「男女残酷物語/サソリ決戦」1969年 伊 監督:ピエロ・スキバザッパ
Femina ridens
慈善財団の幹部を務めるセイヤーは、その一方で女性に対する征服欲や加虐性を抱えていた。ある日彼はジャーナリストのメアリーを拉致して秘密のアジトに監禁し、肉体的・精神的凌辱の限りを尽くす。窮地に追い込まれたメアリーはおびえながらも果敢な姿勢でセイヤーの心の隙を突き、やがてセイヤーは弱音を吐きはじめる。
かなりの期待がありながらも日本未公開にはそれなりの理由があるのかと不安もあったけど、思った通り、否それ以上、大好物なやつでした。
イタリアちょっとエッチなモンドカルト。
70年代ファッションと劇伴にそこはかとない絶妙なユーモア。
監禁物だけど早めに現れる被害者女子の反応はストックホルム症候群とは異なるサソリ決戦という訳だ。
微妙にマッチョな男のトレーニングルーム、全裸懸垂から見事な着地。
最初、被害者女子のダグマー・ラッサンダは劇中本人の台詞にあるように地味で魅力に欠けるので残念な気持ちあったが包帯スケコスダンスのあたりから妖艶さがどんどん増して魅力的に見えてきて、このあたりからワクワクが止まらなくなる。
さらに髪切りお仕置きでショートになりキュートさ増す。
俺様ダッチハズとの強制からみ。
女は男の行動は劣等感から来る病気だとして一緒に治して上げたいと言い出すが、男は逃げるための策略だろうと疑心暗鬼。
しかし、屋敷から外へ出ると全ては女の予言通りに進むラブラブ展開。ドライブ踏切待ちの口淫が時代性で間接描写になるが、このセンスがたまらなく爆。SL女子ホーンカルテット。
水中FUCKからドンデン返し。ショートの鬘を外して元のプロンド出てきて一瞬?になったけどそういう事か。ラストは007カジノ・ロワイヤル風味(古い方ね)
最終的に男と女が対立構図のまま終わるのは現代的には不満残るけど、まあ、そこは良かろう。
俺様ダッチハズやら緊縛宙づりドール、果てはニキ・ド・サンファルの巨大アートと造形も素敵。
円盤欲しくなるやつ。
新宿武蔵野館
2024年6月