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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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高橋秀美 「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー

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選抜高校野球が開幕していよいよ球春。
やはり、この時期は野球関係の本を読みたくなる。

数年前単行本で話題になっていた本作、文庫になると一気に財布の紐が緩む。
帯が付いていて4月からドラマ化もされるそうだ。
東大合格者日本一の超進学校、開成高校野球部への密着取材ルポ。当時の選手たちが実名で登場。
これは面白かった。通勤1往復半で読了。
最近、電車のシートに座って本を読んでるとすぐに眠ってしまうのだけれど、そんな事が一切無かった。

開成野球に改革を齎した青木秀則憲監督の弱者の兵法、野球戦術も目からうろこで面白いが、それよりも偏差値の高い生徒たちの生態、インタビューへの受け答えが、もう面白い。やはり賢い子は思考法からして想像を絶する。
からバカな私はとても偏差値の高い人への憧憬が強いもんで、もう偏差値が高ければ性格が悪かろうが麻原に騙されようが許せちゃう。これは容姿端麗な女性と同類の扱い領域ですな。

高校野球好きな私ですが、普段から熱い青春だとか爽やかさだとか高校球児を美化する部分とは別の部分で楽しんでいる所があるのです。それでも強豪校ではなく、予選などで一生懸命部活動している高校生たちを見ていると胸がキュンとなる事もあるんです。それが偏差値の高い学校なら尚更ね。

開成高校野球部だからと言って、流石に運動音痴の集団というわけではありませんけど、彼らには練習時間が極端に少ないという現実。
それぞれの子が野球を通じて自己の欠点を克服しようとしたり自己を高めようとする姿勢が素敵です。やはり出来る高校生は違うのです。

痛快なのは東東京大会のパンフレットに記載された各校の抱負。チームワークや仲間との信頼を強調する他校の抱負の中で開成の「プロ注目の投手と対戦し、力を入れている打撃をぶつけて打ち崩したいです」という喧嘩越しの抱負。
監督も「野球には教育的意義は無い」と言い切る「野球は偉大なる無駄」論に大いに共感

しかしながら、開成高校の甲子園出場はやはり無理がある。これだけ話題になったのだから甲子園で強豪と戦う姿を見てみたい気もするが・・・
東東京ベスト16あるいはベスト8が大きな壁になるでしょう。秋の東京大会でベスト16に入り21世紀枠という道筋も練習量が少ないので新チーム結成直後から快進撃も難しい。夏の大会に21世紀枠があればね・・・。

進学校と言えば、本日の都立小山台高校にも旋風を期待しているけど、相手は履正社。やはり都立の甲子園初勝利は難しいんだろうな。



「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)著者 : 高橋秀実新潮社発売日 : 2014-02-28ブクログでレビューを見る»

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