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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「美女濡れ酒場」

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オーピー映画・ピンク大賞傑作選“誘惑の胸元”週間

「美女濡れ酒場」2002年 OP映画 監督:樫原辰郎
2002年ピンク大賞第1位

投身自殺を図った郁夫が目を覚ますと見知らぬ地下のBAR"Memory Motel"で介抱されており、彼をバーテンだと見抜いたオーナーは彼に店を任せて妖しい美女と旅に出てしまう。その後、店に現れた謎の歌手・歌子が唄を歌うと次々と人々が集まり、お店は大盛況に。訪れる人々との幸せで穏やかな日々が続いてゆくが…。

最近ピンクやポルノばかりになってきたな。
映画をあまり観て無かった頃の行動に戻りつつある。不味いな。

傑作との評判は聞いていました。さて、どうでしょう・・・

野上正義の初老の濡れ場がめちゃくちゃカッコ良く、またこのカップルが非常にミステリアスなのですが、これは一種、死の世界との境界の番人みたいな役割でしょうか。

この映画、ピンク映画としての濡れ場はシンプルで物足りない感じがします。綺麗に撮ってる部分もあるけれど、そそらないでどうする。女優もかなり地味目ですし、歌子の山咲小春はルックス、スタイル、ファッション、歌ともにちょっと変な感じ。
あと野上正義のお相手はタトゥーで間宮結と解ったが、もっと綺麗に撮ってあげて欲しい。
常連客の妻、若宮弥咲に至っては、地味のお手本みた。でも、これはこれで還って良かったけどね。
そんな中にあって、野上正義の裸は色気があってカッコ良いんだな。それにこんなに美声でしたっけ。ダンディなマスター。

郁夫と歌子との台詞の掛け合いの気障っぽさや間も妙にこそばゆいし、鑑賞中は「なんだよこれが第1位なの?」と不満になりましたが、そうか、そういう世界だったのかと解ってみると(よくよく考えればBARで郁夫が目覚めた時点で察しはつきましょうが)これがなかなか良いのであります。
ピンク映画本来の目的(エロ)以外の部分で傑作。

番傘をさす歌子を後ろに乗せた自転車シーンもイイ。幸福に好転しだした常連の妻が2人を見送るシーン。儚い幸福に破綻が訪れる予兆にゾワゾワする。

「いいじゃない、一緒に死ねてさ。みんな、一人で死んで行くの」と歌子。

そして何よりバーテン郁夫の作るリキュールが美味しそう。あの氷無しの水割シングルは揺らさないように是非飲んでみたいです。

ラストシーンの再会と番傘が強く印象に残り余韻に浸る・・・

死ぬ時って未練、心残りなど有無を言わさずバッサリ逝っちゃうんだろうね。こうやって納得して旅立たせてくれる、野上正義のような存在を願いたくなる気持ちってちょっとあるかな。

最終上映、劇場が明るくなると既に観客は自分一人で、妙な気持ち。実はオレも・・・

新橋ロマン劇場

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