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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ダークナイト・ライジング」

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「ダークナイト・ライジング」2012年 米 監督:クリストファー・ノーラン

ジョーカーとの戦いから8年、バットマンはゴッサム・シティーから姿を消し、ブルース・ウェインは隠遁生活を送っていた。そんな彼の家にセリーナ・カイルという女性が忍び込み、彼の指紋を盗み出す。彼女に盗みを依頼した組織が何か大きな計画を立てていると気付いたブルースは、再びバットマンのコスチュームに袖を通す。その頃、不気味なマスクをつけたベインという男が、ゴッサム・シティーの地下で大規模テロを計画していた…。

クリストファー・ノーランのバットマン3部作完結編で「伝説が壮絶に、終わる」らしいので楽しみにしていたところ、アメリカでは上映中にジョーカーを名乗る男の銃乱射事件が発生、ますます話題に事欠かないと思ったものの、流石に洒落にならないのか、思ったほど乱射事件がらみの盛り上がりは無いような・・・。
あの事件が興行成績にどう影響したかはどうでもいいとして・・・
極上のエンターテイメントを銃殺される事無く、無事ラストまで鑑賞。満足、満足。

とにかくエンターテイメントとして沢山の物が詰め込まれていて、それがテンポ良くヒュンヒュン飛ばしてくれるので息付く暇もなく、また無駄をそぎ落とした脚本・演出で長さを感じさせない。
前作よりも娯楽作品としては徹底していてあまり後には残りそうにありませんが・・・

ヒールのキャラ、ベイン(トム・ハーディ)は粗暴なだけでなく知的でもあるのだけれど、好みから行くと前回のジョーカーには及びません。後半のどんでん返しで、一気に影薄くなりましたし。
影の軍団の同胞でありながら、破門されているベイン。
腕力は最強でバットマンとのガチ殴り合い(この肉体戦、今回のポイント)も制してしまう。しかし、トレードマークのマスクが弱点なんですね。
こういうの見ると谷岡ヤスジの「スターウォーズ・ハー」を思い出しちゃうんだよね。

お馴染みの脇役陣(マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン)も素晴らしい上に新たに加わった男女が最高です。
セリーナ・カイルのキャット・ウーマン(アン・ハサウェイ)
でかすぎる目に真っ赤なルージュはマスクを被っている方が数倍魅力的。
「いいケツ」と「痛そうなヒール」でアクションもカッコ良い。
フェチなボディ・スーツのヒップをもっともっと見たいぞと思いながら・・・。もっとケツのラインを見せてくれれば尚良かったのですが。
2輪のバット・ポットを乗りこなす姿に拍手喝采ですよ。



バットマンとベインの間を行き来しながら独自の道を行くこそ泥、女版鼠小僧、いや、猫ですけど・・・。
「そんな女では無いはずだ」の言葉から、次第にバットマン側に?

そして、警察官の鏡といった好青年、ジョン・ブレイク(ジョセフ・ゴードン・レヴィット)
珍しく男の子に萌。
あれ?、こういう真っ当で爽やかな正義漢って意外と好きなんだな。全体のトーンがダークなだけにより一層。
最後には本名まで明らかになって、「エッ、そこまでやりますか」という感じでした。
そういえば「大切な物を守りたければ仮面を被れ」ってバットマン言ってましたね。

もちろん、クリスチャン・ベイルのバットマン。
マスクを被った時のオヤジっぽさも健在。最高のコスプレ野郎を堪能できます。
今回はバット・ポットをセリーナに渡して、ご本人ゴッサムの空をダイナミックに制します。

アルフレッドが空想するカフェでのウェイン一家の風景。
バットマンの台詞
「ヒーローは何処にでもいる。少年の肩に上着をかけ、世界は終わりじゃないと励ますような男だ」

の2点、特にグッと来たね。

お決まりのドンデン返し展開は今回もちょっと無理目感あって驚きます。男女摩り替えって常道だけどね。

それにしても、ヒース・レジャーの急死とかジェームズ・イーガン・ホームズ事件、とか、何やら持っているクリストファー・ノーランのバットマンシリーズ。伝説はこのまま壮絶に終わらせず、次なるバットマン&ロビン、キャット・ウーマンに期待しちゃう。



MOVIX川口

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「背徳エロ 義理のおふくろ」

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「背徳エロ 義理のおふくろ」2009年 エクセス・フィルム 監督:渡辺護

後妻として年上の尾崎に嫁いだ涼子は、浪人生の義理の息子・徹となかなか打ち解けられない。ある日、尾崎家に強盗が入り、強盗は縛られた夫の前で涼子を犯した。その日を境に、夫婦は以前からのSMプレイをより激しいものにしてゆく。その様子を覗き見る徹は、涼子に対して嫌悪と欲情の入り混じった感情を抱き…

観たのは1ヶ月半ほど前・・・、忘却

難しい年頃の浪人生が義母を迎い入れがたく、ソリが合わない。実は好きなのかもしれないけれど、義母に素直になれないといった話だったか。
そんな息子から性的ないやがらせを受けながら、健気に母親として振る舞う義母の相沢かなえは物静かな佇まいで、しかもM女という、なかなかの設定でエロい。浴衣姿もよろしい。ただ、残念ながら芝居が下手なのが悲しい。あの芝居っぷりだから物静かな佇まいというキャラになったのか・・・。

結局、義母は家を出ていってしまうのだが「私は強すぎた」とかいう理由が解ったような解らないような。

他に水原香菜恵、山咲小春 。

シネロマン池袋

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映画見逃しリスト

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東京に居ると次から次へ名画座の特集が組まれ、映画鑑賞には事欠かない。
もちろん、スケジュールの都合やらで観たいものは全て観れるわけでは無い。
最近の各々特集の中で、関心を持ちながら見逃してしまった映画を列挙しています。
いつか、また機会があればと、劇場での上映を待ちます。
中にはDVDで妥協して鑑賞していくものもあるでしょう。
中には上映の度に、パスし続けてる作品もあります。


今月の追加(*)今月の名画座特集はやや不調。良い事だ。


【あ行】
愛のきずな (坪島孝)
「エロ事師たち」より 人間学入門 (今村昌平)
アレクセイと泉 (本橋成一)
ある殺し屋 (森一生)
嵐を呼ぶ楽団 (井上梅次)
俺にさわると危ないぜ (長谷部安春)
俺の故郷は大西部(ウェスタン) (西河克己)
おじさん天国 (いまおかしんじ)
穴場あらし (太田昭和)
一刀斎は背番号6 (木村恵吾)
ああ爆弾 (岡本喜八)
女めくら物語 (島耕治)
赤い殺意 (今村昌平)
エノケンの頑張り戦術 (中川信夫)
越前竹人形 (吉村公三郎)
女吸血鬼 (中川信夫)
女殺し屋 牝犬 (井上芳夫)
ある脅迫 (蔵原惟繕)
女探偵物語 女性SOS (丸林久信)
異人たちとの夏 (大林宣彦)*

【か行】
「空白の起点」より 女は復讐する (長谷和夫)
恐怖の時間 (岩内克己)
狂熱の季節 (蔵原惟繕)
喜劇 女は男のふるさとョ (森崎東)
喜劇 特出しヒモ天国 (森崎東)
黒い画集 ある遭難 (杉江敏男)
怪談お岩の亡霊 (加藤泰)
怪盗X 首のない男 (小杉勇)
狂い咲きサンダーロード (石井聰亙)
かえるのうた (いまおかしんじ)
関東女やくざ (井上昭)
県警対組織暴力 (深作欣二)
河内カルメン (鈴木清順)
月光ノ仮面 (板尾創路)
神々の深き欲望 (今村昌平)
空想天国 (松森健)

【さ行】
ゼロの焦点 (野村芳太郎)
曽根崎心中 (増村保造)
聖母観音大菩薩 (若松孝ニ)
新宿アウトロー ぶっ飛ばせ (藤田敏八)
ジーンズブルース 明日なき無頼派 (中島貞夫)
33号車応答なし (谷口千吉)
セックスチェック 第二の性 (増村保造)
スタア (内藤誠)
女番長(スケバン) (鈴木則文)
史上最大のヒモ 濡れた砂丘 (依田智臣)
集金旅行 (中村登)
春婦伝 (鈴木清順)
笹笛お紋 (田中徳三)
女囚さそり 第41雑居房 (伊藤俊也)


【た行】
東京の孤独 (井上梅次)
団地七つの大罪 (千葉泰樹)
旅の重さ (斎藤耕一)
東京夜話 (豊田四郎)
ときめきに死す (森田芳光)
でんきくらげ (増村保造)
断崖の決闘 (佐伯幸三)
月は地球を廻ってる (春原政久)
東京湾 (野村芳太郎)



【な行】
内海の輪 (斎藤耕一)
人魚伝説 (池田敏春)
ナージャの村 (本橋成一)
ネオンくらげ (内藤誠)
女体 (恩地日出夫)
情無用の罠 (福田純)
肉体の門 (マキノ正博)


【は行】
濹東綺譚 (豊田四郎)
本陣殺人事件 (高林陽一)
反逆のメロディー (澤田幸弘)
ヒバリ (いまおかしんじ)
秘録おんな蔵 (森一生)
豚と金魚 (川崎徹広)
秀子の応援団長 (千葉泰樹)
秘録おんな寺 (田中徳三)
平成ジレンマ (齊藤潤一)


【ま行】
めまい (斎藤耕一)
燃える南十字星 (斎藤武市)
桃尻娘 ラブアタック (小原宏裕)
祭りの準備 (黒木和雄)
(本)噂のストリッパー (森田芳光)


【や行】
四万人の目撃者 (堀内真直)
奴が殺人者だ (丸林久信)
夜のいそぎんちゃく (弓削太郎)
妖星ゴラス (本多猪四郎)
四畳半物語 娼婦しの (成沢昌茂)


【ら行】
竜馬暗殺 (黒木和雄)


【わ行】
わたしを深く埋めて (井上梅次)
若い傾斜 (西河克己)
われらの時代 (蔵原惟繕)


【洋画】
嘆きの天使 (ジョセフ・フォン・スタバーク)
嵐が丘 (ウィリアム・ワイラー)
ロイドの要心無用 (サム・テイラー・フレッド・ニューメイヤー)
変身 (ワレーリイ・フォーキン)
チェチェンへ アレクサンドラの旅 (アレクサンドル・ソクーロフ)
小人の饗宴 (ヴェルナー・ヘルツォーク)
アギーレ/神の怒り (ヴェルナー・ヘルツォーク)
イタリア麦の帽子 (ルネ・クレール)
キートンのセブン・チャンス (バスター・キートン)
コンチネンタル (マーク・サンドリッチ)
ストレート・トゥ・ヘル (アレックス・コックス)
レスラーと道化師 (ボリス・バルネット)
ネクストドア/隣人 (ポール・シュレットアウネ)
魔女 (ベンヤミン・クリステンセン)
セルビアンフィルム (スルディアン・スパソイエヴィッチ)
ベレジーナ (ダニエル・シュミット)
女囚大脱走 (ロジャー・コーマン)
サンタ・サングレ/聖なる血 (アレハンドロ・ホドロフスキー)
実演!淫力魔人 (ジョーイ・キャリー)
真昼の決闘 (フレッド・ジンネマン)
僕の村は戦場だった (アンドレイ・タルコフスキー)*



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筒井康隆 「壊れかた指南」

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壊れかた指南 (文春文庫)筒井康隆文藝春秋発売日:2012-04-10ブクログでレビューを見る»

70歳を越えた筒井康隆せんせの到達点とは・・・。
昔のように躍起になって追いまわす事は無くなった筒井せんせ。

それでもファンは読めば満足。

流行作家として多くの作品を生み出してきた老大家。読み始めると、あたかも手抜きをしているんじゃないかと思うほど。名人が寄席に上がった時にルーチンで流すような・・・。
中折れ小説群?

でも「壊れかた指南」なんです。
そこには緻密な計算があるのかもしれません。
当然、殺し合いや、大いなるドタバタ展開になるべきはずのところが、そうはならない。
ところどころ筒井節の片鱗が覗く。そこは、読み手の方も年をとって疲れてきているせいか、返って、白々とした気持ちにもなる。多分、いつも通りそのまま進んだら、それなりに面白いだろうけど、何か古臭さを感じてしまったかもしれない。

実際のプロセスが手抜きであろうと、緻密な計算であろうと、手練れたベテランにしか描くことのできない境地。

放っぽり出されて宙ぶらりんでも、「稲荷の紋三郎」「迷走録」のプロットは堪らない。
いつもながら助走から大きく展開されるドタバタを想像していると、肩透かし。読んでいる方が壊れてきそう。
「大人になれない」のパロッタ君と美人で親切な理解者明子さん。確かに、いつも通りではあるのだけれど・・・。

ウルトラゾーンの治療院を想起してしまったショートショートの「虎の肩凝り」の可愛らしさ。

そして、幾分、食い足りなさを感じたショートショートの後に持ってきた4篇が最高に不気味で恐ろしい。
中でも「耽美者の家」で海外名作を只管読み続ける男女3人。誰もが題名だけは知っている作品。題名さえ知らない作品・・・。実際は読んでいない作品ばかりなので、少しばかり嫉妬を憶える。
思わせぶりなディケンズの「荒涼館」なんて、絶対読みたくなる。
「店じまい」の寂寥
「逃げ道」の解放

まだまだ僕たちには筒井せんせが居るんだ。と嬉しい気持ちになれました。
耄碌する事なく、長生きしてほしいと切に思いました。

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「プロメテウス」

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「プロメテウス」2012年 米 監督:リドリー・スコット

類の起源にかかわる重大な手掛かりを発見した科学者チームが、謎を解明するために宇宙船プロメテウス号に乗り組み、未知の惑星に向かう。2093年、目的の惑星にたどり着いた一行は、砂漠に広がる明らかに人の手により造られた遺跡を見つけ、その奥へと足を踏み入れる。しかしその惑星では地球の科学では計り知れない異常な出来事が次々と起こり、脅威となって彼らに襲いかかる……。

TVで可愛い剛力さんが宣伝していたから、見てみようと思って・・・。
なんでもエイリアンの前日譚だとかで、事前にちゃんとエイリアンもさらっておいて。
事前のお勉強は正解でした。前日譚というか、監督によるセルフパロディみたいなもんで自らオマージュ。
共通する部分はいくらでもあります。
30年もの時を経ている訳ですから、見せ方とかテンポとか、こっちの方が悪けりゃ目もあてられません。
そういう意味では監督も自信を持って作ったと思うし、良くできていると思います。

ただ、残念なことに主演のノオミ・ラパスが・・・。
頬骨ばかりが気になって。ああ、この人リスベットの役やってたんだ。あの時もリスベットのキャラが良いのに女優が・・・という感じを持った事を思い出した。

シガニー・ウィーバーは、男前の中にサービスカットで訴えかけてきた。今回もサービス・カットはあるにはあるが脳にも下半身にも訴えがない。
ただ、セクシーやエロとは縁遠いものの自動装置で自らの開腹手術をするシーンは凄かった。
もう一人の女性乗組員、シャーリーズ・セロンに期待したのですが、主演はあくまでノオミ・ラパスですからね。
シャーリーズ・セロンの最期なんてみじめというか間抜けともとれるし。



アンドロイドの乗組員は、ちょうど2日前に鑑賞した映画でセックス依存症を好演したマイケル・ファスベンダー。ロボットはセックスしないからあの果て顔は見られない。

このアンドロイド、デヴィットがショウ博士の恋人でもあるホロウェイ博士に施した悪戯の意味が、ちょっとぼんやりしていて解らなかた。
まさか、「何故人間はロボットを作ったか」の問いに対する「作れたから」という答えに傷ついて復讐したわけでもあるまい。

シャーリーズ・セロンのウィッカーズが船長との会話で、「10分後に私の部屋に来て」というのがあり、期待したが、船長は行ったのか?
いい事があったのか。まったく触れられずに置いて行かれた。

この船長の持っていた風琴の元の持ち主がスティーブン・スティルスってのが良かった。
2090年代までも愛されているんだ。もちろん、ウィッカーズ姉さんはそんな人、知らない。”Love The One You're With”を口ずさむ船長。

Stephen Stills - Love The One You're With

まぁ、良く解らない点は多々ありましたが、ギーガーの美術も健在だし、気持ち悪いイカのようなグニュグニュ生物と白面巨人の対決は見れるし、SFエンターテイメントとしては充分楽しめたと思います。

MOVIX川口

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「月光ノ仮面」 DVD

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「月光ノ仮面」2011年 吉本 監督:板尾創路

終戦から2年が経った昭和22年。ボロボロの軍服を身に付けたひとりの男がふらりと町に現れる。彼はいきなり寄席小屋に入り、高座に上がったものだから、噺家たちにつまみ出されてしまう。実はこの男の正体は、人気実力ともに認められた落語家・森乃家うさぎといい、戦争で傷を負い記憶を失くしたため、顔面を包帯でぐるぐる巻きにしていたのだ。かすかな記憶を辿るように、彼は得意としていた題目“粗忽長屋”をつぶやく……。

奇才板尾創路の監督作第2弾は、落語「粗忽長屋」をモチーフにした作品だが、これは、残念な結果に終わってますね。
シュールな物は嫌いじゃないが、面白くないのは困る。

そそっかしい人の話だから、中でも一番そそっかしいのが一番可愛い石原さとみだったて所とか、いい線いってるんですけどね。そそっかしくて貞操を失うってのは良い。
あとはラストの笑いの中での美しい血しぶきとか、エンディングで選んだ曲とか、そのぐらいでしょうか。

そもそも、落語家というのは川柳師が言うように・・・
「小さん、小せん、夢楽、柳昇、柳朝、米丸、小南、円右、さん助、文治、小円馬、三平、みんな戦争に持って行かれた。20人くらい行って1人も死なないで全員戻ってきた。三平さんなんか太ってもどってきた。」と言う物。
前線で名誉の負傷を負った森の家うさぎの落語家としての了見はどうなのって事でしょ。そこから大きな間違い。

あと、一門の前座が使え無さすぎ。
高座に上がっちゃった兵隊を二つ目以上の兄弟子に引きずり降ろさせるかよ。

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「ねらわれた学園 制服を襲う」

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〈ピンク映画50周年記念特集〉
PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 Part2
-午後8時の映画祭-

「ねらわれた学園 制服を襲う」1986年 新東宝 監督:渡辺(渡邉)元嗣

親の仇を討つため養成ギブスで鍛えられた「名器」を武器に戦いに挑む少女を描く。「スケバン刑事」へのオマージュたっぷりに効果音やカメラワークまでもそのままの遊び心いっぱいのパロディ・ピンク。コメディ、メルヘンを得意とする渡邉元嗣監督の初期代表作。

薬師丸の眉村卓原作映画をタイトルに取りながら実はスケバン刑事の劇場映画化。
ごめんなさい、スケバン刑事、ぜんぜん解りません。見たこともありません。
なつかしのTV番組集とかでシーンを見たことがある程度。ヨーヨーとか南野さんとか、斎藤さんとか、出演者情報はあるけど。

音楽や効果音まで同じときてるんだから、解っていれば数倍楽しめるんでしょうね。
私のように解ってない人にとっては、この手の作品はギミックのバカバカしさとかで楽しめば良いのでしょう。
名器三段締養成ギブスで鍛えた膣力で相手の性器をぶっ潰すとか。
投げつける武器はヨーヨーならぬ、電動バイブ内蔵のけん玉。、相手の股間にブチこみ、悶絶させるとか。
インコを肩に乗せてる蛍雪次郎とか。

主演の麻宮未来の橋本杏子がとても若くて可愛い。
スケバン嵐山珊瑚の田口あゆみ、これまた可愛い。
2人の出会いのシーン、珊瑚が投げつけた缶ビールを片手でキャッチする未来。
未来の出陣を赤い唐傘を捧げて付きそう珊瑚。いよっ!東映任侠の世界。

ところで紺のセーラー服っていうのも見なくなった、これも時代ですね。



今更、スケバン刑事を勉強する気も興味も無いので、このへんで・・・

銀座シネパトス

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立川談志 「談志 最後の落語論」

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談志 最後の落語論立川談志梧桐書院発売日:2009-11-17ブクログでレビューを見る»

昨年、家元が亡くなってすぐに買って読んだ。
晩年の家元の出版ラッシュには、ほとほと困ったものがある。
しかも装丁が立派な高額なものが多い。
もう、その時点で談志書籍の買い漁りは諦めました。ただこの落語論だけは義務ですから・・・
「現代落語論」を人に貸して返って来なかったりで2度買い直しているし、その2「あなたも落語家になれる」も手元に大事に持っている。

談志40代の一番良い時期(私として、そう思っているだけかもしれない)に集中的に追っかけをした身としては、立川流を立ち上げてから、寄席の出が無くなり、こっちも学生でなくなった事もあり、足を運ぶ事が激減。
そして病気に倒れた談志を、もう一度見ておきたいと思いながら、とにかくチケットを手に入れるのが容易じゃないため、「何もそこまでして」の思いがあったのだ。
いや、容易じゃないったて、ほんのちょっと発売日に努力をすれば手に入っただろう。寄席より2、3倍高い料金も家元の価値ならやむを得ないだろう・・・

いつものように業の肯定、イリュージョンといった解りやすい解釈を読むうち、終盤に差し掛かり、出くわした言葉。

「家元のチケットに何万円というプレミアがついた、と聞いた。”凄いですねえ”と人は言うが、冗談言っちゃいけない。
家元、世間様になんとお詫びをしていいか、判らなかった。
・・・(中略)
”金さえあればチケットが手に入る”なんという、そんな奴に落語が解るわけがない。」

胸が熱くなった。
ほんのちょっとの努力で、もう1、2回は見ておくべきだったと後悔した。

亡くなった後、今度は弟子を中心に追悼本ラッシュだ。
こちらも大いに魅かれるが新刊買い揃えるなんて事はできない。
ブラック師や談之助師の本は読んでみたいが・・・。
一番好きな弟子、左談次師は、そんな所で稼ごうとしないところが良いね。

思えば、現役時代から家元の弟子に限らず、談志をネタで随分高座で笑いをとった者は多い。

不世出の落語家、五代目立川談志。多くの感動を感謝。

http://blog.goo.ne.jp/imapon1960/e/633e2183b87fcef74a3db23808d1c6f7

「戦闘少女 血の鉄仮面伝説」 DVD

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「戦闘少女 血の鉄仮面伝説」2010年 東映 監督:坂口拓・井口昇・西村喜廣

学校でいじめられ、両親の優しさだけが救いの女子高生、渚凜。16歳の誕生日、突如右腕が変形し始める。彼女は実はミュータントだったのだ。そして、何者かによって山奥の秘密施設へと連れ去られた凜。そこでは、人間への復讐に燃える謎の男・如月が、ミュータント一族・ヒルコ族の少女たちを戦士へと変貌させていた。ミュータントとして覚醒するまで外れないという鉄仮面をはめられ、教育係・玲の下、過酷な訓練を課せられる凜だったが…。

アクション・パートの坂口拓(第一部)ドラマ・パートの井口昇(第二部)、スプラッターアクション・パートの西村喜廣(第3部)、という3監督が共同監督で撮り上げた美少女バイオレンス・アクション。ヒロインには、「炎神戦隊ゴーオンジャー」ゴーオンシルバーの杉本有美、「空へ ―救いの翼 RESCUE WINGS―」の高山侑子、「侍戦隊シンケンジャー」シンケンイエローの森田涼花。

仮面ライダー・ウィザードで高山侑子が女刑事凛子ちゃんとして重要なレギュラー出演を記念して、劇場で見れなかった本作をレンタル。

いつもお約束のおバカ・スプラッターも井口監督の「片腕マシンガール」「ロボゲイシャ」に比べると今一つ食い足りない感があるのは劇場鑑賞じゃないという理由だけでは無いだろう。

それでも気になって2回目の鑑賞を試みてみると・・・。
パロディ、オマージュ、おバカギャグと、意外と見所は多いんであります。

新小岩で開眼したウクライナ剣術。意味不明だけどツボでした。
仁科貴の誤射、謝罪。ゴメン。
パン屋夫婦の人間ヌンチャク。妻はフランスパンになって本望。
ヒルコ少女隊。チェーンソー・チア・ガールのM字開脚。
「こんな感じでおめでたいんだよ。」のおめでたのミキは戦闘能力無いんかい?
お馴染み竹中直人・防衛庁長官のパーティーでのスピーチ。死に様。今回も全開。
ちょっとだけの出演でもこの人が出ると出ないじゃ大違いの亜紗美、いや〜ん串刺し。
そこまでやるかの坂口拓・如月。
謎の中国人・井口昇と首相・ジジぷぅの顔芸。
リストカット(この人たちほんと好きですね、リストカット)のアトムに雷電マグマ大使。
パロディ、オマージュの中には、またしても勉強不足のスケバン刑事も。

そして3人のヒロイン・キャラがとても良い、アイドル映画。
杉本有美の凛。パンチラさえ無いにも関わらず、ピタピタのセーラー夏服のに隠されたボディのエロい事。ゴーオンシルバーでは気づかなかった。
森田涼花の佳恵。エイッ、エイッとあくまで可愛く戦うけど、戦法はかなりエログロ。
人工呼吸を要求しておいての逆襲。唇からはるか離れた距離からの逆襲ではやられた方も悔しいだろうね。
高山侑子の玲は超クールな佇まいでガチガチのヒルコ少女隊員。
凛が玲を説得する回転シーンの長いこと・・・。

3回見たら、けっこう病みつきになります。それにしてもくだらないです。

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「奇っ怪博士!怪獣博士!大判昌司の大図解展」

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特撮展で時間を取りすぎ、梯子する予定が敵わなかった「大図解展」に行ってきた。

まず、東大脇にある弥生美術館。初めて来ましたが、エントランスのピンク電話で迎えられる、まさに昭和のイメージの建物が良いですね。
竹久夢二美術館と隣接合体していて、日頃行われている展示も高畠華宵など明治・大正・昭和の挿絵などが多いようだ。
ところで、大伴昌司の大図解展。これが思いの他良くて、興奮してしまった。
当時、少年雑誌で明らかに見たという図柄(後年の展示などで見た記憶ではない事が明確)が眼前に大きく展示されていて、一瞬のうちにタイムスリップしたような感覚。懐かしい感覚というのは良く感じるが、この感覚というのはちょっと無いな。
私の生まれもともとこの東大近くの森川町(ほとんど記憶は無いのですが)であるわけで、美術館に行く道すがらすでにタイムスリップ感覚の準備が整っていたのかもしれない。

あまり少年マンガ週刊誌を買って読む事はなく、もっぱら友人から借りる、床屋で読むといった程度だった。
今にして思えば少年マガジンは巻頭の大伴昌司企画の特集が興味を引く物であった場合、熟読して、あとは「天才バカボン」を読んでおしまい・・・だった。

大図解というと何やら胡散臭い、パチモンの匂いで円谷プロの外側で盛り上がっているという、まさにサブカルチャーの原点のようなものだ。
しかし、その仕事(主に少年マガジンの特集)はウルトラ怪獣にとどまらず、「宇宙家族ロビンソン」そしてあの「サンダーバード」まで図解していたのだ。
他にも、香山滋、江戸川乱歩、007、万博、横尾忠則、古代遺跡、未来社会、地球滅亡の日・・・





あらためて図解を見ると、怪獣たちの能力の秘密のあらかたはエネルギー袋等の○○袋にあることを再確認。案外、安易なんです。
バルタン星人はウルトラマンの八つ裂き光輪で真っ二つにされましたが、あのような複雑な内部は無かったような・・・。



これは展示だけでなく、なんとしても図版を手元に置いておきたいと思ったら、弥生美術館学芸員・堀江あき子編の「大伴昌司大図解画報」が市販されているので即購入。
今回はこの画報をそのまま実物展示する企画だったのだ。
勉強不足な私は大判昌司も挿絵画家の1人と思い違いをしていましたが、企画構成担当であり、絵を描いているのは石原豪人、南村喬之といった挿絵画家。大伴昌司はその下絵を原稿用紙に書いているわけで、実際の挿絵拡大複写と下絵原稿を見くらべながら進む展示構成。



それにしても稀代のプランナー・大判昌司恐るべし。
ジャーナリストの父の仕事関係で幼少の頃メキシコにわたり、ティオティワカンを遊び場に育っただけの事はある。
その面白着眼点は昭和の宮武外骨か。

少年マガジン内田勝編集長との熱い仕事ぶりも感じる事ができます。
この内田編集長、当時は我家の団地、2個隣の部屋に住んでいた有名人だけど、あのおっちゃん、こんなすごい人だったんだ、とあらためて。

大図解画報はなかなかよろしいのですが、絵が小さくて老眼には辛い。
当時の少年たちは、是非、弥生美術館の拡大複写で楽しむ事をお勧めします。
大伴昌司、エディトリアル・デザインの革命が見えますよ。

怪獣博士! 大伴昌司 ---「大図解」画報 (らんぷの本)堀江あき子河出書房新社発売日:2012-06-20ブクログでレビューを見る»

2階、トイレ脇に貼られていた「世界怪物怪獣大系統図鑑」(キネ旬増刊付録)は額装して部屋に飾りたいくらいなもんです。

「奇っ怪博士!怪獣博士!大判昌司の大図解展」
9月30日まで
文京区 弥生美術館

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東都大学野球 青山学院大VS東洋大

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まだまだ午前中でも暑さが引かない神宮球場。
平日で空いているので日陰のネット裏スタンド。いつもより低い目線で。

今季の東都は、東浜、九里の投手陣を持ち3季連覇を狙う亜細亜が安定している。追うのは3季連続で2位の青学。投打にタレントは揃っていてメンバーを見ると優勝候補に上げたくなるほどだが。春に思いのほか低迷して藤岡の穴の大きさを痛感することになってしまった東洋大だが、底力はある。1部復帰の國學大も投手2枚が安定しているので、史上初の秋復帰即Vを狙う力はありそう。今季もまた、優勝争い2番手以下はイコール最下位争いというくらいの厳しい戦いが予想される。

2012年秋季東都大学野球
青山学院大VS東洋大 1回戦
神宮球場

青学大 000 000 000=0
東洋大 000 100 01X=2

青学:小畑(鳥取西・4)-福元(大阪桐蔭・2)=谷(千葉経大付・4)
東洋:能間(桐蔭学園・3)-藤田(浜田・4)=藤本(PL学園・3)
本塁打:東洋・黒川(桐生第一・2)(8回ソロ)

青学の今季初戦、先発は斎藤(青森山田・3)でも福島(大阪桐蔭・4)でもなく、小畑。調子の良い投手を初戦でぶつけたという事なのだろう、小畑が好投を見せる。
福島が調子を崩し低迷しているようだが、小畑もこのようなピッチングを見せ、計算ができるとなると頼もしい。
東洋大は春季、入替戦で救援好投した能間。亜大戦に続く先発だが、こちらも小畑以上の好投。東都リーグらしい投手戦となった。

東洋大は4回一死二塁から7番の投ゴロの時、二塁走者が飛び出して二死一塁と好機を潰しそうになったところを8番藤井(東洋大姫路・4)の適時三塁打が出て先制。
1点差をなんとか追いつきたい青学だが7回の好機も後続が三振に切ってとられ、どうしても1点が遠く、我慢の展開。
しかし、8回裏に黒川にソロ本塁打を打たれ、投手は福元にスイッチ。
2点差を追う青学の9回も二死二三塁に攻め立てるが最後は救援した藤田に代打の代打宮本(報徳学園・3)が三振に切られゲームセット。


7回 青学大好機も筒井(桐光学園・4)は能間に見逃し三振。

東洋大が投手戦をものにして先勝。
青学大は喫した三振は4個だったが、好機に取られたのが響いた。

第2試合の駒大VS國學大も楽しみな一戦。まぁ、東都の場合全部楽しみになっちゃい、キリが無いのですけど。
迷ったが今日は1試合だけの観戦で球場を出る事に・・・なんだか眠くてしょうがない。

駒大が毎回安打で先勝したみたいです。

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「緊縛・SM・18才」

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〈ピンク映画50周年記念特集〉
PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 Part2
-午後8時の映画祭-

「緊縛・SM・18才」1986年 国映 監督:片山修二
(SMクレーン宙吊り)に改題

不良少女に片目を潰され、SMクラブで一流の調教師「地獄のローパー」へ変貌した主人公の復讐を描いたナンセンス・コメディ「逆さ吊り縛り魔」の続編で、二人の死闘はスケールアップし、クレーン吊りにまで発展。近年海外映画祭でも評価が高まる快作。

海外でもカルト的人気を誇る作品というだけあって、すんげぇ、面白かったはずなんだけど・・・
何かこの作品について記しておきたい事があったはずなんだけど、鑑賞から1ケ月以上たってしまうと、まったく憶えていない。
完全にサボっていて草稿は愚かメモさえとってない。加えて最近は忘却の速度が加速の一途。

アイパッチをした地獄のローパーのキャラクターおよび緊縛技はとてもナイスで、この作品の肝である事は間違いないんだけれど、名前も知らない時から、なんだか好感を持って眺めていた下元哲朗の役としては、あまり合っていないようにも思った。
もちろん、悪くは無いのだけれど・・・。
この人、もっとシャイな感じの中年を演じるイメージが強くて、その役柄がいつもとてもチャーミングなだけに・・・。
ただ、ご本人もこのキャラはなかなか気に入っているご様子でした。
地獄のローパーが台詞でもってかなり喜ばしてくれたはず。
「自分は博愛のサディストであり、一人の女を愛するわけにはいかない」だとか、他にもあったはず。

少年を強チンする暴走族の女子やら、ナチスの軍服の登場や音楽など身悶えしたくなるほどの感覚があったような気がするんだけど。

結局、意味解りませんがラストでのローパーとメグ(早乙女広美)の対決に登場する地上35メートル、クレーン吊りの絵のインパクトで全て吹っ飛びましたか?
夕焼け空に高々く吊りあげられるくの字なりの裸体。



「逆さ吊し縛り縄」という作品の続編にあたるものだそうで、そちらも機会があったら観ておきたい。
本作ももう一度観てみる価値はあると思っています。機会があれば、ね。

銀座シネパトス

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「ズヴェニーゴラ」

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「ズヴェニーゴラ」1927年 ロシア 監督:アレクサンドル・ドヴジェンコ
Звенигора

祖父から宝の山の伝説を聞いた二人の兄弟。兄は一攫千金を夢見て行った外国で自殺ショーをし、弟は徴兵され革命運動に身を投じる。ウクライナ千年の歴史を、多様なスタイルを縦横に駆使して描く。ウクライナの映像詩人ドヴジェンコの才能が開花した出世作。

2年前に半睡状態で鑑賞した時、是非ともリベンジして、またしても爆睡してみたいと思った作品。
どうせ、眠ってしまうのは解っていながら、今回はピアノ伴奏付きという事もあり・・・。

アテネフランセなどでは「ズヴェニゴーラ」と表記していたが、今回のフィルムセンターでは「ズヴェニーゴラ」
主催者側を尊重して「ズヴェニーゴラ」で。

ウクライナの歴史ですからね、剣を振るうシーンも出ますが、ウクライナ剣術(新小岩開眼)ではありません。

そして、今回も予定通り睡眠。必至に目をこするが空しい抵抗。
ピアノ伴奏は子守唄としてしか機能せず・・・

前回よりは少し、見た部分は増えたと思います・・・。
前回、自殺演説シーンの魅力に惹きつけられたわけですが、やはり本作の肝はここにあるようです。
今やピストル自殺が眼前で起きると、興奮する観客。
抑えきれない興奮を自分の腕に噛みついて堪えるご婦人。
自殺が行われない事を知ると地団太踏んでブーイング。

徴兵された弟が銃殺されそうになる場面もありましたが、この演説シーンほどの力は感じません。

他では、工場の描写が印象的。
なんの競技なのか、男女アスリートが行進するシーンも解らないながら、良さげでした。

ウクライナ千年の歴史。おとぎ話から抒情詩、叙事詩、といったあたりについて信頼のおける先生、どなたか解説してください。

ズヴェニゴーラ

ピアノ伴奏:神崎えり
京橋 フィルムセンター

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「豊丸の変態クリニック」

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〈ピンク映画50周年記念特集〉
PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 Part2
-午後8時の映画祭-

「豊丸の変態クリニック」1988年 Exces 監督:浜野佐知

300本以上のピンク映画を発表し、近年では「百合子、ダスヴィダーニャ」(2011)などの一般作で同性からの指示を集める女性監督・浜野佐知。「淫乱系」というジャンルを築いた人気AV女優・豊丸、栗原早記を起用し、浜野監督が掲げる「女性の性の解放」を追求したハード・エロス。

やはり一芸名人豊丸は今でも見る価値ありだな。AVはともかくピンク映画出演作は要チェック。
今回は、変態心の欲求不満を解消する病院、朱丸クリニックの女院長。変態クリニックとは言えその治療方法は変態心の解放とばかりほ実態はヘルスやSMクラブといった治療。
昼の院長の顔と変わって夜はクラブ歌手。下着ファッションで艶めかしく歌うため息歌謡。この曲が良い。歌手としてレコードは出してないのかな。

前半の変態治療。その変態患者は、今みるとちょっと性癖に偏りがある程度のもので、さほど過激さは無い。漫画家の平口広美がプロレスラー役。
この作品を見るのは初めてのはずだが、平口広美のプロレスラーというのは見たような気が・・・
よくある役回りなんでしょうか?スキンヘッドだからと言ってプロレスラーというのはちょっと・・・、緩んだ身体が厳しい。

おとなしめの前半から、豹変するのは朱丸の正体を暴こうとしているジャーナリスト朗子(栗原早紀)によって書かれた告発記事をネタに立ち退きを迫るサングラスの男たちに犯されてしまう場面。
豊丸芸炸裂。「ンゴイ!ンゴイ!モット!モットォ!」って・・・
この芸風でヌケるかどうかという問題なんて超越している。

結局、栗原早紀も変態患者に取り囲まれ、変態技の海に埋没していく。
仁王立ちの豊丸の発する言葉と、それに答える栗原早紀の台詞は、充分想定できるものではあるけど、それでも尚、見事な着地点を見た思いで満足。

変態治療に反抗する露出狂女昨(相沢良子)と豊丸の関係はどうなるのか。
対決方面に進むのか期待したけれど、そこは曖昧のまま流されてしまった。残念。

銀座シネパトス

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「スペードの女王」

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シネマの冒険 闇と音楽 2012
ロシア・ソビエト無声映画選集
「スペードの女王」1916年 ロシア 監督:ヤーコフ・プロタザーノフ

貧乏士官ゲルマンは、年老いた公爵夫人には賭けトランプの勝ち札がわかることを知る。公爵夫人は忍び込んだゲルマンに勝ち札を教える前に息をひきとるが、幽霊となって勝ち札を教える。オペラ化されたプーシキンの小説の映画化で、名優モジューヒンの演技が光る。

短編小説の名品。昔読んでその巧みなストーリーと、なんとも言えない怖い怖いお話を堪能した作品。それが映画、しかも無声となると、どんな具合なのか、これは興味深々。

睡魔の襲う無声映画ですが、これは予めストーリーが頭に入っているため、迷子にならずに済みます。

しかし・・・
怖い怖いスペードの女王で、まさか笑わされるとは思いませんでした。意表を突かれた。

銃口を向けられ卒倒、そのまま逝っちゃう老公爵夫人。
カードの中でニヤリと笑う・・・。

コントでした。

ピアノ伴奏:柳下美恵
京橋 フィルムセンター

スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)プーシキン岩波書店発売日:2005-04-15ブクログでレビューを見る»

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「ヒドゥン・フェイス」

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特集 コロンビアの迷宮

「ヒドゥン・フェイス」2011年 コロンビア・スペイン 監督:アンドレ・バイズ
原題:La Cara Oculta

スペインで指揮者を務めるアドリアンは、コロンビアの交響楽団から誘いを受け、恋人ベレンと共にコロンビアに引っ越してきた。二人が新居として借りたのは、郊外に一軒だけ孤立している別荘だった。ある日ベレンはアドリアンの浮気を疑い口論になる。アドリアンが家に帰ると、ベレンの姿はなく、別れを告げるビデオメッセージが残されていた。失恋のショックでバーに飲みに行ったアドリアンは店の店員ファビアナと出会い恋に落ち、二人は一緒に暮し始めることに…。その日から不思議な現象が起こり始める。揺れる浴槽の水面、排水溝から聞こえる声、やたら映る鏡、鏡の前から離れない犬。この家には何かがいる・・・。

「コロンビアーナ」も封切られ、来たかコロンビア。
コロンビア映画はサスペンスの宝庫なんだと。
私の中ではまったく根拠の無い偏見で「世界一、美女の多い国はコロンビア」なのです。
主演がコロンビアのソフィー・マルソーと言われてる娘ときたら観ない手はない。

現在上映中、かつオリジナル作品のサスペンス(ホラーじゃありません)という事で珍しくネタバレに気をつけながら記載しますね。

面白くて、それなりの満足は得られました。
うーん、厩火事と六尺棒ですか?これは・・・。

厩火事のように亭主が大事にしている皿を割って見せるくらいなら可愛いが、ベレンの選んだ方法って、人を試す、懲らしめるにしても悪質。それにより彼女に悲劇が襲うのだが、自業自得のバカ女です。やはり彼氏の携帯を勝手に盗みみるような女だからね。その災難は彼氏と新しい恋人の情交を見せつけられ、嬌声を聞かされる事になるなんて、もうここは大笑い。

ファビアナのマルチナ・ガルシアがとっても美貌、そして可愛いので、それだけで充分。
なるほどコロンビアのソフィー・マルソーか。
脱ぎっぷりも良く、セックス・シーンも多いです。
近頃珍しく微乳なのはちと残念だが・・・、可愛いから許す。

このファビアナが奇跡的に勘の良い娘でなかなか賢いのです。
ファビアナとベレンが対決の様相を呈すると、当然ファビアナ贔屓で観てしまうので結末はちょっと悲しい。恨みがあるのは解るが、どこまでも意地の悪い女だ、ベレン。極限状態で錯乱があったか。
ファビアナも女の怖さを見せるが、やはり良心は残っていると思われ・・・(どこまでも贔屓します)

さて、そんな女子たちですが、男のアドリアンの方はというと、これが、そこそこの女ったらし。
失恋して立ち寄ったバーで涙を見せた挙句、酔って喧嘩して殴られたところをバーの可愛い子ちゃんに助けられそのまんま出来ちゃうなんて冒頭の許し難い展開もありましたが、そこそこの女ったらしではあるけどそんなに悪い男ではないようです。この物語の後の苦悩を想像するといい気味ではあります。

ホラーじゃないけど一瞬だけ悪霊の顔が浮かび上がるシーンがあり、そのシーンを境に、時間が遡りタネ証しになるのは上手い使い方でした。

渋谷 シアターN

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「風の谷のナウシカ」 DVD

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「風の谷のナウシカ」1984年 スタジオ・ジブリ 監督:宮崎駿

腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアと土鬼(ドルク)の領土紛争に巻き込まれる。風の谷の族長の娘である風使いの少女ナウシカは、トルメキアの皇女クシャナ率いる部隊に従軍して戦地に赴き、戦乱の中で様々な人達と出会う。腐海誕生の秘密、伝説の巨神兵の復活、土鬼の聖都シュワに隠された謎…ナウシカは自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして人類と自然の共生の道を探っていく。

宮崎アニメの代表作というか原点とでも言えましょうか。
何度もTV放映されていて、その度に「観ておこうか」と思いながらもぜんぜん観ないんですね。
一度、途中まで観て「なんか面白そう」と思ったのですが、何やらの邪魔が入ったかで中断。
そのうち、ゆっくりDVDで・・・

でも、何かきっかけが無いとね。
この夏の「特撮博物館」での「巨神兵東京に現る」巨神兵の原点という事で、今更ながらに初の完全鑑賞。

聞きしに勝る奥の深さを感じる事ができますね。
これは続編とか、前日譚、後日譚、スピンオフなどいくらでも広がりそうですが、それをやらない所が上手いところ。廣野さんにも「ナウシカ」を出さない事を条件に「巨神兵」を許可したとか。

この世界を少女を主人公として展開させるのも、宮崎勤、じゃなかった駿さんのヒット要因である事は明らか。

腐海といいながらも、美しい情景とヒロインの可愛さ、勇気ある行動にグロテスクな生物やら戦闘シーン。
当時としては斬新でかなりマニアックな世界だったのではないでしょうか。
その中に姫様として風の谷の人々に慕われるナウシカの超人的なカリスマ性が気持ちよく描かれ、感動方向も十二分にあるのですから手練れですよ。

明らかに触手モノの変態アニメと捉えます。
お、パンチラか!と思いきや、あれは何か履いてんのね。
胸にしたって、今でこそ普通だけど当時の15、6の少女のうちでは恵まれた体形?

王蟲から津波を連想したり、巨神兵を原発に置き換えたりする事もできるので、ますます人気は衰えず語りつがれる作品、今後も繰り返しTV放映される事でしょう。

肝心の巨神兵・・・腐ってるやんか、ゲロゲロ。四つん這いから立ち上がれんし。

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「ニッポンの猥褻 好色一代記」

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〈ピンク映画50周年記念特集〉
PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 Part2
-午後8時の映画祭-

「ニッポンの猥褻」1993年 新東宝 監督:深町章
「ニッポンの猥褻 好色一代記」に改題

監督生活40周年を迎え、2011年度ピンク大賞で特別賞を受賞した深町章=稲尾実監督。新東宝映画30周年記念として、当時の人気女優が顔を揃えた本作は、濃密なエロスとユーモア溢れる娯楽性に富み、ピンク映画の王道を築き上げたまさに深町章の集大成。

これは2年ぶりの鑑賞。
「豊丸の変態クリニック」との2本立て。2年前に観ているけど、なかなかの傑作なので再見も厭わず。
上野オークラでの上映時表記は「ニッポンの猥褻 絶倫好色一代記」

日本の猥褻とは何かを追った、やはりこれは名作ですね。
主演の久保新二、絶倫好色男、性学者・橋本鉄という役柄は童貞の頃からずっと久保新二らしからぬムッツリタイプの絶倫男。
あえてネチネチした滑舌でキモい。

個人的にこの映画の一番の見所は快楽亭ブラック師の登場場面なのだが、この戦後設立したクリニックでの橋本鉄=久保新二はそれまでのムッツリの殻を割って本領発揮の猥褻男として俄然ノリが良くなるんだね。快楽亭の師匠の演技に触発された如き。
快楽亭ブラックのクンニ演技はピンク映画界男優の中でも最高峰か!
「3P=三平=どーもスイマセン」のギャグもド嵌り。

タネ違いの娘、林由美香がきゃわゆい。

銀座シネパトス

ニッポンの猥褻 絶倫好色一代記

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樋口毅宏 「さらば雑司ヶ谷」

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さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)樋口毅宏新潮社発売日:2012-01-28ブクログでレビューを見る»

「民宿雪国」の新刊本を買って速攻で読み、速攻で売り払った。面白かったけれど、もう樋口毅宏の作品に手を出す事は無いんじゃないかなと思っていた。

書店で物色していると新刊文庫にこいつがあったので、ふらふらっと手に取りレジへ向かってしまった。
なんだろう、牧かほりのカバー・イラストも確かに惹きつけるものはあるようだが・・・

で、本作。エンターテイメントとして面白いじゃないの。
巻末にわが祖母、樋口泰に捧ぐとして、影響を受けた人物や作品が細かく列挙されている。
これらの作品、人物へのオマージュ、霊感、意匠、影響、引用、パスティーシュで構成している箇所がある。
タランティーノからガンバルマンまで。
一種の継ぎ接ぎ作品とも言えるかもしれない。継ぎ接ぎでこれだけ面白く完成度のある物を作っちゃうのは凄いです。
マンガや映画を文章化したような感覚。でも意表を突く展開はリーダビリティーにも優れ、あっと言う間に読んでしまった。

時折、主人公が、あまりにも当たり前の事を、さも大発見のように世の中の真理を説くといった所が見受けられ、ちょっと気恥かしくなる青さを感じちゃうけど・・・

スピーディーな暴力描写とセックス描写、特に男同士の物なんぞは意外なほど嫌悪感無く、いい味出してますね。

古今東西最も優れた音楽家は誰かという本編に関係なく討論されるシーンではもっと深く、長く引っ張ってほしかった。ジョン・レノンとマイルス、オザケンだけでは・・・。オザケンは良く知りませんがそんなに凄いんですか?
ビートルズ推奨の引用でジャズピアニストにしてハードボイルド作家、原寮の一節が使われていたのが嬉しい驚き。

作業員5人流される マンホール内で工事中

http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0382.htm

さて、R・I・Pも文庫になったら読むんでしょうか。
それはちょっと微妙・・・。
でも、ここにそういう風に書いたからきっと読むな。
気になる存在である事は間違いない。

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「スクワッド 荒野に棲む悪夢」

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「特集!コロンビアの迷宮」

「スクワッド 荒野に棲む悪夢」2011年 コロンビア・アルゼンチン・スペイン 監督:ハイメ・オソリオ・マルケス
原題:El paramo

南米大陸の北西部に位置するコロンビア。1964年に内戦が勃発して以来、ゲリラ 対 軍兵士による緊迫状態が今も続く。そんな不穏な情勢下において、ある日、山間にある基地との通信が途絶えた。軍はゲリラの襲撃を受けたと考え、9人の特殊部隊が調査に向かった。基地にたどり着くと兵士の姿はなく、鎖でつながれた女一人と、日誌が残されていた…。兵士たちはどこへ消えたのか?女は何者なのか?日誌に書かれた驚愕の記録と、閉ざされた環境の中で異常な狂気に兵士たちは追いつめられていく。彼らは疑心暗鬼にかられ、女を殺すために動きだす。そして仲間すら信じられず、事態は最悪な凶器と化していく…。

暗闇と霧の中での映像ではっきり見えないのは効果を狙っての物と思うけど、負傷兵の荒療治など、どんな事になっているのか、もっとはっきり見たいぞ。

いったい何が起きるのだろうかとワクワク・ドキドキも監禁された女(インディオの老婆)が発見されたあたりからだらけてしまって上映が時間以上に長く感じてしまう。極限状態で見えざる敵に怯え疑心暗鬼になる過程はほぼ推定通りだし、とにかくまどろっこしい。

この小隊、もともと中尉殿の統率力が無く、勝手な行動をする部下を抑えきれない。中尉殿がちょっと気の毒になるくらい。では極限状態で中尉に変わって統率力を発揮するリーダーが現れるのかと思うと、そんな事は無く、皆、一様にヘタレな兵隊というところが面白い。力を発揮する男が一番臆病だったりするわけで。

この作品が、またまたハリウッド・リメイクが決まっているらしい。
英雄不在のこの脚本、ハリウッドが如何にリメイクするのか。これはちょっと珍しく期待しちゃう。

ラストで一人となった兵隊ポンセが基地を出て、下山する時、来るぞ来るぞと思っていると案の定。
その驚かせ方はあまりにあざといのだけれど、あの一瞬のシーン、ゾッとしちゃいました。
それまでホラーな驚かせ要素が少なかっただけに・・・。

最近、劇場では良く眠れるのだが、本作は良くぞ眠る事なく最後まで見たもんだ。

渋谷 シアターN

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