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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「パームビーチ・ストーリー」

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「映画史上の名作9」

「パームビーチ・ストーリー」1942年 米 監督:プレストン・スタージェス
公開時邦題:「結婚五年目」

甲斐性のない夫と離婚するためパームビーチへ向かったジェリーは、大富豪・ハッケンサッカー三世に見初められ・・・。

普段ラブコメなどは観に行ったりしないのだけれど、このシネマヴェーラでの特集における古典掘り出し物ラブコメはかなり楽しみにしている。実は食わず嫌いなだけなのかもしれない。が、柄じゃないのでやっぱり最近のものには行かない。

もうオープニングからすっかり引き込まれる。絶対にこれは面白そうと期待させられる。
何故ヒロインは監禁され縛られているのか。メイドのおばちゃんは何に対して悲鳴卒倒しているのか・・・。

新しい飛行場の発明に買い手が付かず貧乏暮らしの夫婦。貧乏はもう懲り懲り、今を楽しみたいといいながら実は夫のために自らの美貌で資金を集めるために離婚を申し出る妻・・・。

離婚しやすい場所を求め一文無しのままパームビーチへ向かう妻。
列車にはうずら撃ちクラブのおじ様たちの幸運の女神としてまんまと乗り込む。
この前半のうずらクラブのハチャメチャぶりが凄い。激笑!
ロマンティックでお洒落なラブコメを想像していただけに意表を突かれた。ジェリー(クローデット・コルベール)を寝かしつけようと子守歌をやかましく合唱するうずら撃ちクラブの面々。
車内で酔っぱらってクレー射撃ごっこ、いつのまにか実弾使ってドンパチ。
列車でのスラプスティックぶりはまるでマルクス兄弟。

怒って途中で車両を切り離し置いてけぼりを食らわす車掌も車掌だ。気持ちは解るが・・・。
寝台車下段で休んでいた富豪ハッケンサッカー三世の登場も鼻眼鏡を何度も破壊されるギャグが楽しい。メモ魔が楽しい。散在の額をメモるが集計はしない。流石富豪!

ハッケンサッカー姉弟との後半戦もそれは充分コメディとして面白いのだけれど前半のうずら撃ちクラブの衝撃が激しすぎて・・・。

ハッケンサッカー姉(メアリー・アスター)の連れてる居候で恋人(?)のトト。彼女のトトへの仕打ちもギャグ処。

ドレスのファスナーを降ろすのが苦手なジェリーが夫の膝に乗ってファスナーを降ろさせるうちにラブシーンへと流れるロマンチックさもほど良い。

変人ばかりの登場人物たち。中でも耳の遠い老ソーセージ王の計らいが気前良く粋でカッコ良い。

登場する金持ちたちの気前良さが清々しくて気持ち良いほど。あれではいくら金があっても足りぬ。ケチで金持ちになったわけじゃないスケールが見事。

あっと言わせるラスト、振られた代用・・・。金持ちの恋はそれで良いのか?

実に楽しいスタージェスのコメディを堪能。

シネマヴェーラ渋谷

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