「血だるまヒサヤス もしくは美の男」
「眼球の夢」2016年 太秦 監督:佐藤寿保
眼球写真を撮り続ける写真家の女と幻影肢を主題にしたドキュメンタリー映画を制作する男。そして眼球コレクターの謎の人物…。果たしてこの物語は、現実なのか虚構なのか? ハーバード大学感覚民族誌学研究所教授のプロデュースによる、観客を視姦し、終わることのない悪夢の映画。
これもまた2年前の四天王特集ぶりの再鑑賞。少し苦手意識のあった佐藤寿保監督作、沢山は観ていないが、これが一番好き。とにかく絵がカッコ良いのだもの。眠気なんか微塵も入る隙が無い。再鑑賞動機となった「ラフレシア」上映後の落とし玉秘蔵映像。まんまと監督とケイズシネマに乗せられてしまった事に感謝すら覚える。
見るものと見られるものへの拘り、レザーのスーツで疾走する美人なヒロイン、退廃的雰囲気が全開の相方。その相方がデザインしたという個展空間はスタイリッシュさに於いて名作・増村保造「盲獣」の船越英二のアトリエを遥に越えてる。眼球への拘りフェチ感。
主演の万里紗の抱えるトラウマは何か。被写体をハンティングする一眼レフカメラのシャッター音、それはほとんど街中のレイプ。
接近してきた精神科医でありドキュメンタリー作家の男。投与される合法麻薬。妄想妄執現実が錯綜していく展開。難解ではないが、飽きさせないのはやはり映像美学か、いちいち決まってる。物理的眼球ハンターのパンタに拉致された部屋。万里紗の広がる長い髪さえ芸術か。
エロもちゃんとあってパンタに昏倒され犯される万理紗、義眼愛撫。デカダン娘・桜木梨奈とのレズ・プレイ。繰り返される眼球クンニ。医師でありドキュメンタリー作家の中野剛へ挑む万理紗との攻防が最早プロレスであったり、セックスシーンでの喘ぎがほとんど悲鳴にしか聞こえなかったり、ピンク映画のそれとはチト違う(ここはあまり好みじゃないんだけど)
一方、指を咥えて映像を見ていた万理紗の指から唾液が糸を引く、までやってくれる。
万理紗のトラウマは彼女の台詞によって明らかになる。幼い頃の体験。被害者に対する好奇の目。
富士樹海で出会った監視役の佐川一政。撮影可能なような心身状態ではなかったという。
目ん玉引っこ抜く時のSEがキュースパーキュースパーじゃない!そりゃそうだシリアス路線。先端恐怖症気味の当方にしたら引っこ抜きのSEでほぼホラーな怖さを感じさせられる。エスカルゴ食うのか?という珍奇な目玉繰り抜きハサミだけどシルエットになった時には映える凶器だ。
劇中映画という入れ子をここでもやっている。ドラキュメンタリーのENDがENDLESSとなり映画は続き、狂気の度合いを増していく。
街を疾走するカメラ(モノクロ)、逆光の夕陽の前で繰り広げられる猟奇。
Blu ray買いたかったが持ち合わせが無いので我慢。もう2度と買うまいと誓った映画パンフを久々に購入600円お得価格。
新宿ケイズシネマ
2024年1月
「眼球の夢」2016年 太秦 監督:佐藤寿保
眼球写真を撮り続ける写真家の女と幻影肢を主題にしたドキュメンタリー映画を制作する男。そして眼球コレクターの謎の人物…。果たしてこの物語は、現実なのか虚構なのか? ハーバード大学感覚民族誌学研究所教授のプロデュースによる、観客を視姦し、終わることのない悪夢の映画。
これもまた2年前の四天王特集ぶりの再鑑賞。少し苦手意識のあった佐藤寿保監督作、沢山は観ていないが、これが一番好き。とにかく絵がカッコ良いのだもの。眠気なんか微塵も入る隙が無い。再鑑賞動機となった「ラフレシア」上映後の落とし玉秘蔵映像。まんまと監督とケイズシネマに乗せられてしまった事に感謝すら覚える。
見るものと見られるものへの拘り、レザーのスーツで疾走する美人なヒロイン、退廃的雰囲気が全開の相方。その相方がデザインしたという個展空間はスタイリッシュさに於いて名作・増村保造「盲獣」の船越英二のアトリエを遥に越えてる。眼球への拘りフェチ感。
主演の万里紗の抱えるトラウマは何か。被写体をハンティングする一眼レフカメラのシャッター音、それはほとんど街中のレイプ。
接近してきた精神科医でありドキュメンタリー作家の男。投与される合法麻薬。妄想妄執現実が錯綜していく展開。難解ではないが、飽きさせないのはやはり映像美学か、いちいち決まってる。物理的眼球ハンターのパンタに拉致された部屋。万里紗の広がる長い髪さえ芸術か。
エロもちゃんとあってパンタに昏倒され犯される万理紗、義眼愛撫。デカダン娘・桜木梨奈とのレズ・プレイ。繰り返される眼球クンニ。医師でありドキュメンタリー作家の中野剛へ挑む万理紗との攻防が最早プロレスであったり、セックスシーンでの喘ぎがほとんど悲鳴にしか聞こえなかったり、ピンク映画のそれとはチト違う(ここはあまり好みじゃないんだけど)
一方、指を咥えて映像を見ていた万理紗の指から唾液が糸を引く、までやってくれる。
万理紗のトラウマは彼女の台詞によって明らかになる。幼い頃の体験。被害者に対する好奇の目。
富士樹海で出会った監視役の佐川一政。撮影可能なような心身状態ではなかったという。
目ん玉引っこ抜く時のSEがキュースパーキュースパーじゃない!そりゃそうだシリアス路線。先端恐怖症気味の当方にしたら引っこ抜きのSEでほぼホラーな怖さを感じさせられる。エスカルゴ食うのか?という珍奇な目玉繰り抜きハサミだけどシルエットになった時には映える凶器だ。
劇中映画という入れ子をここでもやっている。ドラキュメンタリーのENDがENDLESSとなり映画は続き、狂気の度合いを増していく。
街を疾走するカメラ(モノクロ)、逆光の夕陽の前で繰り広げられる猟奇。
Blu ray買いたかったが持ち合わせが無いので我慢。もう2度と買うまいと誓った映画パンフを久々に購入600円お得価格。
新宿ケイズシネマ
2024年1月