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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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輪番停電


「史上最大の侵略 前編・後編」 双頭怪獣パンドン

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昨年やっとこさコンプリートにこじつけたウルトラセブン。
漸く、最終回を観ました。



双頭怪獣パンドン
ゴース星人のスペースキャリアーに乗って、地球に侵入する。左右の口から火炎を噴き、過去の戦いで傷ついたセブンを苦しめた。

ウルトラセブン最後の敵が、このパンドン。
ゼットンのような圧倒的強さを誇るかと言うとそうでもなく、
体温90度、血圧400、脈拍360の瀕死のウルトラセブンを相手に苦しめるのがやっと。隙を突かれてアイスラッガーで左腕、右足を切断されてしまう。



双頭怪獣 改造パンドン
セブンのアイスラッガーで左腕、右足を切断されたがゴース星人の秘密工場で義手、義足を付けて強化し、再びセブンに挑戦した。

強化?なんでしょうか?よたよたびっこを曳いているように見えます。
義手、義足が鋼鉄感を出せればカッコ良いのですがゴムのようです。科学の進んだゴース星人の新素材と言う事で・・・
五体不満足怪獣パンドンです。



この2話に関してはパンドンはあくまで敵役の怪獣の域を出ず、脅威も感じられません。
むしろドラマはダンとアンヌの別離にありましょうか。

前編は歴戦の疲れから消耗しきったダンの苦悩が描かれます。
失敗を続けるダンに宇宙ステーシションのクラタ隊長も辛く当ります。
見守るアンヌ隊員、ナースなのだから髪を切るか、まとめるかして欲しい(これは私の好みの問題)

セブン上司が登場。
その後のウルトラ戦士たちと違って、この上司はセブンと瓜二つ。何か、見分ける方法があるのかもしれませんが・・・。


パンドンとの死闘の末、再起不能のダメージを受けたセブン(ダン)は死神と必死に戦う。見守るキリヤマ等・・・つづく。

後編
前編でゴース星人に拉致されたアマギを助けようとセブンに変身しようとするダン。
またセブン上司が来て止める。
そっくりなんだから変わりに戦ってやれや。
セブン上司にとって地球にダンほどの思い入れが無いのは解りますが・・・。

ゴース星人は史上最大の侵略を始める。それは陸海空の防御は固い地球に対し無防備な地底からミサイル攻撃を仕掛けるという物。
世界中の主要都市が地底ミサイルで破壊されて行く。
「人類はついにゴース星人の奴隷となるのでしょうか。それとも人類の誇りと共に滅亡するのでしょうか。
2つのうちいづれかを選ばねばならぬ時が来たのです。」

そしてアンヌに自分の正体を告白する名シーン。

「どうして逃げたりなんかしたの?ね?答えて…。」の笑顔が堪りません。
ここから改造パンドンとの悲壮な戦いに至るまでシューマンのピアノソナタが効果的に使われます。
アンヌのダンに対する仄かなレンアイ感情も実にさりげなく、爽やかに表現されていて好感度大。



アマギ隊員を救出するウルトラセブン。
この時、ゴース星人のカプセルに囚われたアマギ隊員は模型になっているのですが、この模型が、もう最高。
是非そのまんまフィギュアにして欲しい。救助するセブンの腕と共に。

アンヌが隊員たちにセブンの正体を知らせる。
「行こう!地球は我々地球人自身の手で守り抜かなければならないんだ!」
セブン、否ダンの援護に回りパンドンを攻撃するウルトラ警備隊。

死闘はパンドンの首をアイスラッガーで切断することで決着。

「明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだ。」M78星雲に戻るセブン
「ダンは生きている、きっと生きてるんだ。遠い宇宙から、俺達の地球を見守ってくれるさ。そしてまた、元気な姿で帰ってくる。」・・・

感動のラストとしての盛り上がりに欠かせなかったのがシューマンのピアノソナタ。
ウルトラシリーズ上、オリジナル劇伴で無くクラシック音楽を最も効果的に使用した最終話でありました。

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「夜をまきもどせ」

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「夜をまきもどせ」2006年 監督:岸野雄一

今ではクラブ勤めをしているが昔、映画「野球刑事」に出演経験のある女。今日は久しぶりに共演男優と会い同伴出勤。そのためレンタルキャンペーンで借りてきた「野球刑事」を鑑賞し、若かりし頃の自分の姿を楽しんだ。同居人の男が仕事から帰ると入れ違いに出勤。私の若い頃の姿見たかったら見てもいいわよ、今日の深夜12時までに返せばレンタル無料だから、ちゃんと返しといてね」男は「誰がそんなもの見るか」と言いながらも店までの徒歩時間とビデオ上映時間を計算して「野球刑事」を見始めるのだが・・・。

加藤賢崇という怪人物の事が気になって、彼の出演する貴重な短編映画が上映されるというので見に来た。監督は「パンツの穴 キラキラ星見つけた!」で音楽担当していた岸野雄一。この人同時上映の「庭にお願い」にも出演がある。やはり怪しい。

田渕純の歌うムード歌謡「夜をまきもどせ」の生演奏が付くクラブの無国籍な「カスバ」を彷彿とさせる情景が怪しくも好ましい。
加藤賢崇を始め男性出演者が総じて妙な年齢の重ね方をしていて気色悪い。

加藤賢崇が不条理な目に会う場面がメインとなる。不条理は大好きなのでありますが、レンタル店のシステム自体がありえないので切実感が伝わらない。
返却ポストが無いのかと思うと店員が返却ポストから商品を回収しているシーンが見切れて、意地の悪い不条理感が沸いてきたのは面白かったんでは・・・。

父ちゃん坊やのような加藤賢崇は、やはり声の人。気持ち悪い声なのだけれど、方々で聞きなれているせいか、気分が和らぐ。不思議な怪人だ。




加藤賢崇

池袋 シネマロサ

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センバツ予定通り開催

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春の甲子園センバツは予定どおり23日に開幕、東北高校は大会6日目に登場

日本中が大惨事で混乱しているので開催も難しいのかなと思っておりましたが、東北高校も出場を決め、全32校揃って開催できるようです。

プロ野球のセ・リーグがバカな事を言って(ナイターも含め通常開催)大顰蹙をかっていたので、その影響を心配しておりました。
日本中に元気、勇気を与えるためにはプロ野球も開催すべきとは思いますが、開幕延期、デーゲームシフトで大幅なスケジュール変更(試合数を減らしてもいいじゃない)で開幕した方が野球への渇望感も手伝い、より効果的だと思うのですがね。ナイター開催なんてもっての外。ドーム球場をホームとするチームは市営球場でも良いから他の屋外球場を探せ!
G主催試合なんて多摩川河川敷で充分だ。
もともと野球は昼間、屋外で天然芝の上でやるべきと思っております者で・・・

さて選抜高校野球。
未だ春夏優勝のない東北地方。今大会での初快挙は難しいと思いますが、夏あたりにやってくれませんかね。期待してよろしいんじゃないでしょうか。

勿論東北高校は応援しますが、恒例のトトカルチョではマイナスポイントで投票させていただきます。
(恒例の「あぁ、青春の甲子園」は開催中止だそうです。鳴り物応援も自粛ですし、いたしかた無いところでしょうか)
昨年、惚れ込んだ鹿児島実が出場するので全面的に応援しようと思っております。

それでは勝手に予想をUPして楽しみましょう。
ほとんど戦力分析できておりませんが、自分の好みも入れつつ・・・。

Aゾーン
若生正広監督(東北高校出身)の九州国際大付と今年も強豪、天理

Bゾーン
公立の星、加古川北に期待すれども横浜と日大三
初戦の日大三と明徳義塾が楽しみです。

Cゾーン
常連の智弁和歌山と履正社の近畿勢同士が経験を活かして。

Dゾーン
地区大会覇者揃いで激戦ゾーンは、あえてマナーのよろしい鹿児島実と一二三が抜けても東海大相模でお願い。

同じく、高校生の活躍がニュースになっていました。
生徒が奮闘、高校の避難所 炊き出し、清掃、交通整理

日に日に被害は拡大して行き心痛む思いですが、これから、この手のニュースも増えてくるでしょう。
グータラな高校生活しか送ってこなかったオジサンとしてはこの手の話題を誇らしく思います。実は好きなんだね、こういうの。

大槌高校

21世紀枠で推薦するには、あまりにも弱すぎますか・・・

第83回選抜高校野球21世紀枠
城南(徳島) 仙谷内閣官房副長官の母校
大館鳳鳴(秋田) 白影の母校、ポール牧(定時制中退)、元校長に中馬 庚
佐渡(新潟)

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「エコール・ド・シモン人形展」

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新宿の紀伊国屋書店に本を探しに行ったら、画廊でこちらの人形展をやっていたので覗いてみた。

第30回エコール・ド・シモン人形展

四谷シモン人形学校

生徒さんたちの作品がずらっと並ぶ。
人形なので動かない。表情はフリーズされているはずなのに、見つめているとさまざまに表情が変化していくように思えてくる。
やっぱり、ちょっと怖いよ、お人形さん。
倒錯の世界へ一歩?
黒蜥蜴さんも。

どうしたって、好みはエロを感じるもの、異形、妖怪の雰囲気を醸す者。一見、いたってリアルでノーマルでありながら、実は邪悪な者を隠し持っている子も居るようです。

中でも気にとまった作家さんの名前を並べておきましょう。

高橋早葉子さん、土屋ひとみさん、奥本泉さん、さいとうなおこさん、長瀬紫乃さん、嶋田萌さん、鞘英さん、坂口愛子さん、新妻朱彩美さん、戸沼ひとみさん・・・



作品は販売もしています。
もちろん手が出せる金額じゃありませんが、身受けしたくなるような子も居ますね。

新宿 紀伊国屋画廊
3月22日(火)まで(地震の影響で開催時間が短縮になっています)

結局、探していた本は見つからなかった。去年は確かに紀伊国屋にあったはずなので最後の砦と思ったが・・・
amazonに頼るしかないか。


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臨時休館

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連休は上野にこれ見に行こうと思ってたんですが。
いや、何、このPhotoにちょっと魅せられただけで・・・

身を乗り出して真剣に講義を聴く生徒の中に一人くらい狂人が居ても良さそう。

企画展の内容に関して調べてみると・・・?

東北地方太平洋沖地震に伴う影響等により3月31日まで臨時休館しています。

科学博物館が休んでいてもたいして影響は無いか。

会期は4月10日までなので時間があれば、時間のある方はどうぞ。

歴史で見る・日本の医師のつくり方

Surgery Simulator

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「ダブルベッド」

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「文豪と女優とエロスの風景」
中山千夏×大谷直子

「ダブルベッド」1983年 にっかつ 監督:藤田敏八

昔の仲間の葬儀に出た加藤(岸部一徳)とその妻、雅子(大谷直子)は、その帰りに昔なじみの店で山崎(柄本明)とその若い恋人・理子(石田えり)と会う。気遅れして一人で帰った理子をのぞく3人は、雅子のマンションで飲み始める。山崎の愛撫で気持ちが高ぶった雅子は加藤とSEX。行為の声を耳にした山崎は理子のアパートに行くが、妹の由子(高橋ひとみ)しかそこにおらず、そのことは後に2人に諍いを起こさせる原因となってしまう。そのやるせなさから加藤の家に電話を入れる山崎。雅子と飲む約束をとりつけた彼は、アルコールが入った後、ラブホテルへ。2人はその後もしばし関係を持ち始め、やがてそれは加藤の知るところとなり、雅子は山崎の家へ飛び込むのだったが…

102分にわたるこのロマンポルノ大作は未見のため一度見ておこうと足を運んだが、鑑賞中に気づいた。見てるのです、この作品。
ぜんぜん記憶から飛んでいたのです。ところが見ていると荒井晴彦の印象的な台詞の何点かを役者が発する前に、ふと脳裏に蘇るほど憶えているのでした。

「由子ちゃん処女なんだから」山崎が妹(高橋ひとみ)に手を出さないよう釘を刺す理子(石田えり)
「大学の図書館にはあなたが居ないから」ベタな口説き文句でナンパされる理子
「あの晩、加藤とやってただろ、いい声してた」雅子(大谷直子)と関係後ふと言う厭らしさ、山崎(柄本明)
「山崎さんの何か考えてる顔、初めて見た」図書館をさぼって山崎の家にきた理子。「やっぱりあなたが好きよ・・・」
「回しかぁ・・・」図書館ナンパの院生の仲間の厭らしい目つきから、逃げ出すホットパンツの理子。
「俺は、ただ、あの人とやっていたいんだ。やり続けてたいんだ」・・・「人の女房になんて事を!」ウイスキーをぶっかけられる山崎。
「俺も女と別れる」「女、居たんだ・・・」妻と和解を求める加藤(岸部一徳)の藪蛇。
「あ、お金」「払えって事?」御用聞きの若者を食っちゃう雅子。

台詞が記憶の底に沈んでいたのに、大谷直子の大胆演技(すっかり忘れてます)もあるのに、鑑賞した事を憶えていないんですね。

藤田監督らしく、80年代不倫ドラマらしく、さまざまな大人の事情、問題は解決されることなく終わる。時代の雰囲気ってやつですか。
名シーンもいっぱいあります。

加藤がロケ中止で急遽帰ってきてしまい、不倫現場発覚のシーンが秀逸。
ややヒステリック気味にウロがくる妻と「何で俺が、隠れんのやだ」と開き直ろうとする山崎。
ビールを一杯酌み交わし、山崎が帰って、俺も寝ようと寝室に入る加藤に、はっと慌てて追う妻。万事休す。崩れ折れる。
情事が発覚しても無言。雨の中、神田川の見える屋上で一心不乱で壁当てキャッチボールする加藤。

フランスパンと日傘で、ふと山崎の家に向かう西武池袋線のホーム上の大谷直子の黄色いワンピ。

濡れ場のエロさも、中年のリアルさがあり高水準。
柄本明の背中と大谷直子の尻がカッコ良い。

大谷、石田の間に入って、若さが可愛い高橋ひとみの由子。
処女なのに、女優として参加している自主制作っぽい映画はピンク映画。
カーセックス・シーンで本当に喪失。

姉妹の銭湯シーンは垂涎。

加藤の女の役で中村れい子も出演していたではないですか。
視力の悪そうな目とやや姿勢の悪い背が色っぽい。が、脱ぎは無し。

ロマンポルノの一方向の名作であることは間違いなし、堪能いたしました。

神保町シアター

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樋口毅宏 「民宿雪国」

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民宿雪国樋口毅宏祥伝社発売日:2010-12-01ブクログでレビューを見る»

珍しく新刊本を買った。定価購入1470円。
本屋のPOP書評を見て、ちょっと立ち読みしていたら、どうしても読みたくなった。
本来、文庫化まで待つところだが、文庫になってしまうと読まずにすませてしまう事が多いので(それはそれで良いが)
普段、古い作品ばかり読んでいて、新しい作家で面白い物に巡り合いたいという欲求もある。面白ければ「雑司が谷」「日本のセックス」までも、いてこまそうちゅう魂胆。

2012年8月、国民的画家・丹生雄武郎氏が亡くなった。享年97歳。  80年代のバブル時に突如衆目を集め、華やかな時代を背景に一躍美術界の新星として脚光を浴びる。しかし、各方面からの称賛の声をよそに、けして表舞台には出ようとせず、新潟県T町にて日本海を見下ろす寂れた「民宿雪国」を経営、亡くなるまで創作に没頭した。しかし一方で、丹生氏の過去にはいささか不明瞭な部分もあった。 かつて「民宿雪国」に宿泊、丹生氏によって人生を左右されたと明言するジャーナリスト・矢島博美氏がその死後に丹生氏の過去を掘り下げたところ、以外な事実が明るみに出たのだった。

「吉良が来た後」「ハート・オブ・ダークネス」の山場の急転な展開。1ページ先、というか1行先はどうなっているかも予測不可能な展開の面白さに、いったいどうなる事かと、期待は高まる。
ただ、展開の驚きの割りに、なにか軽さが気になる。軽薄感が拭えずに読み進める。
その軽薄感を穴埋めするのが「私たちが雪国で働いていた頃」であり「丹生雄武郎正伝」という事なのだろう。

日本の戦後史を背景にしたフィクションのスケールも悪くないし、前半の話に重みを加える効果は少なからずあったように思う。
でも肝心の殺人鬼、丹生雄武郎の狂気のキャラクターが種明かしの段階で急激に魅力を失ってしまうように思う。
なぁんだ、そんな事だったの。
ちょっと、がっかり。つまらない訳じゃないんだけれど。

「民宿雪国」
プロローグ
1.吉良が来た後
2.ハート・オブ・ダークネス
3.私たちが雪国で働いていた頃
4.借り物の人生(イミテーション・オブ・ライフ)  丹生雄武郎正伝 矢島博美
 第1章 丹生雄武郎、その波乱に満ちた人生
 第2章 暴かれた実情
 第3章 出兵と抑留の嘘
 第4章 丹生雄武郎が語る、「丹生雄武郎の真実」
エピローグ

虚構の世界であれば、また筒井先生を読みたくなる。

汚さずに綺麗な状態で読了したので早速BookOffに捌きに行くと150円。
1,470円-150円=1,320円
やっぱり文庫まで待つべきでしたか。

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「競輪上人行状記」

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「妄執、異形の人々 ?」

「競輪上人行状記」1963年 日活 監督:西村昭五郎

犬供養で食いつなぐ貧乏寺を継ぐことになった春道。改修資金のために賭けた競輪で偶々大穴を当てたことから、ギャンブルにのめり込み・・・。住職の父は兄嫁と関係するは、その兄嫁は生活のため犬肉を飲み屋に卸すはと、周りは業を背負った凄い人ばかり。春道もまたギャンブル地獄に堕ちるが、とことん堕ちた先に浄土は見えてくるのか!?

何度も見ている大好きな作品が妄執、異形特集にかかりました。
2本立てという事もあり(「超過劇本番 失神」とカップリング)またまた見てしまった。こっちはお目目パッチリですよ。
渡辺美佐子の勝負が見たくなったんですよね。

全編に渡って魅力に溢れた一本だけれど、南田洋子の妄想SMよりも競輪場での渡辺美佐子。
連れ込み宿での自害。最後の言葉「あんた、どこまでもついてる」に至るまで、もう素晴らしい。

ギャンブルにのめり込み、どうしても抜け出せない大馬鹿者の春道ではありますが、どうしたってそこに一種の憧憬を感じずに居られません。
あんな、大馬鹿な行動に徹する事は到底できませんから。

説法の途中でノミ屋に結果を確認する葬儀屋、加藤武も忘れてはなりませんね。役名が色川ってのも振るってます。

そしてエンディング、競輪上人となっての予想屋の口上も完璧でしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=uDRmQizLqbM&playnext=1&list=PLCC3F41AE1F6C8BC0

小説なら能島廉。映画なら寺内大吉原作、西村昭五郎初監督作品のこちらです。

何度でも見たい一本ですね。

競輪上人行状記
競輪必勝法
競輪必勝法

シネマヴェーラ渋谷

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「ヘアピンサーカス」

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「東宝ニューアクションを狙撃せよ」

「ヘアピン・サーカス」1972年 東宝 監督:西村潔

ライバルの三沢を事故死させてしまったマカオのグランプリ以来、島尾俊也の名はレース界から消えた。自動車教習所の個人指導員というのが今の職業。そんなある日、島尾は、高速道路でカモを見つけてはスピードを競い相手の車を挑発して事故に追いやる若者のグループを目撃する。そのグループの中で女王然と振る舞う一人の女に、島尾は見覚えがあった。彼女の名は小森美樹といった。一年程前、島尾に運転を習いにきた娘で、驚異的な反射神経と抜群のカンを持っていた。そして、その反抗的な眼はいつもキラキラと輝いていた。

車にも運転にも興味を持てない私がこの映画を見て果たして楽しいのだろうかという不安がありましたが、それはまったく大丈夫でした。
車好きでしたら、もっともっと楽しめるでしょうね。

オープニングの首都高を走るカメラが車をガンガン抜いていくゲーム感覚のシーンからただものでない雰囲気を醸す本作。

やはり公道でのカーチェイスがこの映画の見所でしょう。
菊地雅章のフュージョン系ジャズに乗せて夜の公道を疾走する美樹(江夏夕子)と島尾(見崎清志)の車。

江夏夕子の駆る車はトヨタ200GTだそうです。ふ〜ん。
ヘッドライトが滲む中のカーチェイスの美しさ。昼間の雪の中、氷を弾き飛ばしながらスピンするショットもイメージ的に挿まれる。
あたかも会話を交わしているような2車両の映像は官能的であり、ジャズのインプロヴィゼーションを想起させます。

さて、車より女優さんの方に関心はありますので、そちらに触れます。
小森美樹(江夏夕子)は教官であった島尾に目いっぱい気があるようで、やたら突っかかる跳ねっ返りのお嬢さん。ご本人も運転の腕前は相当なものだそうで吹き替えなしでドライビング・テクニックを見せているとか。
悲惨な最期の手首はもちろん吹き替えです。綺麗な手首でした。


同じく島尾教官に運転を習いにきているキャピキャピのドジ娘が田坂都。

島尾俊也の奥さんで赤子を抱きながら、窓から不安そうに夫を見つめているのが戸部夕子。ストーリーにほとんど絡んできませんが島尾の私生活がちょっぴり覗える。

ジャズ・シンガーの笠井紀美子が島尾のライバルでレース中に事故死したレーサーの妻。
レース場で展開を見つめるショットが何度かと歌うシーンがちょっぴり。クラブで島尾と再会して挨拶をする。ただそれだけですが、そのファンキーな顔立ちがとても印象に残ります。

役者ではなかった(レーサー)見崎清志が神経質そうなクールガイを無難に(上手くと言っても良いでしょう)演じていて小森美樹のあしらいもよろしいのではないでしょうか。

当時流行のフュージョン系というのはあまり好みじゃなかったのですが、時を隔てて、映画のサントラとして聴くと、これが結構、良いかも。
菊地雅章六重奏団も出演。峰康介がソプラノサックスを吹いてます。

ヘアピンサーカス(オリジナル・サウンドトラック)

菊地雅章:piano, fender piano
菊地雅洋:organ
峰 厚介:sax
鈴木良雄:bass
日野元彦:drums
中村よしゆき:drums

銀座シネパトス

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センバツ開幕 勝手にエントリー

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あぁ、青春の甲子園

東北地方太平洋沖地震により被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
第23回高校野球〜トトカルチョ〜の開催に関しまして、協議を致しましたが、諸般の事情に鑑み、開催中止とさせて頂きます。何卒ご理解の程、お願い申しあげます。

今大会は開催の意味が例年とは違ってきているので、この措置はいたし方ない所でしょう。
楽しみが減ってしまう事は事実。
勝手にエントリーしてポイント計算する事にします。(初日登場の学校は選びませんでした)

10点 鹿児島実
9点 横浜
8点 日大三
7点 東海大相模
6点 加古川西
5点 履正社
4点 水城
3点 天理
2点 智弁和歌山
1点 大垣日大
-5点 総合技術
-10点 東北
-15点 大館鳳鳴
-20点 佐渡
優勝 鹿児島実
準優勝 天理
決勝スコア 5-1

東北、大館鳳鳴に非情のマイナスポイント(夏には東北地方に初大旗を!
さて、どうなりますでしょうか。

目標は大きく昨春の優勝者に合わせて1000ポイント!(自信まったくありません
意外とこういう時に好成績残すんだよね。もともと銭や景品がかかってるわけじゃないけど・・・

あ、そうだ。
目標1000ポイントに到達できなかった差額×10円を赤十字に寄付するってのはどうだ。
マイナスポイントも有りうるので10000円以上になる可能性もある。
その変わり1000ポイント到達したら、今回は寄付しない。また別口で考えるわ。
獲得したポイント×10円にしよう。その方が日に日に増えていく(多分。ドボンがあるけど)はずと思うし、前向きな感じで良いでしょう。
これで少しはスリルを持って楽しめる。


センバツ開幕 記事全文掲載

第83回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。東日本大震災の被災地では行方不明者の捜索が続き、多くの被災者が避難生活を送る。大会では被災者や救援、復旧に携わる人々を応援するため「がんばろう!日本」をスローガンに掲げ、12日間の試合が行われる。入場料収入の一部は義援金として被災地に送られ、球場内では募金活動も行われる。

開会式は入場行進を行わず、簡素化された。出場32校の選手たちが外野グラウンドに整列した後、場内にサイレンが鳴り、震災の犠牲者に黙とうがささげられた。編曲された、いきものがかりの「ありがとう」が流れる中、選手たちは1校ずつマウンドに向かって前進。被災地から出場する東北(宮城)などが紹介されると大きな拍手がわいた。

前年優勝校の興南(沖縄)の外間(ほかま)正伍主将(3年)による優勝旗の返還後、大会会長の朝比奈豊・毎日新聞社社長があいさつ。奥島孝康・日本高野連会長が励ましの言葉を送った後、創志学園(岡山)の野山慎介主将(2年)が選手宣誓した。

今大会は21世紀枠で選ばれた大館鳳鳴(秋田)、佐渡(新潟)、城南(徳島)を含む11校が初出場。開会式後には、香川西(香川)と日本文理(新潟)が開幕試合に臨んだ。【遠藤孝康】

◇創志学園・野山主将が選手宣誓

「私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました。今、東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです。被災地ではすべての方々が一丸となり、仲間とともに頑張っておられます。人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。私たちに今できること。それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。がんばろう、日本。生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。」

◇朝比奈豊・大会会長(毎日新聞社社長)のあいさつ

「主催者として、ぎりぎりまで論議を重ねた結果、私たちは、甲子園を目指してきた高校球児の夢を奪うことなく、被災地の皆様に思いを寄せた特別に意義のある大会として開こうと決意いたしました。選手の皆さんが、被災地の皆さんを応援する気持ちを胸に、甲子園で全力のプレーをする。その姿が、一筋の連帯の光になって被災地に、そして日本中に、届くことを強く願っております。」

◇奥島孝康・大会審判委員長(日本高野連会長)の励ましの言葉

 「『がんばろう!日本』。これが今回のセンバツ大会のスローガンです。大震災で打ちひしがれた被災地の皆さんのみならず、未曽有の大震災で自信をなくした日本中に『がんばろう』というエールを送りたいとの願いを込めました。私たちは今大会を被災者や救援に携わる皆さんを応援する大会とします。初出場校は11校。どうか君たちの初々しくも、はつらつたるプレーが被災地の皆様を元気づけますことを祈ります。

○…「東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです」。開会式で、創志学園(岡山)の野山慎介主将は、選手宣誓で震災に触れた。同校は創部1年目。野山主将を含めて選手全員が新2年生だ。18日に大役が決まった後、長沢宏行監督(57)や他の部員と一緒に文章を練った。宣誓では緊張した表情を見せず、被災地へ力強いメッセージを発信すると、スタンドから大きな拍手が湧き起こった。

○…東日本大震災で所在地が大きな被害を受けた東北(宮城)、光星学院(青森)、水城(茨城)の校名がアナウンスされると、スタンドからは大きな拍手が送られた。

地震発生後「今は野球のことは考えられない」と話していた東北の五十嵐征彦監督(35)はバックネット裏から緊張気味の選手たちを見守った。上村健人主将(3年)は「今も行方不明者を捜している人がいる。自分たちの全力プレーを見て、頑張ってほしい」と話した。

青森県八戸市の光星学院は、甲子園での応援をキャンセルし、スタンドでは関西出身選手の保護者らがエールを送った。

水城は、25日の光星学院戦に先立ち父母会の一部が甲子園に到着、選手たちを見守った。阿久津俊貴選手(3年)の父貴守(たかしゅ)さん(51)は「この場に立っているだけで感動」と感慨深げに語った。

トーナメント表

北海、23年ぶり春1勝!

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イーノ国際電話インタビュー1976

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King Crimson - Groon [Single B-Side] (1970)

引っ越し時の廃棄作業で意外と進まなかったのがカセットテープ。
もう、カセットなんか要らないやろ、と思っても捨てられないもんです。

懐かしいテープが出てきて、最近、何度も聴いている。
渋谷陽一のNHK-FM「ヤング・ジョッキー」1976年5月16日21:00〜22:00
ロバート・フリップ氏の誕生日に録音「彼はこの日30歳になりました」とメモしている。

この日のプログレシブ・ロック特集は選曲が渋く、渋谷陽一本人も悦に入っているように、なかなか良いのですよ。

国際電話インタビュー

何も35年前のインタビューを今さらほじくり返す事も無いでしょうが・・・。

イーノは最初から通訳の女性を持ち上げっぱなし。
確かに声を聞いていると彼女の英語は気持ち良い。

途中、通話が聴きづらくなって受話器をガンガン叩き出す一幕も。

渋:「今度のアナザーグリーン・ワールドは今までの物より地味な印象を受けるのですが意識的にそうしたのですか?」

通訳:「このレコードをお作りになったのが秋で、1年の間でメランコリーになる時期だったので、そういうものが多くて、他のアルバムは全部夏にお作りになったそうです。そして切れ切れの物じゃなくて続くような物を作りたかったのでこのようになったそうです。」

渋:「ひょっとすると躁鬱症かなんかだったりして・・・、ジャケットのアイデアは?」

通訳:「絵を描いてくださった方がイギリスではとっても有名な絵描きさんで、彼が16歳から18歳くらいまでの先生で、実際彼に音楽っていうものを紹介したのがこの方だったという事です。」

渋:「ロキシーを辞めた動機っていうのは?」

通訳:「とにかく実験的な物は終わってしまって、また新しい実験をしたくなったとおっしゃってます。」

渋:「今のロキシー・ミュージックについてはどう思いますか?」

司会:「今のロキシーは聴く分には良いし、レコードも聴く分には良いとおっしゃっていますね。ただ、彼自身はこういったレコードを作ってみたいという風には思わないし、音楽っていうものは最初、考えていたものとそれが実際終わってみたら違う所で終わるっていう物が良くて、ロキシーは既にそういう物ではなくなってきているという事ですね。」

渋:「あなたのレコードは日本ではポピュラーじゃない、売れてないんですけどけど、どう思いますか?」

E:「とにかく日本の事は解らないし、行った事もないし、どういうものが好きなのかも解らないけど、僕は別に好きであってくれればその方が良いけど、かまいません。」

渋(通訳に):「DJはあなたのレコード好きですと伝えてください。」

E:「ありがとう」

渋:「ロックの中の詩の役割ってのはどういう事だと思います?」

E:「僕の場合は言葉の音を大事にする。ボブ・ディランさんなんかは意味を大事にするけど、僕の場合は音を大事にしますね。」

渋:「ロバート・フリップと一緒に活動するようになったきっかけは?」

通訳:「ロバート・フリップは世界でも指折りのギタリストで、彼は何もやらないんですって、だからそのコンビネーションが面白いんじゃないかという事と、もう一つは、やっぱり一緒に音楽っていうものに拘ってみたかったという事ですね。」

渋:「キングクリムゾンの解散をどう思いますか。」

ここでテープが一旦切れてロバート・ワイヤットの歌が入っていやがる。何やってったんだ、私。
テープの片面が終わりそうになったから割愛したんだな。



クラシックや現代音楽、テープ・ミュージックに対する興味を窺ったあと・・・

渋:「日本で人気のあるプログレシブロックグループはEL&Pとかピンクフロイドとかいった昔からやっているグループなんですけど、こうしたグループについてはどう思いますか?」

E:「この二つを比べてみると全然違うっていう事です。まずEL&Pについては、まったく嫌いだという事。ピンクフロイドについても、それほどのファンじゃないが、二つの共通点には二つとも一時は良いアイデアがあったのに二つ目が出なかったって事。」

渋:「ロバートフリップという人は日本では非常に付き合いにくい人だと噂が伝わっているんですが、どうですか?」

通訳:「彼自身は別に付き合うのに何の問題もないんですけど、他のミュージシャンなんかとやるのに、彼はとっても頭のいい方だから、みんなに自分と同じようなスタンダードを要求するので、皆、やっぱり困ってるんじゃないかっていう事ですね。」

渋(通訳に):「付き合いにくいって、言ってましたね。」

渋:「今、もっとも興味のあるロック・グループは?」

通訳:「バンドの名で言うのは難しいけど、個人的にはロバート・ワイヤットさんとかデビット・ボウイさんが好きで、デビット・ボウイさんとは今度一緒にやりたいと思っているという事です。」

渋(通訳に):「予想通りのバンド名が出ましたね。(嬉しそう)・・・クラフトワークも好きだって言ってましたね。」

どっかの架空インタビューのような答が次々に返ってきます。
不躾な渋谷陽一くん。



番組で渋谷陽一が「ウインタースポーツ パート2」という曲をかけていて、これが最近の私のお気に入り。この曲名は「イヴニング・スター」の別名なんですね。

ゴングの「マンドレイク」も幻想的で良いですね。
ゴングについては当時、ほとんど聴いていなかったので、今更ながらにチェックが必要かと。

渋谷陽一

そういえばまだ月刊紙になる前のロッキング・オンを沢山持っていたのに、何処に行ったのだろう。捨てたのか!? 愚か者奴!
当時の岩谷宏の文章とか読みたいぞ。

1972年8月 渋谷陽一の個人事業として洋楽ロック批評・投稿誌「ロッキング・オン」創刊
1977年9月 「ロッキング・オン」月刊化
1982年12月 株式会社に改組
1985年10月 邦楽ロック批評誌「ロッキング・オン・ジャパン」創刊


児島玲子

唐突ですが、イーノ国際電話インタビューのカセットレーベルに使わしてもらっていた児島玲子。
ちょっと時代が違ってるのは、レーベルを後で作り変えたため。
今では釣り好きの姉さんとしてユニークな地位を確立しています。








Fripp & Eno - Evening Star - Evening Star


brian eno. baby's on fire

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安部公房 「箱男」

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箱男 (新潮文庫)安部 公房新潮社発売日:2005-05ブクログでレビューを見る»

べコボーの「箱男」を読んだ。
安部公房、読んでないものがまだまだあるから当分楽しめる。

勿論「箱男」も難解でありました。
特に語り部がいつのまにか入れ替わったりする後半の迷走ぶりには困惑。
難解でありながら、「見るもの、見られるもの」匿名性、自他関係の認識等々、その奥に表現しようとする物は容易に見え隠れする。これが安部公房作品の特徴なんだろうが、こういうのは時として鼻につくので敬遠の対象となるのだけれど、シチュエーションや展開がテーマを超越して圧倒的に面白いと、もうどうでも良くなる。
テーマという影に気をとられながらもストーリーに埋没できる感じが、とても気持ち良くって・・・
低能なのでそんな読み方しかできなくてご免なさい。

この方の実験的な態度というのが、少なくとも本作に限ればまったく厭らしくない。
安部公房が撮影した写真の挿入と短文も、厭らしくなく効果的。
なかなか、こうはいかないんじゃないの。それは筒井康隆であっても難しい。
安部公房が優れた文学者であると同時に択一したアーティストである証。

解説・平岡篤頼曰く「街に出て、面白いスナップ写真を撮ろうとカメラを向ける後ろめたさの感覚を手がかりにするといい」
なるほどと思う。
内容に関して古さはまったく感じない(というか、発表時は先に行きすぎていたんじゃないのか?)けれど、誰しもが携帯で、いつでも写真を撮れる現代。もし安部公房がこの作品をリライトしたら、どのように変化するのでしょうね。

曲がりなりにも社会と繋がりを持つ乞食や浮浪者とも違う箱男の匿名な存在。街に沢山いても都市伝説にさえならない。
これは決死の覚悟がなくては成れない存在なのだが、登場する男は箱を被る誘惑から逃げ切れない。

箱男と看護婦とその上司である後の贋箱男。
裸になる看護婦、勃起する箱男。
アパートの窓下の箱男に空気銃を放つA
ピアノを弾く女体育教師のトイレを覗く少年。
贋切手で儲ける親子。

変態的なフェティシズムも強烈に感じられる。
裸や覗きが出てくるけれど変態的フェティシズムの度合いはあれど、エロの度合いは少ない。
この作品を下敷きにポルノを作ったら、シュールで面白い物が出来るのじゃないか。登録を拒否した存在の性とは?
誰か、作れよ。勿論、失敗したら目も当てられないだろうが・・・
一般映画では物足りない。

安部公房 箱男

ほうら、ほうら、満足できないよ。

安部公房 小説を生む発想 「箱男」について 1.wmv

安部公房 小説を生む発想 「箱男」について 2.wmv

安部公房 小説を生む発想 「箱男」について 3.wmv

安部公房 小説を生む発想 「箱男」について 4.wmv

立て続けに読むほど、取り扱い易い物ではないので、少し時間を置いて、次は「密会」に行ってみよう。
「砂の女」さえも読んでいないのだから、過去に読んだものの再読も含めれば、これは当分、読む本に困らない。

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帰ってきた りったいぶつぶつ展

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bunkamuraの「帰ってきたりったいぶつぶつ展 -現代作家による立体アート-」を覗いてきました。

木彫やブロンズ彫刻、フィギュア、オブジェ、球体関節人形にいたるまで、多様に広がる立体アートを集めた展覧会です。
2009年に一度開催されているので「帰ってきた・・・」となっているのです。
鉄の作家とフィギュアの造形師による作品が一同に会する展示はなかなかユニーク。
ポストカードに使われていた作品がちょうど読書中だった「箱男」をモチーフにしていたのも個人的にはタイムリーでした。
現代の才能ある若い作家たちの作品は思った以上に惹きつける力を持った作品が多かった。

特に気になった作家を挙げると・・・


木下雅雄

金粉のヨーガ像と皮膚をひんむいた筋肉解剖図のような犬。

上原浩子
女性らしい作品。妊婦をイメージした丸みに静脈が透けるような肌。

江本創
へんな生き物。変態でしょうか。

大畑伸太郎

この人の作品は光を捉えた絵画(絵本のようなメルヘン)も含めてもっと見てみたくなります。笹サンド
http://www.yukariart-contemporary.com/jp/shintaro_ohata/

柿沼千栄

ダンボールとは違う質感の鉄ですが、哀愁の伴うユーモラスな箱男。HPによると他の作品も魅力的。

徳持耕一郎
さまざまな太さの線材を駆使して線で描く立体アート。照明が作り出す影がちゃんと絵になっている。

深木シゲミ
Bookと題した作品のグロさと対照的なフィギュア。

矢沢俊吾
その筋では有名な方なんでしょう。立派な本も出ています。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/degus/figure2/HellSeducer/index.html

向井正一

育児ロボットは幼児虐待を憂れいて発想されたとか。

野原邦彦
オヤジ顔なのに、惹かれるものがある。

他にも・・・
当然、撮影は禁止。ポストカードとかにして欲しい物が多いです。会場で実物を確認してください。

若き現代アーティストの作品に触れるのもたまには良い。

3月29日まで、渋谷bunkamuraギャラリー 入場無料

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「おしゃれ大作戦」

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「女優とモード 美の競演」

「おしゃれ大作戦」1976年 東宝 監督:古沢憲吾

「忠臣蔵」を下敷きに洋裁学院乗っ取りに抵抗する講師と生徒たちの奮闘を描くコメディ。

浅野文化ドレメ学院。父から学院を譲り受けた浅野多恵子と夫、卓郎。吉良商事の社長・吉良豪蔵は五年前に学院のピンチを救ってからは、事実上の経営者のように振舞っていた。そして、美しい浅野院長を狙い、やがては、学院をも乗っ取ろうと考えていた。国際ファッション・フェスティバルのスポンサーたちに、裏から手を廻して資金を絶ち、とうとう学院は吉良のものに……。大石由里子講師を中心に、学院の女四十七士は秘かに連判状を作り名前の下にキスマークを付け、復讐を誓った。

何の事はないコメディで取り立てて秀逸な笑いやギャグがあるわけではないけれど、当時の週刊誌グラビアを賑わしたお姉ちゃんたちがスパイ活動やらプレイガールばりに奮闘する様は観ていて懐かしくも嬉しい心持ちになるね。

大石講師の由美かおるには毅然とした美しさがあり、他に岡崎友紀、ホーン・ユキ、長谷直美、児島美ゆき、に牧れい、杉本美樹、関根世津子、本田みちこ・・・
子供の頃、沢田雅美と岡本信人の出るTVドラマがどうにも好きになれなかったが、ここでのキャラは楽しめました。

中でも児島美ゆき、ホーン・ユキ。洋服の上からですが巨乳も拝めましたし・・・。
杉本美樹がここに入り地味に仲居に扮したりしているのも面白い。
さらに、おしゃれ大作戦というだけあって、由美かおる、岡崎友紀などのファッションも楽しめる。

クライマックスでは白黒の赤穂浪士デザインのドレスで討ち入りする。

岸ゆき、伊藤一葉、など、当時の微妙な位置づけのタレントさんの出演で懐かしさも増す。

八代亜紀が大石先生の友人と言うことで実名歌手で出演。クラブで酔客の小島三児に「トルコで会ったか?」とからまれるも軽くあしらう様がカッコ良い。

八代亜紀はともかく、水前寺清子のワン・ステージって何だったんだろう。

神保町シアター

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川柳川柳の傘寿を祝う会

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日本中が大変な今だからこそ、早く寄席や落語会に行きたかったのね。
という事でこのあたりでどう?

「川柳川柳の傘寿を祝う会 憎まれジジイ世にはばかる」
お江戸日本橋亭

前座 快楽亭ブラ坊 「藪医者」
柳家小蝠 「人形買い」
元気いいぞう 
快楽亭ブラック 「道具屋 松竹編」

中入り

立川左談次 「ウィキペディア 川柳川柳」
川柳川柳 「大ガーコン」

川柳川柳師、目出度く80歳の傘寿を迎えます。
日本がまったくお祝いムードにならないこの時期、「憎まれジジイ世にはばかる」なんですと。

本来はブラック毒演会だったのでしょう。ご本人、ブラックが2席くらいで自分はゲストと思って出演依頼を受けたようですね。それが主任の一席となったわけですが、ご本人も周囲も別にどうって事はないのでしょう。

小蝠。志っ平ですね。前座時代を通じて初めて見ました。

噂の元気いいぞうをついに体験してしまった。

ぶっ飛んでる。基地外歌。
この日は赤い腹巻でバドワイザーガールスタイルで狂いまくる。歌うごとにいちいち劇場から外へ出てしまう。
戻ってくるまでの長めの間が可笑しい。
裸同然で外に出るのは心配だが、「お江戸日本橋亭なら大丈夫。誰も外を歩いていないから」とはブラック師。
「世の中狂ってる」名曲。
「共産党に入党」乳頭。この前、ブラックも歌ってた。
地震には自信をもって自ら揺れていれば大丈夫と震度5強の揺れで、また外へ出て行ってしまう。
「まぁ、生きていれば良しとする」
これなら、放送禁止曲を排除して、元気いいぞうをメジャーデビューさせようという動きも出ようというものだ。
清志郎がいなくても元気いいぞうが居るってか?
元気!いいぞういいぞう!
ネタで意外と好きだったのは、物真似芸人になる元気いいぞう。
この初体験の衝撃で全部吹っ飛んだ感。

快楽亭ブラック師
本日のお言葉は「鬼畜東電」
柏崎の原発落語会に30万で白鳥が出演!(左談次師も東海村で演ったと告白。ギャラには触れなかったけど。)
「白鳥の30万稼ぐのに1年かかる」発言に対し、「大須演芸場のワリなら30年はかかる、奴も見栄坊でいけねぇ。」とは左談次師。
「道具屋 松竹編」は前半部の与太郎脚本の皇室没落映画が聞き所。震災でますます支持率が下がった菅内閣が取った宮内庁民営化政策が原因となっている。

立川左談次師
自宅豊玉団地12階の被害が凄かったらしい。
買ったばかりの地デジがぶっ壊れたらしい。ご愁傷様。義援金をやって下さい。
我が家は1階だし、転倒防止のビスを打っておいて良かった。買って半月くらいは転倒防止策取っていなかったのだから危なかった。

本読みの左談次師だが、「天下御免の極落語」を買うのは片腹痛いという事でウィキペディア読み。

川柳川柳

「1946年 - 高等小学校卒業後父の勧めで東京に出て、さまざまな職業につく。」
・・・口減らしですね。

川柳川柳師の長講「大ガーコン」
母ちゃんが出てくる「大ガーコン」を生で見るのは初めてか・・・。
ネタに入る前に
「1959年 - 東宝「落語勉強会」メンバーに選ばれるが騒動が起き、巻き込まれる形で除名。新作落語へ転向するきっかけとなった。 」の段の真相を語ってくれる。
ガーコンの方は相変わらずの喉が健在だが、流れは少し不調気味。

そりゃ80ですからね。
まだガーコンの題名が無いころ師匠が50代の頃から聞いてるわけだ。「歌は世につれ」・・・
震災発生時は池袋の中とりでガーコンの最中だったそうです。
寄席は打ち切りとなったが、ここまできたらと最後まで演じたけど、やっぱり乗れなかったって。
大きいの2回あったよね。余震の前に終えたんでしょうか。

久しぶりに大好きな左談次師と川柳師が見れて良かった。
けど、やっぱり元気いいぞう・・・

天下御免の極落語―平成の爆笑王による“ガーコン”的自叙伝川柳 川柳彩流社発売日:2004-06ブクログでレビューを見る»

「砂糖菓子が壊れるとき」

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「文豪と女優とエロスの風景」

「砂糖菓子が壊れるとき」1967年 大映 監督:今井正

精神疾患を持つ親を抱える京子は施設を転々として過ごした過去があり人一倍幸せな家庭に憧れていた。食うにも困ってヌードモデルをしていたが、ある時映画会社の重役に見初められ「櫛」という作品に抜擢される。ヌードモデル問題を乗り切った彼女は肉体派女優として頭角を現していくが…。

曽野綾子原作で若尾文子がモンローのようなヒロインを演じた異色作。って事だけどモンローのようなじゃなくて、モンローの生涯をそのまんま日本人に置き換えたと言っても過言じゃない。
尤も、有名なるセクシー女優マリリン・モンローについては、上辺のエピソード等しか知らないので、本作を見て、激しく誤解をする事もあるだろうけど、今さらモンローについて調べる気もないし、要するにどーでもいー。

肉体派でおつむが弱く依存体質の京子役は若尾文子に合ってない。それはあの毅然とした品格漂う台詞回しによるのだと思う。
弱そうで、実は強かな女の役の時にこそ生きるんでしょうね。
まぁ、それなりに可愛くは演じていましたけど・・・

この映画は主役の若尾文子よりも脇を固める俳優の良さが目立ちます。
女優を目指した同僚で唯一の友人、後にマネージャー的存在になる原知佐子。サバサバした物言い等まさに嵌り役。原さんの魅力全開の作品です。

ジョー・ディマジオにあたる野球選手の藤巻潤。
野球選手ですがやはりダメ男でよく泣いてます。でも京子の事は本当に愛していたんですね。
ただ、彼の理想の女房からしたら、肉体派女優と結婚するのはあまりにも愚かしくないか。
これって、ジョー・ディマジオとマリリン・モンローとの真実に何処まで迫ってるのでしょう。モンローについて上辺だけしか知らないので、100%事実に忠実だと思いこむ事にします。その方が面白いから。

アーサー・ミラーに相当する田村高弘は兎も角、その妻、山岡久乃の気の強さもまた、嵌り役。

常に第三者的立場から踏み出さない記者、津川雅彦のずるさも嵌ってます。

それだけに若尾文子が、とても惜しい。
あと、短い時間に女の一生を詰め込んだ感があって忙しない。
同じ若尾文子の「氷点」の、あの潔いダイジェスト感覚に到底及ばない。

まぁ、若尾文子のセクシーファッションと原知佐子さんを堪能できたから良しです。

そう言えば、気づいたのですがマリリン・モンローの出演映画って何一つ見てないんでした。調べる気はないにしても、これはいけませんね。
ワイルダーの2本(「七年目の浮気」「お熱いのがお好き」)くらいは機会を作らなきゃ。

神保町シアター

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カズが日本に勇気をもたらすゴール

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カズが日本に勇気をもたらすゴール!
東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン! SAMURAI BLUE(日本代表) 対Jリーグ TEAM AS ONE

今朝、ニュースで見ました。
チャリティーとして最高の形になりましたね。

渾身のゴールを決めたカズ「きっと東北に届いたと思います」

ザッケローニ「カズがゴールを決めて私も嬉しい」

朝のニュースでは「私はゴールを決められるのは大嫌いだが、今日は初めて、ゴールを決められて嬉しいと感じた」なんて言ってましたね。

ビジネスブックマラソン3/12号『やめないよ』三浦知良・著

やめないよ (新潮新書)

このコラムまだ続いてるんですね。
チャリティーマッチへ向かう思い。3/25日経新聞
全文掲載

「サッカー人として/三浦知良」

「生きるための明るさを」 

このたびの大震災の被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。被害に遭われた方々にとって、この2週間が、その1分1秒が、どんなものだったかを思うと、おかけする言葉も見つかりません。

生きているとはどういうことなのだろう、サッカーをする意味とは何なのだろう。そういったことを見つめ直さずにはいられなかった日々のなか、思わず頭をよぎったのは「今のオレ、価値がないよな」ということ。

試合がなくなり、見に来る観客がいなければ、僕の存在意義もない。プロにとってお客さんがいかに大切か、改めて学んでもいる。

サッカーをやっている場合じゃないよな、と思う。震災の悲惨な現実を前にすると、サッカーが「なくてもいいもの」にみえる。

医者に食料……、必要なものから優先順位を付けていけば、スポーツは一番に要らなくなりそうだ。

でも、僕はサッカーが娯楽を超えた存在だと信じる。人間が成長する過程で、勉強と同じくらい大事なものが学べる、「あった方がいいもの」のはずだと。

未曽有の悲劇からまだ日は浅く、被災された方々はいまだにつらい日々を送っている。余裕などなく、水も食べるものもなく、家が流され、大切な人を失った心の痛みは2週間では癒やされはしない。
 
そうした人々にサッカーで力を与えられるとは思えない。むしろ逆だ。身を削る思いで必死に生きる方々、命をかけて仕事にあたるみなさんから、僕らの方が勇気をもらっているのだから。

サッカー人として何ができるだろう。サッカーを通じて人々を集め、協力の輪を広げ、「何か力になりたい」という祈りを支援金の形で届け、一日も早い復興の手助けをしたい。そこに29日の日本代表との慈善試合の意義があると思う。

こんなことを言える立場ではないけれども、いま大事なのは、これから生きていくことだ。悲しみに打ちのめされるたびに、乗り越えてきたのが僕たち人間の歴史のはずだ。とても明るく生きていける状況じゃない。

でも、何か明るい材料がなければ生きていけない。
暗さではなく、明るさを。29日のチャリティーマッチ、Jリーグ選抜の僕らはみなさんに負けぬよう、全力で、必死に、真剣にプレーすることを誓う。

(元日本代表、横浜FC)

センバツベスト8

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第83回選抜高校野球
ベスト8顔ぶれ

◎九州国際大付VS北海

加古川北VS日大三◎(8)

(5)◎履正社VS智弁和歌山◎(2)

(10)◎鹿児島実VS東海大相模◎(7)

◎は事前のベスト8予想。6勝2敗
()内数字は「勝手にあぁ、青春の甲子園」エントリー・ポイント。

例によってTV観戦一切なしでネット、ニュース、ワンセグで経過、結果を確認するのみです。

思った通り非公式でエントリーすると成績が良い。
マイナスエントリーでの失点は佐渡の-20のみで、あとは全て零封。
ドボンは天理で24点を失ったのみ。

ベスト8予想、6勝2敗とはいえ誤算が応援している古豪・北海と公立・加古川北というのも嬉しい。

調子に乗って決勝対決予想・・・

鹿児島実と九州国際大付
これで4年連続九州勢王者誕生。強いですね。

本命の日大三は神宮大会制覇のジンクスとの戦い。
希望としては北海、加古川北が勝ち上がってくれると盛り上がるので応援します。

あと3日です。
やっぱりセンバツは短いなぁ。

勝手にエントリー募金
現在の金額4,650円

「散歩する惑星」

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「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2011」

「散歩する惑星」2000年 瑞典・仏 監督:ロイ・アンダーソン
原題:SANGER FRAN ANDRA VANINGEN

とある惑星のとある場所。サラリーマンは突然理由もなくリストラされ、マジシャンはマジックに失敗して男の体を本当に切り刻み、カールは保険金欲しさに自分の家具屋に火をつける。彼の次男は精神を病んだ兄のために義姉と子供たちの面倒を見ていた。カールは結局、保険金が手に入らず落ちぶれ、やがて街全体も、不穏な空気に包まれてゆく…。

「愛しき隣人」を見て、その独特の世界観にたいそう嵌ってしまったので、同様の作品とされる本作は是非、劇場で見たかったのです。
このロイ・アンダーソンという監督、ちょっと怖いくらいだな。

シュールな不条理感に拍車をかける意味で白夜というのは重要な役割を持っていそう。
どこだかわからないこの惑星の住民たちは、先を争うように現実からの脱出を図っている。

突然リストラされるサラリーマン。
何を訴えるのか怪しい行動を伴うデモ行進。
大渋滞の道路。
わけもなく殴られる迷い人。
自ら放火した家を焼け出され、呆然と地下鉄のつり革につかまる男。
詩を作ることを忘れ、病にある息子。昔は詩を作っていた事に執拗に拘る父親。
十字架で儲けようとする人。
胴切マジックを失敗するマジシャン。
指を汽車に挟まれ往生する人。

長回しを多様してCGを使わずにアナログで作られた画面。
圧巻は脱出を試みるため空港に殺到した大荷物の人々が空港カウンターに、ゆっくりにじり寄るシーン。
だまし絵のような遠近感。
捨てられた十字架の山のシーンで亡霊どもが現れ、立ち去るシーン。
地から湧き出すように逃げさる亡霊の出るタイミングが絶妙。
この2つのシーンは必見ですな。

そんなシュールな世界が繰り広げられる中、ダブルベッド上の老カップルの情景がいくつか出てきて印象深い。
直接的な性描写は無いものの老人たちの性生活を想像させられたりして・・・。
胴切りマジックの犠牲者の小男がダブルベット上でイテテテテテと悲鳴を上げる所なんざ、解りやすい一番の笑いどころ。

もう、こういう、不条理ブラックユーモアは大好きなので、もっともっと作って!と思う。
何度も繰り返し鑑賞したくなる作品。
ただ、よくよく考えるとブラックさは不気味で背筋が凍る思いも・・・。

どこかのとある惑星?
高齢化社会、年金問題、長引く不況、じりじりとボディーブローのように現れる震災によるダメージ(尤も鑑賞したのは震災前なんですが
この閉塞感を近未来SFチックにシュールなユーモアの中で表現するだなんて・・・この監督、怖い人なんじゃないでしょうか。

「スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」は少し毛色が違う作品で、自分向きの物ではないような気がしていて、パスと決めていたのだけれど、やっぱり、ちょっと見てみたくなってきた。

渋谷 ユーロスペース

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