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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「純情部隊」

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「よみがえる日本映画 --映画保存のための特別事業費による」

「純情部隊」1957年 東映 監督:マキノ雅弘

終戦間近い頃のとある兵営。力士上りの光田(力道山)、元社長の安永(進藤栄太郎)、流行歌手の谷村(ディック峰)、万才師の小島(堺駿二)の各二等兵に、安永の社員だった塩見一等兵(杉狂児)。いずれも強さより愛嬌タップリなメンバー。上官のいじめに苦しむ新兵と見習い士官宇野(東千代之介)の思いやりの中、前線出動の命令が下った途端の玉音放送。一同は五年後のクリスマス、日本橋での再会を約し懐しの我家へ戻る。五年後、それぞれに活躍の場を見つけた一堂の中にあって、宇野士官をかばうためキャバレーのサンドイッチマンを首になってしまった光田。旧友を助けようと皆は光田にプロレスラーになる事を勧める。

マキノ雅弘の職人技が光る兵隊もの。力道山と東千代之介が共演。力士上がりで除隊後に仲間の勧めでプロレスラーに転向する力道山の役どころは、現実の彼の経歴をまさしく反映したもの。当時の力道山は、「力道山物語 怒濤の男」(1955年)、「怒れ!力道山」(1956年)などに立て続けに主演した映画スターでもあった。

のらくろに代表されるよう戦争映画の中でも新兵もの(上官の新兵いじめと心を持った士官の図式)といのは面白くて。けっこう好きかも。
子供の頃テレビで見ていた「どてらい奴」でも兵隊時代が一番面白かったと記憶している。

各役者が現実職業と(進藤栄太郎の社長役も含めて)オーバ−ラップさせているのも嬉しい。
メインの5人以外でも広沢虎造が虎沢という名で良い喉を聞かせてくれるので、これなどは一見の価値ありです。

また、部屋の関取として山本麟一。関取姿がけっこう様になってます。

なんといっても気が優しくって、力持ちの力道山の純情っぷりがチャーミングでたまらない。
力道山の現役時代は街頭テレビ等の伝説としてしか知る由もないけれど、この映画のようなキャラクター作りもあっての人気だったのでしょうね。
私もいっぺんで力道山が好きになりました。

空襲で瀕死になった親方に輸血を買って出る力道山の鍛え上げた上半身。
プロレスラーに転向することになり、トレーニングに励む描写など、プロレスファンには堪らない事でしょう。

本人の意思はおかまいなく光田の身の振り方を相談する戦友には、兵隊時代に苦しめられた岩本軍曹(柔道七段を活かしてプロレスで活躍している)を何とかやっつけてやりたいという気持ちがある。
そして痛快に岩本七段をやっつけて世界へ羽ばたく事になる力道山。敗戦国日本を熱狂させるプロレスラーの誕生です。

他愛も無い作品ですが力道山の魅力に溢れた佳作ではありませんか。

京橋 フィルムセンター

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