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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ラヴ・ストリームス」

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「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」

「ラヴ・ストリームス」1984年 米 監督:ジョン・カサヴェテス

何度か離婚歴のある人気作家ロバート(ジョン・カサヴェテス)は、ハリウッド郊外の屋敷で秘書や妙齢の女性たちと共に自由に暮らしていた。そんなある日、彼は別れた妻に1日だけ息子の面倒を見るよう頼まれる。突然現われた息子を持て余す彼の前にタイミング良く、離婚協議中の姉のサラ(ジーナ・ローランズ)が、パリから戻って来る。

ジョン・カサヴェテス・・・・
すみません、存じ上げませんでした。
正月早々、衝撃でした。

レトロスペクティブのチラシでのジーナ・ローランズがとても魅力的で興味を持ち、試しに観ようとしただけだったのに・・・

始まった冒頭部分は疲れていたのか少し寝てしまっていた。気づいたらサラ(ジーナ・ローランズ)が皆さんと離婚調停について話されている。

小説家のロバート(ジョン・カサヴェテス)がクラブの黒人歌手を強引に口説く。えげつないやり口に辟易としていると、何とこの黒人美女がまんざらでもなさそう。この辺りはとてもついて行けない類の作品なのではと懐疑的になってしまったのですが・・・
後で知りました。ジョン・カサヴェテスって昨年末に観た「ローズ・マリーの赤ちゃん」の亭主ガイ役の人なんですね。あのガイも嫌な野郎だったけれど・・・

映画はロバートの家にサラがやってくるところから俄然面白くなり、もうあとは茫然と引き込まれてしまいました。
チラシを読んでいたのに、二人の関係が頭に入っておらず、実は姉弟だと言う事に気づくのに時間がかかった体たらくではあったのですが。

他人を愛する事に不器用ながらも、愛や孤独をテーマにした小説を書く弟と、その深い愛ゆえに狂気に陥っていく姉の内面の荒廃。

人間の姿や、愛、そしてなによりも孤独感といった内面を映像でもってこのような表現の仕方があるとはという新鮮な驚き。
こんなのはドイツのファスビンダー以来。
・・・というかアメリカにこのような映像作家が居たんですね。これはもっともっと勉強したくなります。

サラの壊れ方がせつないです。

夜中のボーリング場へ行く前に、起きだして煙草を吸う仕草のジーナ・ローランズのシーンが印象的で大好きでした。




強引な口説きでまんまと部屋に入れてもらう、
結局はこの黒人美女の母親の方と仲良くなるだけなので許そう。


別れた妻が1日置いていった息子とのやりとり
「俺は大人の男だから一人じゃ寝られないんだ」
「人生は自殺と離婚と子供を傷つける事の繰り返しだ。」


姉と弟・・・役者のお二人、実生活ではご夫婦。
終盤の嵐の夜が・・・


心に迫る印象的な映像を上げればキリが無いほど・・・
でもこのジーナ・ローランズが一番かな。おばちゃんの一挙手一投足。


ロバートのためにペットショップから動物を沢山連れて帰ってくる。ギャグとしても秀逸。


別れた夫と娘を笑わそうとあの手この手・・・せつない。


回転飛び込み。


ひげの男(?)


まさに愛の奔流

オーディトリウム渋谷
この劇場。オーディトリウムになってからは初。居抜きですけど。

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