄れるとどれがどれだか解らなくなるもんで(情けない)
1年ぶりに読んでもまたまた楽しい。
「焼却炉行き赤ん坊」
ペットの犬の代わりに買い与えたぬいぐるみを彼女が溺愛する様子に辟易としながらも、そんな女を愛おしくも思ったりして、気乗りしないながらも付き合っている。ひょんな事から(もちろん大事な大事な藤沢清造がらみね)鬱憤爆発。自制不可能・・・。あぁ、こんなにも僕は仲良くしたいのにどうして・・・
「うるせえ、おまえに立場なんかあるもんか。大体、そんなものがあるのがいけないんだ。もう、諦めちまえ!」・・・・もう、拍手喝采。
自己中男の愛が痛いほど解っちゃう。そうだよねそうだよね。
「小銭をかぞえる」
実は今年に入って西村賢太選による藤沢清造短編集をついに読んだんだけれど、その中にも借金のお願いに回る男の話があった。しかし、昔の同僚を頼って無心に行く件と言い分に関しては藤沢清造没後弟子を名乗る西村さんの方が何倍も面白いんだからね。
何とか女の父親から追加融資を取り付けてほくそ笑み、余分に借りれた分を自分だけの飲みシロにと夢想する。本人まったく悪いと思っちゃいません。
ここでも女(こちらの凝りなさ、人の良さもダメですね)を憐れみ愛おしみ、二人で外食に出かけるのだが、ひょんな事から(もちろん大事な大事な藤沢清造がらみね)険悪になってしまう。どうして、ここでそういう方面の話に持っていく、二人で楽しく外食する事が目的であって、今、それを阻んでしまう言動態度は理解できない。自分の事そっちのけで仲良くしたいだけなのにどうして・・・
・・・そうだよねそうだよね。
冷戦になる前兆として町で見かけた好みの女性をチラ見する描写がとてもリアルな心情として描かれる。
さぁ、今回の食べ物はピザでございますよ。先立つ物が無い中でのヤケ食い合戦、貯金箱の小銭で支払い・・・。
女に対してブチ切れる時の啖呵の秀逸さも健在。賢太さん特有の単語、言い回しを駆使してコテンパンに浴びせかける。気持ちええわぁ。
世の女性の適、常日頃モテないと嘆くDV男の賢太さん、小説で身を立てて、これで女もある程度自由になりそうなもんだが、いやいや、稼いだお金を妻子に使われてしまう事が嫌なので当分、結婚は無さそう。この余裕。小説が売れた事で無駄にDV犠牲者が出なくなったわけで、まったくお目出度い。