2011年5月2日
「大日本橋亭落語祭〜全てはジャンケンで」
5年前(もうそんなになりますか)黒門亭で一度だけ見た笑福亭たま。
その時は新作だったけれど、上方でもの凄くおもろい噺家とインプットされ、機会があればまたたまを、と思っていました。
毎年ゴールデンウィークになると東京に出稼ぎに来ているようだけど、なかなか機会に恵まれず、5年も経ってしまった。
その、たまが企画演出する落語祭。
東西協会を超えた30〜40代の精鋭メンバーなので、今年はふと予約してみた。
予約は笑福亭たまの留守番電話。
例の上方特有の素っ頓狂なイントネーションで「笑福亭たまです。」と留守電でやられるだけで笑っちゃう。
祭の方は、まず演者6名が軽く一席ずつ、ネタ出しで。その出番をジャンケンで勝ったものから順番を決めるというもの。
中入り後はお祭りの大喜利的出し物。2チームに分かれて、客からお題をいただく即興リレー落語。
ジャンケンの時からにぎにぎしくお祭りとして盛り上がっていく。
三遊亭遊馬 「禁酒番屋」
三遊亭兼好 「夏どろ」
春風亭一之輔 「蛙茶番」
笑福亭たま 「青菜」
旭堂南湖 「子ほめ」
柳家三三 「魂の入れ替え」
中入り
即興リレー落語
Aチーム:兼好→たま→一之輔
Bチーム:遊馬→南湖→三三
お題「猿回し」「おぼろ月」「カーネーション」「出稼ぎ」「中学生」「海」「卵焼き」「ボランティア」「ぽぽぽぽ〜ん」
15分の佃祭り(ネタ出し)を聴きたかったが、「禁酒番屋」に変更した遊馬。芸術協会でもちろん初見。
精鋭で、よろしい。この人が主任なら芸協の末広に行ってもいいかも。でも行かないんだけどね。芸協を嫌ってるわけじゃないんだけど、手が回らない。
好楽の弟子である兼好も、もちろん初見。この手の佇まいは好きな噺家。間抜けな泥棒と泥棒からちゃっかり金を巻き上げる男がこの人に合っている。気に入りました。
談春とか三三のチケット入手が難しくなって、さて次は?と数年前から狙ってみようと思っていたのが一之輔。1回しか見てないし、その時の記憶も無い。漸く見ることができた。もっと他の噺も聴いてみたい。
上方版「青菜」は多分、枝雀で聴いている。いや、勢いがあるし、もう大爆笑編。おもろい。
マクラでは東西でのお囃子と落語家の関係の違いについて、いや、初めて知りました。
東京では下座は養成所などから出て、落語の師弟とは別の世界。上方では完全に同じ仲間内で先輩のお囃子さんが後輩の落語家に奢ったりする事もあるという。
南湖の「子ほめ」はただの酒を飲ましてもらおうとする落語の子ほめではなく、昨年6月に生まれた自分の子の子ほめ。
なかなか子供を授からなかったご夫婦にできたお子さん。幸福そうな家庭が微笑ましいけど、まあ、勝手にしてろって感じ。「自分で褒められるのも赤ん坊のうちだ」とは三三。
「魂の入れ替え」珍しい噺だが、過去に誰かで聴いてるはず。記録をめくっても解らない。ノートなので検索機能がないのが残念。
SF的で、はたしてどんな事がおきるのだろうとワクワクしていると、落ち。え?これで終わり?って感じの噺。意外と最近このネタをやる人が増えているようだ。何でだろ。三三で聴いても「ふ〜ん」という感じ。
お祭りのリレー落語。これは各人の機転を一夜限りで楽しめば良い。
1人2題ずつ担当して次へつなげていき、アンカーはきっちり落ちを付ける。
お客から出されたお題は意外と平凡で素直、一般的。「原発」や「ビン・ラディン」などは出ない。こういう一般的な題と時流に乗ったり、ひねくれた題。どちらがやり易いのでしょう。
そこは流石、お題を仕込んで行くにも、直球勝負をせず変化球で攻めるのがミソのようだ。時には、あえて苦しい駄洒落で。
そんななか、そのまんまのお題を並べて、2番手以降に全て託す手法に出た遊馬。なるほど、そのまんまの呆気無さで笑いを取る。ありですね。
楽屋でどのような、どこまで、打ち合わせをしているのかを知りたくなりますね。
Aチームは相撲噺に持っていく展開。これはずるい。しこ名にすれば何でもありじゃんか。最後は怪談噺風。一之輔の物真似が悲惨。
Bチームはたま(猫)登場で人情恩返し物になりそうな雰囲気を醸しつつ、出鱈目の面白さ。三三が上手く落とした。
さて、今回、もう一つ思わぬ収穫が・・・
一度見たかった前座のこはるを見る事ができました。
開口一番も無く、着物にさえ着換えてませんが、リレー落語では鳴り物よろしく「夜空のムコウ」を歌ってくれちゃったりして。
中学生のように小柄。眼鏡っ娘。足を怪我していました。
「大日本橋亭落語祭〜全てはジャンケンで」
5年前(もうそんなになりますか)黒門亭で一度だけ見た笑福亭たま。
その時は新作だったけれど、上方でもの凄くおもろい噺家とインプットされ、機会があればまたたまを、と思っていました。
毎年ゴールデンウィークになると東京に出稼ぎに来ているようだけど、なかなか機会に恵まれず、5年も経ってしまった。
その、たまが企画演出する落語祭。
東西協会を超えた30〜40代の精鋭メンバーなので、今年はふと予約してみた。
予約は笑福亭たまの留守番電話。
例の上方特有の素っ頓狂なイントネーションで「笑福亭たまです。」と留守電でやられるだけで笑っちゃう。
祭の方は、まず演者6名が軽く一席ずつ、ネタ出しで。その出番をジャンケンで勝ったものから順番を決めるというもの。
中入り後はお祭りの大喜利的出し物。2チームに分かれて、客からお題をいただく即興リレー落語。
ジャンケンの時からにぎにぎしくお祭りとして盛り上がっていく。
三遊亭遊馬 「禁酒番屋」
三遊亭兼好 「夏どろ」
春風亭一之輔 「蛙茶番」
笑福亭たま 「青菜」
旭堂南湖 「子ほめ」
柳家三三 「魂の入れ替え」
中入り
即興リレー落語
Aチーム:兼好→たま→一之輔
Bチーム:遊馬→南湖→三三
お題「猿回し」「おぼろ月」「カーネーション」「出稼ぎ」「中学生」「海」「卵焼き」「ボランティア」「ぽぽぽぽ〜ん」
15分の佃祭り(ネタ出し)を聴きたかったが、「禁酒番屋」に変更した遊馬。芸術協会でもちろん初見。
精鋭で、よろしい。この人が主任なら芸協の末広に行ってもいいかも。でも行かないんだけどね。芸協を嫌ってるわけじゃないんだけど、手が回らない。
好楽の弟子である兼好も、もちろん初見。この手の佇まいは好きな噺家。間抜けな泥棒と泥棒からちゃっかり金を巻き上げる男がこの人に合っている。気に入りました。
談春とか三三のチケット入手が難しくなって、さて次は?と数年前から狙ってみようと思っていたのが一之輔。1回しか見てないし、その時の記憶も無い。漸く見ることができた。もっと他の噺も聴いてみたい。
上方版「青菜」は多分、枝雀で聴いている。いや、勢いがあるし、もう大爆笑編。おもろい。
マクラでは東西でのお囃子と落語家の関係の違いについて、いや、初めて知りました。
東京では下座は養成所などから出て、落語の師弟とは別の世界。上方では完全に同じ仲間内で先輩のお囃子さんが後輩の落語家に奢ったりする事もあるという。
南湖の「子ほめ」はただの酒を飲ましてもらおうとする落語の子ほめではなく、昨年6月に生まれた自分の子の子ほめ。
なかなか子供を授からなかったご夫婦にできたお子さん。幸福そうな家庭が微笑ましいけど、まあ、勝手にしてろって感じ。「自分で褒められるのも赤ん坊のうちだ」とは三三。
「魂の入れ替え」珍しい噺だが、過去に誰かで聴いてるはず。記録をめくっても解らない。ノートなので検索機能がないのが残念。
SF的で、はたしてどんな事がおきるのだろうとワクワクしていると、落ち。え?これで終わり?って感じの噺。意外と最近このネタをやる人が増えているようだ。何でだろ。三三で聴いても「ふ〜ん」という感じ。
お祭りのリレー落語。これは各人の機転を一夜限りで楽しめば良い。
1人2題ずつ担当して次へつなげていき、アンカーはきっちり落ちを付ける。
お客から出されたお題は意外と平凡で素直、一般的。「原発」や「ビン・ラディン」などは出ない。こういう一般的な題と時流に乗ったり、ひねくれた題。どちらがやり易いのでしょう。
そこは流石、お題を仕込んで行くにも、直球勝負をせず変化球で攻めるのがミソのようだ。時には、あえて苦しい駄洒落で。
そんななか、そのまんまのお題を並べて、2番手以降に全て託す手法に出た遊馬。なるほど、そのまんまの呆気無さで笑いを取る。ありですね。
楽屋でどのような、どこまで、打ち合わせをしているのかを知りたくなりますね。
Aチームは相撲噺に持っていく展開。これはずるい。しこ名にすれば何でもありじゃんか。最後は怪談噺風。一之輔の物真似が悲惨。
Bチームはたま(猫)登場で人情恩返し物になりそうな雰囲気を醸しつつ、出鱈目の面白さ。三三が上手く落とした。
さて、今回、もう一つ思わぬ収穫が・・・
一度見たかった前座のこはるを見る事ができました。
開口一番も無く、着物にさえ着換えてませんが、リレー落語では鳴り物よろしく「夜空のムコウ」を歌ってくれちゃったりして。
中学生のように小柄。眼鏡っ娘。足を怪我していました。