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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「絶海の裸女」

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「復活!!久保菜穂子」

「絶海の裸女」1958年 新東宝 監督:野村浩将

恋人同士のボクサー・稲田と歌手・あやめが乗った船が沈没し、あやめのマネージャーらと共に無人島に漂着。その後マネージャーに犯されたあやめは無人島の女王気取りになり、邪魔になった稲田を島に置き去りにするが・・・。裏切られた男の復讐譚を、新東宝エログロ路線テイストで描く。

当然、デュマの「モンテクリスト伯」が物語のベースとしてあるんでしょうね。
それとアナタハン事件もちょっぴり入れておいて・・・

久保菜穂子が裸女どころか水着姿すら披露しないのは百歩譲ってよしとするにしても他の女優も裸女にならない、看板に偽りありのとんでも作品。
脇役の名前に斎藤千弥子を発見。のちの斎藤チヤ子。そう、怪奇大作戦「京都買います」の斎藤さん。
歌手あやめの付き人的若い娘のうちの一人でボクサーの手島に襲われそうになるが裸女にはならない。

だいたい、あやめ(久保菜穂子)はマネージャー(沼田曜一)に犯されたのだから、初期段階で稲田(中山昭二)に説明すればこんな事にはならなかったろうに。当時の貞操に対する考え方を考慮してもだ。
そして、マネージャーが土屋という富豪が復讐に来た稲田だと解った事をもっと理路整然とあやめに説明すれば解りそうなものだがそれを怠り、嫉妬に燃えてあやめの首を絞めるという行動に出る。挙句の果てには土屋が稲田だと感づいたあやめを嫉妬で刺殺してしまう。・・・おいおい、です。

とにかくストーリーの突っ込み所を挙げればキリが無いようなものですが、そもそも絶海の孤島にたどりついた男女が親交のある人物ばかりという不思議な設定なのだからもうその辺はあまり触れんといてください。ってところなんでしょう・・・

とは言え、孤島では「法律なんて関係ない」と言ってあやめを犯すマネージャーや、本能丸出しで女に襲いかかる手塚。「強いものが女を手に入れるんだ」という図式。
久保菜穂子が純情に涙を見せたりしているが、どんどん悪女になり打算的な女に成り下がって行く展開。
稲田の復讐が流石に財宝を手に入れ資金があるだけに手が混んでいて、スリラー展開になるあたり(孤島の洞窟を庭に再現してみせます)など、結構楽しめる作品で面白いのだから許しましょう。

復讐は拍子抜けするほど呆気なく遂げられてしまう。ほとんど稲田は手を汚さずに遂げる。

新東宝では復讐する者を女にした「女岩窟王」という作品もあるらしいから、そっちも是非観てみたいね。

今回は久保菜穂子特集だけれども中山昭二が凄く良いですね、流石キリヤマ。
今度は中山昭二特集も企画して欲しいぞ。

シネマヴェーラ渋谷

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