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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「飼育」

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「追悼! 大島渚」

「飼育」1961年 パレスフィルム・プロ 監督:大島渚

太平洋戦争末期、墜落した米軍機に搭乗していた黒人兵を村人たちが飼育する物語。大江健三郎の同名小説では黒人兵と少年の交流が主題だが、この作品では黒人兵を狂言回しに、戦争末期の山村の混乱ぶりと、権威にへつらい弱者を虐げる村人たちの醜悪さが描かれる。松竹を退社したばかりの大島渚による傑作。

60年代大島作品って、どうなんでしょう。松竹ヌーヴェルバーグでしたっけ、そういう奴。
なんかちょっと不安ですよ。「帰ってきたヨッパライ」は楽しめる所があったけど、危なっかしい感じだ。

追悼ですからね。
この時代の作品であれば大江研のザブロー博士原作の本作と「絞死刑」と思っていましたので2本立てで。

原作はコーコーセーの時読んでます。なんか気に入ったようで大江研のザブロー博士は立て続けに読んだと思います。ほとんど憶えていないので、今になって幾つか再読してもオモロイかなと思ってます。そのうちね。

例によって鑑賞から時間が経ち、記憶が薄れ始めているので悪しからず。

閉塞的な山村を描きたかったという事から、役者の方言なまりが音声状態と相まって、確かに日本語なのに何言ってんだか皆目解らん。
字幕が必要なくらいだけど、今時のTVバラエティ番組じゃないから(あの字幕、ホントやめて欲しい、バカにされてる見たい明らかで嫌)そんな物は一切使わない。監督の狙いなんでしょうね。
しかし、モノクロ映像とこの音声。最初は雰囲気出て、良かったんですけど、流石に辛い。途中で眠りそうになっちゃう。

目を覚まさしてくれたのが、土砂降り縁側での長回し。
ここから翌日の黒人兵を殺しちまおうという展開時はかなり凝った映像の連続となる。
効果の程以前にそういう狙った映像は好物なので、テンション上昇。

黒人兵の棺を埋めるシーン。土をかける手、手、手、手、・・・
「無い事にしちまった方が良い」でしたか、このユーモアに思わず笑っちゃいますが、ここでの数々のユーモアって日本人にとってはかなり自虐的笑い。
村民のエゴイスティックさは見ていて滑稽ではあるけどそこにこそリアルな真実がある。
戦争という背景はあるもののかなり普遍的な人間の業。

ラスト、火葬の炎、遠くの山からも上がる別の炎、少年の後ろ姿・・・とても印象的。
やっぱり、女癖の悪い本家を演じた三国連太郎がすげえ。

原作と描こうとする物が違うようですが、なかなか凄い映画で見ておいて良かった。

シネマヴェーラ渋谷

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