Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

「十階のモスキート」

$
0
0
「自選シリーズ 現代日本の映画監督1 崔洋一」

「十階のモスキート」1983年 ニュー・センチュリー・プロデューサーズ 監督:崔洋一

男は中年の警察官であったが昇進試験に落ち続けいまだに交番勤務。駄目な夫に愛想を尽かし妻のTOSHIEは娘のRIEと出ていった。団地の10階で1人住まいの男はスナックの女KEIKOや万引女や婦人警官と刹那的な情事を重ね、気晴らしにローンでパソコンを買うと、その返済に苦しみ一攫千金を狙って競艇に手を出してサラ金地獄にはまって行く…。

かねがね、中村れい子の出演作は全て観ておきたいと思っている身としては、先日の「水のないプール」に続き本作の上映を知り喜び勇んで京橋。
出遅れてしまい、焦りながらの速足、やれやれどうにか上映前に間に合いそう・・・
しかし、会場についたら満席でキャンセル待ちになるという。
ぬあんだとー!
フィルムセンターに何故そんなに客が押し寄せる?知らなかったがこの日は監督のトークショーがあるらしい。招待客の座席枠も設けているようだ。
で、結局、キャンセル待ち分も遙かに届かず、断念。
特集期間中もう一度上映があるので、万難を配してリベンジ。

映画の方は中村れい子と内田裕也の共演だから悪かろうはずがないのだが、「水のないプール」に引き続いての内田裕也企画、実録犯罪物なので、どうしたって比べてしまう。すると、どうしても二番煎じの感は否めなくなってしまう。
うだつの上がらぬ警察官による犯行は権力づく、力づくでの婦女暴行。
やっぱり、窓の隙間からちゅるちゅるクロロフォルムの犯罪の方に好感が持てる。
内田裕也疾走シーンも下着一丁の前作に対して今回は警官制服。無線機器を引きづりながらの疾走も前作の方が良かった。
肝心の中村れい子も、内田裕也に抱かれるままのエロ度合いは充分だけれど、今回は彼女のどエロ魅力を醸す猫背気味の姿勢も単なる短所に見えたりしてしまい・・・。
船でのエロシーンは物語の流れに関係無いものだけど、エロ要素はあった方が良いのでどんどんやって欲しい所。はぁはぁ・・・。

交通係の婦人警官を犯すシーン。最初のうち迂闊にも婦人警官役が風祭ゆきである事に全く気付かなかった。内田裕也によって小ぶりなおっぱいが剥き出された時点で、「あ、風祭さんだ」と気づく私っていったい・・・。

脇役陣が豪華なのも前作同様。負けてません。
横山やすしは競艇場で生き生きしているし、予想屋のビートたけしは、難癖を付けてきた客を影に引っ張り込みボコる。
安岡力也のサラ金取り立て。
スナック・ママ宮下順子の絶品濡れ場。
アン・ルイスの万引きケバ主婦。
初々しい娘、小泉今日子。ふてぶてしい妻、吉行和子。
女をいとも簡単に物にしていく主人公も元嫁だけは手こずり不首尾に終わる。

制服のまま郵便局に押し入り強盗。
おびえる局員に対して最後の一言が絶妙なギャグ。

とても好みの雰囲気を持った作品なんだけど、前企画と比較しちゃうとね。
そんなに悪くないはずなんだが、要はお目当ての中村れい子の魅力度の差だったか?
いや、何度も言うけどエロ度はバッチ・グーよ。

1983年、パソコンに時代を感じます。

京橋 フィルムセンター



Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles