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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「艶説 お富与三郎」

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「生きつづけるロマンポルノ」

「艶説 お富与三郎」1972年 日活 監督:加藤彰

頽廃の色濃い江戸天保年間。お富が遠とう屋八兵衛の想い者になったのは、木更津で、赤間源左衛門の女だったとき、伊豆屋の若旦那与三郎と恋仲になり、それを源左衛門に知られたことから与三郎ともども簀巻きされ、海に投げ込まれたが、運よく命をとりとめ、遠とう屋に拾われたからであった。一方、与三郎も、命をとりとめたが、お富とは離ればなれになり、源左衛門の子分、丑松や辰から受た無数の傷を看板に、蝙蝠安と組んで、悪の道へ入っていた。

世話物歌舞伎「与話情浮名横櫛」をポルノで大胆に。
歌舞伎観劇は長年の課題なのです。まだ生を見た事がない。落語ネタで知識を蓄える事のみ。この話も金原亭馬生などが演目としてやっているけど、そっちの方も聴いた事がない。有名な源氏店の場面くらいしか知らないんですよね。

本寸法の時代劇ポルノ。しっかりしたセットに役者の方々も乗っているよう。ここらは当時の日活ロマンポルノの実力。「ならでは」なんでしょうね。

源氏店の場面では、そのまま芝居になる。
この演出は必須でしょうね。別の見せ方をしようとしたって、周囲が許しません。
他にも所々、チョーンと木が入ったりして芝居風。そんな中、いかにも70年代という坂田晃一のエレキ音楽が不思議。

さてお富さん。続圭子は性質が悪そうな冷ややかな表情でクールな淫乱悪女といった風情はなかなかよろしいんだが、いかんせん、台詞が下手で・・・
ポルノの場合、女優の台詞の下手さ加減が、返ってエロく感じたりする効果がある場合もあるのだけれど、芝居風味の時代ポルノでは、いかにも惜しい限り。

役者ではその強烈なキャラを演じた蝙蝠安の木夏衛がとても愉快だし、与三郎の五條博もいかにもボンボン風情。丑松の中原功二など、キャスト的には皆、合っていました。

結局、最後は女のほうが度胸があるというありがちのパターン。台詞が無いだけ、丑松殺しのシーンの続圭子は良いです。

おっと、忘れてはいけません。八兵衛の許婚者役で山科ゆりも可憐に登場。
山科ゆりが見れてポルノとしても、良かった良かった。

渋谷 ユーロスペース

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