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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「獣の戯れ」

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「現代文学栄華館 昭和の流行作家たち PART2」

「獣の戯れ」1964年 大映 監督:富本壮吉

美しくしとやかな夫人、半身不随の夫、人妻の魅力にとりつかれた若い愛人。三人の男女がひとつの家に寝起きするという奇妙な生活から、やがて悲劇的な事件が起こる。原作は三島由紀夫。陰のある人妻を演じた若尾文子、絶品。

若尾文子、十八番の役どころ。魔性の人妻。このストーリーから行くと、どうしても増村保造とのコンビだったらどうなったかな。なんて思う。

当時の美人女優さんは姿も去ることながら、言葉使いが良いんですよね。
特に若尾文子様の場合は顕著。
刑務所に入った若い恋人にあてた手紙。若尾文子の声での朗読になりますが、姿を見なくてもゾクゾクするんだわぁ。

蚊帳越しの若尾さんが・・・はぁはぁ。

若者、幸二さんを演ずるは伊藤孝雄。中堅どころの俳優さんで、本作では抜擢?・・・悪くはないと思いました。

河津清三郎が元気な時もヨイヨイになっても素晴らしいです。
優位に立った優子夫人が不遇の夫を「バカねぇ」と嗜めるあたりは、瘋癲老人日記の颯子と被ります。
「バカねぇ」の声がまた、良いんですよね。

さて、問題は三島雅雄と加藤嘉の坊主2人です。

幸二さんを翻弄する魔性の女・草門優子。瀧のシーンで3人でカメラに写ります。
三人の墓を並べて建ててもらいたい優子だが、幸二はあの世に行ってまで付き合わされるのは御免だと。
物語展開的にこの幸二の心情は充分理解できるだけに、墓を並べて建立し、「これで仏も浮かばれるだろう、目出度し目出度し、ガハハハハ」というラストはゾッとしますね。
時に宗教というのは、故人の意思などまったく無視して葬儀などが執り行われたりしますね。
所詮、葬儀なんてものは取り残された遺族のための物で本人のための物では無いと言ってしまえばそれまでだけど、そのような光景を目にして嫌な思いをする事がよくあるんです。

2人の坊主こそ獣か?

この物語は映画を見る前に三島由紀夫の原作を読んでおきたかったな。順序が逆になってしまったが、そのうち(忘れなければ)読んでみようか。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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