「奇想天外映画祭2021」
「デッド・オブ・ナイト」1945年 英 監督:チャールズ・クライトン/ベイジル・ディアデン/アルベルト・カルバカンティ/ロバート・ハーメル
イギリスの代表的な監督4人が演出した5話から成るホラーアンソロジーの古典。互いに見知らぬ人たちのグループが理由もわからぬないまま田舎のコテージに集められる。幻想と悪夢が支配する中、一人ずつ自らの恐怖の体験を語り始める…。
予知の悪夢と言わないまでも誰もが経験がある既視感、デ・ジャブ。それの濃い〜やつ。
複数監督がかかわるオムニバス的構成は百物語式、各話、世にも不思議な物語。
建築家が仕事でとある屋敷を訪れると、そこには繰り返し見る悪夢の登場人物である事に気付き戦慄。そして一人一人が不思議な体験を語り出す。
事故にあったレーサーが夢によって死を逃れる。クリスマスパーティーで出会ってしまった男の子の幽霊。骨董品の訳あり鏡に囚われてしまったフィアンセ。不正勝負で恋仇に破れ自殺したゴルファー。腹話術人形に脅される腹話術師。
超常体験を科学的解釈で信じようとしないドクターの最後の話が一番怖いってのも巧みだし、もっとも眉唾でコミカルなゴルファーの話を直前に持ってきてるのも良い。この話だけは建築家の悪夢に出てこない。そして、悪夢の通りの惨事が起こる。それまでの話の要素を全て取り入れた惨事はお見事。
また、これは映画史上もっども怖い夢落ちかもしれない。ループしてるし。
とにかく腹話術人形マジ怖い。
新宿K’sシネマ
2021年9月