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「純情部隊」

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「よみがえる日本映画 --映画保存のための特別事業費による」

「純情部隊」1957年 東映 監督:マキノ雅弘

終戦間近い頃のとある兵営。力士上りの光田(力道山)、元社長の安永(進藤栄太郎)、流行歌手の谷村(ディック峰)、万才師の小島(堺駿二)の各二等兵に、安永の社員だった塩見一等兵(杉狂児)。いずれも強さより愛嬌タップリなメンバー。上官のいじめに苦しむ新兵と見習い士官宇野(東千代之介)の思いやりの中、前線出動の命令が下った途端の玉音放送。一同は五年後のクリスマス、日本橋での再会を約し懐しの我家へ戻る。五年後、それぞれに活躍の場を見つけた一堂の中にあって、宇野士官をかばうためキャバレーのサンドイッチマンを首になってしまった光田。旧友を助けようと皆は光田にプロレスラーになる事を勧める。

マキノ雅弘の職人技が光る兵隊もの。力道山と東千代之介が共演。力士上がりで除隊後に仲間の勧めでプロレスラーに転向する力道山の役どころは、現実の彼の経歴をまさしく反映したもの。当時の力道山は、「力道山物語 怒濤の男」(1955年)、「怒れ!力道山」(1956年)などに立て続けに主演した映画スターでもあった。

のらくろに代表されるよう戦争映画の中でも新兵もの(上官の新兵いじめと心を持った士官の図式)といのは面白くて。けっこう好きかも。
子供の頃テレビで見ていた「どてらい奴」でも兵隊時代が一番面白かったと記憶している。

各役者が現実職業と(進藤栄太郎の社長役も含めて)オーバ−ラップさせているのも嬉しい。
メインの5人以外でも広沢虎造が虎沢という名で良い喉を聞かせてくれるので、これなどは一見の価値ありです。

また、部屋の関取として山本麟一。関取姿がけっこう様になってます。

なんといっても気が優しくって、力持ちの力道山の純情っぷりがチャーミングでたまらない。
力道山の現役時代は街頭テレビ等の伝説としてしか知る由もないけれど、この映画のようなキャラクター作りもあっての人気だったのでしょうね。
私もいっぺんで力道山が好きになりました。

空襲で瀕死になった親方に輸血を買って出る力道山の鍛え上げた上半身。
プロレスラーに転向することになり、トレーニングに励む描写など、プロレスファンには堪らない事でしょう。

本人の意思はおかまいなく光田の身の振り方を相談する戦友には、兵隊時代に苦しめられた岩本軍曹(柔道七段を活かしてプロレスで活躍している)を何とかやっつけてやりたいという気持ちがある。
そして痛快に岩本七段をやっつけて世界へ羽ばたく事になる力道山。敗戦国日本を熱狂させるプロレスラーの誕生です。

他愛も無い作品ですが力道山の魅力に溢れた佳作ではありませんか。

京橋 フィルムセンター

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「薔薇の標的」

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「東宝ニューアクションを狙撃せよ!」

「薔薇の標的」1972年 東宝 監督:西村潔

日野昭はメキシコ・オリンピックではフリーライフルで上位入賞もした。しかし、一年前、会社の射撃部の同僚が爆発事故で死んだため昭に殺人容疑がかかり、不起訴になったものの社会的生命は抹殺されてしまった。そんな昭を新精神文化研究所々長マイク・立花という男が見つめていた。彼は暗殺者を求めていたのだ。昭をプロの暗殺者に仕上げるための訓練が始まった。やがて一人前の殺し屋となった昭は立花の命令で何人かの男を狙撃した。アメリカのニュース・カメラマン、ロバートを香港の路上で射殺したが、倒れたロバートに駈けよる美しい中国人女性、季玲玲の姿を銃のスコープの中から見た。

東宝アクション映画ということでヴィバルディの「四季」に乗せてスリリングなカーチェイス、トビー門口を迎えてのガンアクションは、まあ、良しとして・・・

まずは、加山雄三のモミアゲに唖然。
「薔薇の標的」の薔薇ってそういう意味だったのか。
岡田英二の加山雄三への愛。銃に魅せられた男というより、ほとんどホモ映画じゃないですか。

他にも加山雄三が蒸気機関車D51の走行音を録音したり、解体されていく機関車に自らの運命を重ね合わせてみたりといった鉄ヲタ的要素もふんだんにあるは、二瓶正也も働く新精神文化研究所の怪しさ(ナチ服に上半身裸の発狂した青年たち)とか、かなりトンデモ映画の要素に事欠かない珍作なんだけど・・・

全体的には上映中、眠気を我慢するのに必死でよく把握できてないのが正直なところ。
覚醒していても把握できたんだろうか?
かといって再チャレンジする機会もそうそう無いだろうな。

ヒロイン役の香港娘李玲玲(チェンチェン)はなかなか美しく良かったのですが、この方の情報は少ないですね。

銀座シネパトス

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東海大相模が11年ぶり優勝 第83回選抜高校野球

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東海大相模が11年ぶり優勝=震災の年、「記憶に残る大会」―選抜高校野球

---東日本大震災のあとに開催された大会での優勝となりました

自分たちに何ができるのかは分かりません。ただ、この大会が開催された。そこに出場させて頂いた。甲子園で野球ができる。その一途な思いで必死になってやりました。(門馬監督)

---東日本大震災の影響がある中での開催となりましたが・・・。

開催してくれた高野連の方々、開催を許してくれた被災地の方々に感謝の気持ちを持って、恩返しは精一杯やることだったので。自分たちが逆に勇気をもらってプレーすることができました。ありがとうございました。(佐藤主将)

---昨年の夏は準優勝でした

先輩たちの悔しい思いがあったので、甲子園で優勝しようとみんなで言い合ってきた。それが現実になってうれしいです。(近藤投手)



今日もワンセグ観戦でしたけど・・・
鳴り物応援なども自粛された今大会。優勝が決まった瞬間のマウンド上の歓喜も控えめでしたね。
東海大相模、打ちも打ったり、74安打、113塁打の大会新記録。
試合の模様はちらりと見ただけですが、いつでもいとも簡単にヒットを打って、得点を重ねているように見えました。
しかし、打ちまくった試合の中で準々決勝の鹿児島実戦だけはタイムリーヒット無しの2−0でした。
ここで故障上がりのエースが好投する、東海大相模の底力でしょうか。
優勝予想に挙げた鹿児島実が惜しかったですね。この試合は37年前の夏、伝説の一戦の再現カードでもありました。
当時、神奈川ということで東海大相模を応援していて(1年原辰徳もまだ糞球団に入る前でしたから)、手に汗にぎる攻防に座って見ていることもできず、部屋中、走り回って応援したもんです。
一二三も抜けての新チーム。夏春の決勝進出はあっぱれで、九州から紫紺旗を奪還いたしました。
ジンクスは打ち破れなかったものの、今年も全国制覇レベルのチームを作ってきた日大三とともに夏が楽しみです。
果たして両校、激戦の予選を勝ち抜けますでしょうか。
そして夏には初の東北地方大旗が渡る事を夢見て・・・。

一人「あぁ、青春の甲子園」は東海大相模をはじめとして、皆さん打ちまくっていただいて、10点、鹿児島実の零封ドボンがありながら711点の高得点。約束通り義援金として振込ましょう。



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Kick-Ass Music from the Motion Picture

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オーディオ環境が曲がりなりにも整ったので、また少しづつCDやレコードを購入していこうと。
毎月1枚以上を目標していたのに1月、2月は1枚も買わなかった。

3月はこちらを購入。

Kick-Ass Music from the Motion Picture

映画の内容も良かったけど、音楽がまたイカシテいましたからね。
国内盤は出ないようで、輸入CD。
映画鑑賞数日後、朝のFMでMIKA vs REDONEのテーマ曲がかかり、これは買わねば!と思い立ちました。
サントラ盤の購入は実に「PULP FICTION」以来となるな。

お馴染みのスパークス、モリコーネも勿論だが、未知の方々がこれまた良いのよ。

Invaders Must Die/THE PRODIGY

Light Me Up/THE PRETTY RECKLESS

Incredible Shrinking Dickies/THE DICKIES

Banana Splits


いっちゃん下で スクロールしてね。

キック・アス

もう一度見たくなってきました。

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「8時間の恐怖」

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「よみがえる日本映画 --映画保存のための特別事業費による」

「8時間の恐怖」1957年 日活 監督:鈴木清太郎

水害で列車が立往生した山間の小駅、足止めを食った乗客がたむろし、色々な人がごった返す待合室の傍には一本の手錠でつながれた刑事と殺人犯の森がいた。宿屋のない土地とて一同はバスで次の駅へ出ることになる。しかし行手には山崩れの峠道と八時間の暗夜の行程が待っていた。その上、出発を目前に、二千万円を奪って逃げた二人組の銀行ギャングが、この方面に立回ったという情報が入った。乗客は動揺、バスの人数は半分に減った。残った十四人を乗せバスは不安と恐怖とともに進んだが・・・。

鈴木清順が鈴木清太郎の名で撮った本格サスペンスという触れ込みでしたが、これはとんでもない喜劇仕立てでありました。そこが面白かったので当方としては問題は無いのですが、当時、会社側は激怒したそうです。
やりますねぇ、清順さん。

極限状態における人間のエゴ、本性を描くサスペンス物。意外な人物がエゴばかりでなく次第に協力しあう展開。
元軍医の殺人犯役が金子信雄。暗い過去を持ったクールな凶悪犯も居合わせた乳飲み子の生命を助ける事に勤める。
首尾良く銀行ギャングの若僧をやっつけた元パン助の女(利根はる恵)に促されて語りだす殺人犯の過去。これが、だからどうしたの?という程、同情を買うお話になってない。
それでも感銘して若いツバメ、富夫(中原啓七)を嗾ける愛人(志摩桂子)本ばかり読んでいたけどヒューマニズムな行動に出ていた富夫が思い切った行動に出てしまうのも意外な展開。

良心の代表にような学生運動家(二谷英明)ではあるけれど、終始正義でありながら、実は何の役にも立っていない役どころがとてもよろしい。
車内で「黒い瞳」を合唱させるのは迷惑千万。
「赤の歌なんか歌うな」に
「これはれっきとしたロシアの民謡です!」
「じゃぁ、やっぱり赤じゃないか」
自殺を図った後家さん(村上時枝)を助けるためずぶ濡れになったため、コートの下は女学生に借りたシミーズ1枚。

勝手な行動ばかり取る下衆なサラリーマン(柳谷寛)はキャラクター通りの行動だったか。

狭いバス車内の演劇的描写も面白い。
殺人犯が自分の記事の載った新聞を拾い上げる瞬間の後部乗客たちの様子。
会社社長夫妻(深見泰三、三鈴恵似子)のホールド・アップ。
このご夫妻は揃ってエゴの固まりだったのだけれど、やがて社長の方はヒューマニズムの本性に目覚め協力的になる。
エゴを押し通す女房様に比べて、やっぱり男はだらしない。

サスペンスの中に潜むそこはかとなく漂う笑いの根源。鈴木清順、まったくもって嬉しい問題児。

京橋 フィルムセンター

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「稲妻」

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「追悼 高峰秀子」

「稲妻」1952年 角川 監督:成瀬巳喜男

観光バスの案内嬢をする清子は、勝気で美しい娘。長姉・縫子は清子に縁談話を持ち込むが、清子は金儲けのうまい男を妹と結婚させようという姉の魂胆に腹を立てる。一方、次姉・光子の夫が急死し、光子は実家に戻るが、親族たちは光子の夫の遺産を狙う。そんな家族たちに嫌気がさした清子は、家を出てアパートを借りて隠れ住み、隣家の兄妹・周三とつぼみとの交流の中で心洗われていくのだが…。

高峰秀子がバスガイド役という事で、見ておきたかった作品。
「秀子の車掌さん」から成長した高峰秀子。
今のところ、この人に関しては若ければ若いほど価値があるという認識なので、この「稲妻」はギリギリ。
バス車両から紹介される当時の銀座八丁の様子や、路地裏を三輪車で遊ぶ子等の風景がとても魅惑的。
しかし、その後、バスガイドを活かす内容は出てきません。バスガイドである必要も無さそうです。強いてあげれば、勉強をして自立したいがままならないヒロインの性格付けに当時の花形バスガイドが合っているというくらいか。

物語はそれぞれ父の違う姉妹の話。
次から次へと問題が起こりますが何も解決することなく進んでいきます。
それぞれの性格付けと配役された女優さんの嵌りっぷりな演技が秀逸。
強欲な長女、縫子(村田知栄子)とアル中の亭主、龍三(植村謙二郎)。亭主に死なれて妾の存在を知った次女、光子(三浦光子)。ダメっぷり全開の長男、嘉助(丸山修)。しっかりしたヒロインの三女、清子(高峰秀子)。父親違いの子を次々に産んだ能天気な母親(浦辺粂子)・・・
中でも浦辺粂子が適役でベリベリー・ナイス。
縫子が清子に両国のパン屋で嫌らしくずうずうしい男、綱吉(小沢栄太郎)との縁談を持って来ている。

長女の旦那である龍三は、儲け仕事に大風呂敷を広げるが、これまた何もできず酒ばかり飲んでいる。女たちのダメさに比べて男どものダメさ加減のどうしようも無さ。これはツボに嵌ります。堪えられない。
やがて、家族に嫌気がさし、自立しようとする清子はアパートを借りて一人暮らしを始める。このアパートでは対照的に心豊かな大家、隣家のピアノ兄妹(根上淳と香川京子)との交流に心癒される清子でありますが、この隣家の兄などは完全に清子を狙っているはずなんだけど、そういう事には一切踏み込まず爽やかに描写される。

清子が気の大人しい光子と連れだって、養育費を要求する亡夫の愛人(中北千枝子)に談判にいくシーン。
愛人のアパートが見える小さな橋の風景を初めとして、東京の小さな橋がいくつか見れる。

終盤、清子の借りているアパートでの母親とのやり取り。
暴言吐きまくりで泣き崩れ、窓外に稲妻が光ると謝罪の言葉もなく、なんとなく和解する母娘。
どんなに関係性が良くできていてもあそこまで言ってしまったら、やはりキチンと謝るべきなんだそうですよ。
・・・でも理想的ですよね。
愛情や感謝や謝罪の気持ちをはっきり言葉にして相手に伝えなくてはいけないというのは面倒くさいです、やっぱり・・・。
聞いていないところで手を合わせていたら、かみさんがまだ出かけておらず
「いけねぇ、元帳を見られちゃった」って・・・
あれが理想です。照れ隠しとかっていう意味でなく、怠惰な意味でね。
それじゃ、駄目なのは解っているんですが・・・。
話が逸れました。

次女、光子の行方の心配なんかは放っておいて、不思議な幸福感を残す作品の魅力。
成瀬巳喜男作品の中で、この作品がどういう位置を占めるのかは知りませんが、こういうのは嫌いじゃない。

訃報 高峰秀子

池袋 新文芸座

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メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス DVD

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「メガシャークVSジャイアント・オクトパス」2009年 米 監督:エース・ハンナ

太古に絶滅した最大のサメと、数々の神話で恐れられる巨大なタコの二体の怪物が現代によみがえるモンスター・パニック!アラスカ沖チュトコ海にて行なわれた航空ミサイル軍の極秘実験。その影響で万年氷が崩壊し、二体の巨大生物が出現。海洋学者のエマは、それが150万年前に絶滅した最大のサメ“メガロドン”と、巨大なタコである事を突き止める。長い眠りから覚めた怪物たちは世界各地の海域で大暴れし…。

3月に渋谷シアターNでのレイト・ショー特集「アサイラム祭」を知った時は大いに興味をそそられたもんだが、地震や何やかやで(だんだん見るまでも無いかなという気持ちになり)結局1本も見に行かなかった。
TSUTAYAがタイアップのコーナーを作っていたので、レンタルぅ〜。

突っ込み所満載なのは言うまでもないが、おバカ映画という事でもう少し河崎実監督的ノリを勝手にイメージしていたけど、そんな事はなく役者さんたちもいたって真面目にシリアスな演技をしようという姿勢。
なまじ真面目なだけ情けない。

基本的に見所(?)は巨大生物にあるんだろうけど、女流海洋学者のエマとその師である元学者、それに日本人学者のシマダ3人が部屋にとじこもって、意味不明の色水化学実験を繰返すシーン。
この雰囲気が実にまったりしていて、そんな中で不眠の実験が続けらる。
エマは若くはないけど微妙な媚フェロモンを発散していてシマダと一気に盛り始めるので、もうどうでもやってよ。

このエマ役のデボラ・ギブソンは歌手デビー・ギブソンとして有名な方だそうで。こちとらは聞いた事ある名前だな、という程度の認識ですが・・・

はい、主役の巨大ご両人!
メガドロンことメガシャークちゃん、やたらに大きいわけですが、これが可愛い。
尾鰭を振って海底を潜水艦よりジェット機よりも早く泳ぐ様に萌え。
見所はジャンプ一番、ジャンボジェットを襲うシーン。
ゴールデンゲートブリッジに噛付くシーンも捨てがたいけど、残念ながらこちらは妄想シーンのような演出が施され台無し。

一方、ジャイアント・オクトパスは、その陰惨な目つきと言い、あまり可愛くありません。
さて、お待たせしました。太古から因縁の対決のゴング!
しかし、これがショボい。
それでもメガシャークちゃんを応援です。がんばれ!がんばれ!
ジャイアント・オクトパスにギリギリと胴締めを食らい苦戦です。
さて、決着は・・・。
何だか決着が付いたようには見えないんだけどなぁ・・・。

ノリノリで書いてみましたが、はっきり言うと、つまらない。まぁ、いいか。
少なくとも「巨大生物の対決を大スクリーンで見たかったな」という後悔は微塵も無いです。
と言いつつ、他の作品もレンタルしよっと。

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「劇場版神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」

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「劇場版神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」2011年 SPOTTED PRODUCTIONS 監督:入江悠

「神聖かまってちゃん」の大規模なライブまであと1週間。女子高生の美知子(二階堂ふみ)は「プロの棋士になる」という夢と、周囲の今時の高校生とのギャップに悩んでいた。ある日、彼氏に「神聖かまってちゃん」のライブに誘われるが、その日は自力で登り詰めたアマ王座決定戦・決勝戦の日で…。

昼は清掃業、夜はショーパブダンサーと朝から晩まで働くシングルマザー・かおり(森下くるみ)は、「神聖かまってちゃん」のネット配信に夢中な息子・涼太が保育園で問題を起こし、園長に呼び出されて厳重注意を受けていた。

「神聖かまってちゃん」のマネージャー・ツルギ(劔樹人)は、メジャーデビューという華々しい状況下で奔走する中、新しい上司からバンドの売り出し方について不条理な難題を押し付けられていた。

別々の場所で、様々な悩みを抱える彼らとその周囲の人々。そんな彼らのくすぶった心に、あらゆる形で「神聖かまってちゃん」の歌が着火し、それぞれの運命が一気に走り出すーーー!遠くで、近くで、すぐ側で、彼らはそれぞれの「自分らしい生き方」を見つけることができるだろうか?
______

神聖かまってちゃんの名前だけはネットをうろうろしているので知っていた。でも自分の興味の範囲外の日本インディーズバンド程度の認識でしか無かったわけです。それが偶然、この曲に出会った事によって一転。
深夜、たまたまテレビチャンネルを回していたら満島ひかりの出演している深夜ドラマに出くわす。「川の底からこんにちは」を見たばかりだったので、「おっ!」と注目。そこで彼女がカラオケで「ロックンロールが鳴り止まないっ」を歌うシーンがあったのです。

モテキ 第6話

「川の底から・・・」同様の満島ひかり、はじける役柄のカッコ良さも去る事ながら、何だこの曲は?
さっそくネットで調べましたよ。おぅ!これが噂の「神聖かまってちゃん」であったか、ってなもんです。

ライブは無理でも映画なら、という事でオジサン、見てまいりました。

異性ではあれ、森下くるみの苦悩が最も解りやすかった。ナイス演技でした。
マネージャーの劔樹人が素人ながらいい味出してました。

登場人物の会話が皆、今時流行の妙なイントネーションなのが気になったり(特に美和子のBFは張り倒したくなる嫌悪感、うちの小5とおんなじしゃべり方なのが情けない・・・、しょうがないんだろうな
美知子のリアルな女子高生通学ファッションが気にいりません。
劇中、保育園の涼太君の事が心配で心配で・・・。「ビル・ゲイツみたいになれよ」という父親の心境には到底なれません。
ネット配信とかがぜんぜん解りません。(ブログが限界)
引きこもりのための応援ソングとして広告代理店がプロモートしなくたって、充分引きこもりの応援歌になっている、という解釈がイヤ。
メンバーとマネージャーも俳優として覚束ない演技をしていますが、の子君だけはその芝居に入らず(ライブまでカウントダウンのシーンのみ登場)にいるのは上手い、って言うかズルいぞ。
みさこ君はドアノブ舐めないのか?
神聖かまってちゃん
の子君の絶叫が気になる。
の子君の狂気の表情がとても気になる。
ビートルズとセックスピストルズの並列が?(ちょうどその中間地点でロックを体験しているので)

それでも私はこのバンドとこの映画を熱烈に指示したくなる。
それまでのもたつきを振り払うライブに向かう直前のカオス。そして「ロックンロールは鳴り止まないっ」
心揺さぶる音楽の力という物を久しぶりに感じたような・・・
恥ずかしいけど、ちょっと泣きそうになった。
なんだか違う!ロックンロールは鳴りやまねぇ!
8888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888888

渋谷 シネクイント

モテキ第6話は「深夜TV版 神聖かまってちゃん」として認定したいですね。

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総天然色 ウルトラQ

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こんなの出るんですね。

いつも怪獣をTBしてくださる日子さんの記事で知りました。

総天然色 ウルトラQ

カラーライズ
最先端の映像デジタル技術を使って、モノクロ作品をカラー化する技術。日本では、2007年10月の東京国際映画祭で初公開されたレイ・ハリーハウゼンの初期3作品で話題となる。円谷プロは、世界最高のカラーライズ技術を持った米レジェンド・フィルムと業務提携を組み、水面下でHDリマスター&カラー化を進め、実に構想18年、実製作期間2年以上に及ぶプロジェクトがついに完成! ゴジラの産みの親、円谷英二が全てをかけて製作した、日本の特撮作品のマイルストーン『ウルトラQ』が、35mm ローコントラスト・ポジからのHDテレシネ、リマスター、カラーライズを行い、総天然色カラーHD作品として蘇る。

常々、ウルトラQはモノクロであるが故のリアル感、恐怖感を賞賛され続けていましたが、こういうのが出るとなると、やっぱり俄然、観てみたくなりますよね。

 

 

モノクロ通常版のウルトラQを既にコンプリートしているので、悩む、悩む。レンタルとかにはならないんじゃないかと思うし・・・。
45周年・・・
5年毎にこんな企画出されるのは困ります。

2011春季東京六大学野球 慶応VS立教

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野球の季節がやってきました。
プロ野球はどうでもいいですけど。

神宮の森、六大学野球、慶応VS立教観戦。
昨日の試合が中止となっていたのでこれが両校の開幕戦。
六大学は昔から、どうしても早慶法明を中心に観るので立教戦を観戦するのは久しぶり、というか、ひょっとして初めて?
ただ、今年の立教はなかなか台風の目となり面白そう。
斎藤裕樹が卒業して観客動員の落ち込み対策に苦慮しているようだが、混戦六大学は面白い展開が期待できそう。
竹内、福谷が昨年同様以上の活躍を見せれば一応、慶応が優勝候補だが、果たしてそう行くでしょうか。

第一試合
立教 004 000 000=4
慶応 000 002 000=2
立○小室−岡部賢=平本、慶●竹内大−菊池−白村−福谷=伊場

立教が小室、岡部賢の継投で慶応を下し、先勝。
3回に、神宮デビュー戦となる平原(帝京)の先制打を始め竹内から4本の適時打を奪う攻撃は見事。
先発の小室(日野)は6回2失点で強襲打を足に受け降番したが、リリーフした岡部賢(立教新座)が慶応の反撃を振り切った。

新チームの春、初戦、神宮デビューとなる選手も楽しみ。
甲子園組では帝京のエース、平原2年が2番ファーストで登場。
打者転向で2番に座ったが、きっちり犠打も決めていた。
昨年春夏制覇した興南ナインが多く大学野球に進学している。
我如古(興南・1年)が六回から三塁の守備に入った。

他にも竹内を救援した、慶応の菊池投手(盛岡一・2年)
菊池雄星(西武)と投げ合い、20年ぶり甲子園を阻まれた同姓投手ではないですか。
是非、活躍していただきたい選手です。

この1試合で球場を辞したが、第2試合では東大が早稲田との惜しいゲームを引き分けた。
なかなか面白そうです、今季の六大学。



本当は東都を沢山見たいんですけどね。

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「火を噴く惑星」

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「100年のロシア -ロシアからソビエトへ、ソビエトからロシアへ-」

「火を噴く惑星」1962年 ソビエト 監督:P・クルシャンツェフ
ПЛАНЕТА БУРЬ

ソ連宇宙捜査隊の宇宙船シリウス、ヴェガ、カペラ号は金星探検のため目標に接近していた。が、突如カペラ号は隕石にぶつかり、爆発消滅してしまう。ヴェルシーニン隊長はヴェガを軌道に残し、シリウス号のみが金星探査に向かうことにする。まず2人の隊員とロボットが着陸船で先に降り、シリウスに着地点を指示するものの、目標をはるかに離れた地点に不時着してしまう。予定外の事態で地球への帰還が危うくなるが、金星上ではさらなる危機が待ち受けていた..。触手の生えた肉食植物、巨大な恐竜、爬虫類風モンスターの集団襲撃!謎の女性の歌声が響く険しい荒地、海底に沈んだ町など思いもよらぬ 金星の全貌。数々の危機に遭う隊員達は無事生還できるのか!?

不思議惑星キン・ザ・ザを産んだソビエトから、また・・・。
カルト映画としての衝撃度では一歩譲るかもしれないが、そこは演技者の皆様の生真面目な演技によってついつい笑みの零れる珍作。
いや、往年のSF映画として王道とも思える。
食肉植物、爬虫類、翼手竜、首長恐竜、シリウス号やヴェガ号のロケット、水陸両用車、ロボット「ジョン」の造型なんか、なかなかイケていてSF要素の水準は十二分にクリアか。
ただし、着陸したのは金星なんですよね。金・星!!
あーもう、普通に空気があるし、雨も降る。海岸では火をおこしているし、水中には地球とそっくりのお魚さんたちがうようよ。
「地球と環境が似ているのかもしれない」ですって。
そこに生息する生物はプロントザウルスに似た恐竜だったりするので、これは「猿の惑星」パターンで時間を飛び越え地球の過去に到着してしまったという落ちがあるんじゃないかと真剣に思ったりして・・・
しかし、そんな事はなく、あくまでも金星。
いや、ただ単に乗務員たちが気付かなかったのか?

小型ゴジラのような爬虫類がピョンピョンとジャンプしながら襲ってくる所が最も受けていました。
こいつら、可愛いんですもの。クレクレタコラに登場する怪獣といった趣。

ロボット「ジョン」さんは敬語にしか反応しないという設定が、またユーモアとして生きる。
この時代の科学の限界としてロボットに多様な言語を認識させられず、一定の敬語のみしか認識させる事ができなかったという解釈になるのでしょう。それを逆手に取ったSFギャグというのは確かにあるよね。

お話の方は隊員たちがシリウスに戻ると、紅一点で通信担当のため船で待機していたマーシャが
「マニュアルでは軌道上で待機する事になっているけど、仲間を失っての燃料確保には意味がない。助けに行かなくては」と録音テープに残して姿が見えない。彼女がいなければ地球と交信する事も出来ず、ヴェガが金星に向い着陸してしまったら全員、帰る事だってできなくなる。
ここでの台詞(字幕)が振ってます。
「機転が利かない・・・」
「機転が利かないのはロボットだ、女性じゃない」

ともあれ、隊員が知的生命体の存在に関する夢想をモノローグで語ってみたり、SFとしての楽しみをサービス満点で提供しようとしている事と大真面目にシリアス演技に徹している事。それだけにクスクスと笑いたくなる、これもやっぱりソビエトカルトSFとして価値ある一本でした。

渋谷 UPLINK FACTRY

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「冷たい熱帯魚」

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「冷たい熱帯魚」2010年 日活 監督:園子温

熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。

大作「愛のむきだし」に続く園子温監督の新作。
やってくれました、園子温監督。
鑑賞後も異様な感動で興奮しております。

この作品の元となった埼玉愛犬家連続殺人事件の関根元という男はその筋の猟奇殺人愛好家(?)から絶大な人気を誇る人物のようですね。
私は当時ニュースやワイドショーを遠くから眺める程度でしかなく、オウム事件の影に隠れたこの事件は一連の殺人事件の一つでしかなく、あまり関心を示しておりませんでした。したがって知識もほとんどありません。
でも、この映画を見たからには、ちゃんと詳しく調べる必要を感じております。

愛犬家連続殺人 (角川文庫)志麻 永幸角川書店発売日:2000-09ブクログでレビューを見る»

現在、中古でえらい高値じゃないの。復刊希望!
映画化と文庫本のタイアップ流行りなのに、なぜ復刊しないの角川さん!

映画は事件を再現した実録物ではないので、実話をなぞって犯人像に迫るという性質のものではありません。
でんでん=村田が関根元にどこまで迫っているか、事件の核心に何処まで迫れているかという見方はこの際、置いといて・・・。

関根元は人間心理を読むことに長けており、ヤクザのような風体とは裏腹の、独特なユーモアと巧みな話術に引き込まれる人も多かったという。
その関根元=村田をでんでん、が・・・
でんでん、が・・・、でんでん、が・・・
あの「の・ようなもの」で志んととと枕を並べ「女の話でもしようぜ」という兄弟子役で名場面を作った、あの、でんでんが30年の時を経て進化を遂げてしまいました。
間違いなく、でんでん一世一代の名演。
人のいいおじさんから怖い人への変貌過程、その瞬間。

その圧倒的迫力でキャラクターと共に映画の進行もグイグイ押しまくってくる。この力に圧倒されます。
徹底的に押してくるので、ある意味単調になってしまっているかもしれません。
しかし、単調になった頃を見計らって、社本(吹越満)との森の中での教育的恫喝から社本の反撃。社本がある種の観念から解脱したかのようなシーンへ。
やはり、宗教的なものだとか、自己啓発セミナー的な物を感じるわけで・・・。時期的に「アンチ・クライスト」と比較されたりするけど、明快な分だけ園子温に軍配。
三池監督じゃないけど、人生をリセットしたい多くの人に感動をもたらしますよ。

作品作りにテーマみたいな事は特に考えていないという態度の監督の面目たるは、人を喰ったようなラストに現れ、私としてはもう、してやられた感いっぱいで、打ちのめされました。
ネタバレを避けたいと思いますが、社本の初めて娘に父親らしいメッセージを残せた満足気な表情に浴びせられる娘からの一言。
思わず、スタンディング・オベイション・・・いや、ちょっと席から立つ気もおきず茫然。

音楽がまた良いのです。
私の好きなマーラーの交響曲第一番「巨人」第3楽章が静かに流れ続ける。
社本が逆襲に出ても、決して印象的な第4楽章を使わない所が憎いね。

そして、この映画の肝心要の勘所−−−女優陣のエロ度も大層評判。
こちらも期待通りで充分堪能できますですよ。


村田愛子の黒沢あすかのツンデレ、社本になびいいて従順になる可愛さが堪りません。


社本妙子の神楽坂恵、口数が少ないボディコン妻です。村田に迫られる被虐の血が実にエロい。


アマゾン・ゴールドのタンクトップスタイルも可愛い社本美津子ちゃんの梶原ひかり。






アマゾンゴールド

園子温監督の最高傑作であり、近年の日本映画でも最高クラス、間違いなしです。

シネ・リーブル池袋


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岸田衿子さん死去

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人気絵本「かばくん」の童話作家、岸田衿子さん死去 82歳

岸田今日子様と姉妹という事は認識していたけれど、この訃報を知るまで妹だと思っていました。お姉さまだったんですね。

谷川俊太郎、田村隆一の元妻である事も初めて知りました。すげぇ!
詩の世界はよく解らないので勉強しなくちゃね。

写真を拝見するのも今回が初めて。
さすが、姉妹、良く似ていらっしゃる。

絵本が1冊くらいありそうなものですが、家にはありませんでした。
それだけです。







ご冥福をお祈りいたします。

ゴーゴリ 吉川 宏人・訳 「外套・鼻」

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外套・鼻 (講談社文芸文庫)ニコライ ゴーゴリ講談社発売日:1999-02ブクログでレビューを見る»

落語調に新訳された光文堂版を読んだ際、読む比べしてみようかと思いつつ時が経ち・・・。
もはや記憶もほとんどなく、読み比べにならない。
今回は表題の「外套」「鼻」ではなく未読の「狂人日記」と「ヴィイ」が目当て。
映画「妖婆 死棺の呪い」の原作、映画を観る前にゴーゴリの原作を読んでおこうという魂胆。

「ヴィイ」は民間の伝承をそのまま伝えると断りがある。
いたってオーソドックスな怪奇小説で、他のゴーゴリ作品とはちょっと趣が違うようだ。
それでも散りばめられたユーモアは健在で、特にラストの落ちのようなものはナイスですね。
ヴィイという妖怪を文章から想像するわけだが、果たして映画でどのように具現化されているのか、楽しみに。

「狂人日記」は今となっては珍しくもない、精神病院に入れられた九等官アクセンチイの日記という形式だが、面白かった。
日に日に狂っていく。何処からか狂い始めたのか、いつの間にか、気が付くともう大変な事になっている。

「外套」「鼻」の再読は無期延期って事で、一旦本棚へ・・・。

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「熟女 親子喰い」

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「熟女 親子喰い」OP映画 監督:荒木太郎
「男好きな肉体 四十路の蜜つぼ」改題
 
とあるガソリンスタンドに男好きの女・忍(浅井舞香)がやって来た。ある男を探す旅の途中だった彼女は、バイト募集中だったそこに暫く身を置く事に。熟女の色気ムンムンの忍に、店の主・網人も息子・義人も心を奪われるのに時間は掛からなかった。義人と違い下心全開の網人が怪我をすれば、セックスが大好きな忍は身体を使ってサービスする。そんな二人を横目で見ながら、義人は彼女との結婚を真剣に考えるが…。


上野オークラ劇場のブログで紹介されていた通り、オープニングからパワフル全開。
湖畔での自慰喘ぎから全裸にコート1枚の姿でコートはだけてのヒッチハイカー
ダンプの屋根上で青姦、後ろから責め立てられたかと思うと助手席で、また、大また開き自慰。
・・・と、完全に惹きつけられちゃいました。
この忍という女のキャラが凄いんです。元は普通のOLだったらしいけど、ジョーという男(結局、姿は見えない)と付き合いSEX三昧の生活に溺れ、淫乱に。消えてしまったジョーを探して街を彷徨う(当然あのコート1枚の姿ね)
親子の経営するガソリンスタンドに住み込みで働くようになるが、家事は一切できない。娘の淡島小鞠に「ろくでもない女42歳でーす」と自己紹介。
ピンクのジャンパーユニフォームにジーンズ・スタイルで仕事をする時もフェロモン出しまくり。
主の野上さんに「仕事、ちっとも覚えてくれないんだよ」と零される始末。それでもお父さんはまんざらでもなく、久々の回春SEXに預かるんですけどね・・・
そう言えば、息子の荒木太郎とは絡む事はなく、タイトルに偽りあり・・・いつもの事ですか。

途中でのガソリンスタンド常連客たちによるリリーフぶりも嫌味が無く良い。

珍しく、淡島小鞠のからみ。吉岡睦雄と2人の眼鏡カップル。処女では無いけど7年ぶりという淡島小鞠の貪欲さもナイス。

ジョーの本妻と会って、仲良く語り合うシーンで心温めようという悪い癖がちょっと顔を出すけれど、それも度合いが嫌らしくなく好感。

そして足立区愛。

ガード下を走りこんできて、ガバッとコートの前を開くシーンが何度か繰り返されます。
エンディングでは浅井舞香が開帳前にコケます。
NGシーンの編集でしょうか、作りでしょうか。タイミングが絶妙のズッコケに拍手。

全ては、熟女優浅井舞香のパワー全開のエロカッコ良さ。浅井舞香に引っ張られ、今まで見た荒木監督作品の中では最も面白かったよ。
登場しないジョーと忍の物語はシリーズ化しても良いくらい。

上野オークラ劇場

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「ぼくのエリ 200歳の少女」

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「ぼくのエリ 200歳の少女」 2008年 瑞典 監督:トーマス・アルレッドソン
原題:LAT DEN RATTE KOMMA IN/LET THE RIGHT ONE IN

ストックホルム郊外で母親と暮らす12歳のオスカー(カーレ・ヘーデブラント)は、学校で同級生にいじめられていた。ある晩、彼はアパートの隣の部屋に引っ越して来たエリ(リーナ・レアンデション)という少女と出会う。同じころ、近くの街では青年が逆さづりにされてノドを切り裂かれ、血を抜き取られるという残忍な殺人事件が起きる。

北欧を舞台にしてヴァンパイヤー・ムービーの基本を踏まえた、少年少女の甘酸っぱい初恋ストーリー。
ヴァンパイヤーは良いのだけれど、ローティーンの恋っていうのが苦手で・・・
そもそも、主役のぼく(オスカー:コーレ・ヘーデブラント)君が透き通るような白い肌と美しいブロンドを持つ、美少年。
情報不十分だった私はチラシのコーレ・ヘーデブラント君がエリだと思い込んでしまったほどです。
作中にあるようにいじめられっこです。いじめられキャラとしては十二分以上。いじめっ子の気持ちも少しは解るというもの。

対するエリ(リーナ・レアンデション)は黒髪のエキゾチックな顔立ちの女の子。オスカーとのコントラストという意味でこの子でいいんでしょうけど。もちっと可愛い子が良かったなぁ、なんて思いつつ・・・基本、美少年には興味無いので。
12歳くらいだけれど、ヴァンパイヤー年齢は200歳で、血に飢えてしまうと若く作った肉体が老醜を晒すという役には合っているのでしょう。
実際この娘、顔面に血が滲み出すホラー・シーンになるほどに魅力的に見えますから。



北欧の美しい風景や、カメラの使い方の懲り様でもって独特の雰囲気を醸成しています。
ただ、わざと焦点をはずした効果などは多用しすぎで、見ていて、少しイラつきます。
これも全て、オスカー君に対するイラつきから来るのでしょうか。

スプラッターシーンも控えめ。
水中での虐殺シーンの表現方法などは巧みで面白い。

物語はヴァンパイヤー物としての約束事に沿っており優れていると思うので原作の「モールス」に関心を持ちます。

エリの庇護者であり恋人(世間的にはエリの父親)の献身的な転落死。
新しい庇護者を求めるエリ。
エリと接触することにより、うじうじしていた少年が少しずつ大人へ成長し、エリに対する恋情により、彼が選んだ道。
恋人=庇護者となる事。やがて庇護者であるオスカーだけが年をとり、転落死したエリの父親と同様の運命をたどる。
エリを入れた木箱とともにモールス信号で会話を交わしながら汽車で旅立つラストの暗示がゾッとします。

MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)MORSE〈下〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)
MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)
MORSE〈下〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)

早稲田松竹

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「妖婆 死棺の呪い」

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「100年のロシア -ロシアからソビエトへ ソビエトからロシアへ-」

「妖婆 死棺の呪い」1967年 ロシア 監督:アレクサンドル・プトゥシコ
原題:ВИЙ

中世ロシア、古都キエフのブラッキー修道院の庭に神学生たちの荘重な讃美歌が流れる。まもなく、クリスマス休暇がはじまろうとしている。神学生で寄宿生の一人、ホマー・ブルート(レオニード・クラヴレフ)は、故郷へと向かった。仲間二人と共に、ステップでやっと見つけた小屋に宿を求めたその夜、老婆(ニコライ・クトゥーゾフ)が彼に寄って来て彼の背に飛び乗った。一度舞い上がり、再び大地に足が着いた時、打ちのめした筈の老婆は、美しい娘(ナターリヤ・ワルレイ)に変わっていた・・・。

「100年のロシア」で上映されるのを知って、かねてより読みたかったゴーゴリの原作を慌てて読んだわけです。
出来ることなら読んでから見る派、もしくは、読んだだけで見ない派。と決めているもので・・・
しかし、これは仮に先に映画を見ちゃっても大きな問題は無かったか。
予習して行ったという意味では、予習の甲斐はあり、楽しめた。
http://blog.goo.ne.jp/imapon1960/e/f744c00146e0cf8b07f47d0c4da8c848

ニコライ・ゴーゴリは民間の伝承をそのまま伝える形で「ヴィイ」を書いた。そしてプトゥシンコもまたゴーゴリの原作に忠実に映画にしたってわけですから・・・

オカルト映画の古典として基本的な所をしっかり抑えているのは当然として、その色彩や特撮によって婆ぁがホマーの肩に乗って空を駆ける場面などのファンタジー感覚はとても好印象。

婆ぁがホマーに迫ってくる場面で、訳本にあった「婆さん、年を考えなよ」という一言が字幕スーパーで発見されないじゃないですか。
原作では笑えるポイントとして良い一言だと思っておったのですが・・・

あと、ついでに言えばホマーの友人の手癖の悪さの描写がさりげなさ過ぎて解りにくい。
実は落ちに向かって重要な要素なんだけど、映画ではそういう扱い方になっておらず、惜しく残念感が残ってしまう。

老婆が若くて美しい娘にすり替わって(本当にナターリヤ・ワルレイの美貌は見惚れちゃいます。)ホマーによる三日三晩の除霊、魔女に呼び出されたフリークスどもとの戦い。
床に必死にチョークで円を描き、結界を形成するのだけど、フリーハンドにしては綺麗な円を描くので、変に感心。
その結界の周りを棺に乗って宙から攻撃してくる美しい魔女ってのは怖いね。

フリークス妖怪がモノトーンで表現されていたり視覚効果も魅力的。
そしていよいよ真打。ヴィイの登場。
原作で思い描いたイメージと少し違う感じだったが文句は言うまい。まぶたはもっと長く垂れ下がっていても良さそう。

ロシアカルト映画として、怖いながらも見ていて幸福感も味わえる不思議な感覚。
邦題によってB級感が増幅されていますね。
でも、やっぱり原作の落ちが秀逸なので、そこも忠実にやってもらいたかったなぁ。

渋谷 UPLINK FACTRY

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「花実のない森」

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名画座サスペンス劇場 第2幕「松本清張特選映画集」

「花実のない森」1965年 大映 監督:富本壮吉

車のセールスの梅木(園井啓介)は、偶然車に同乗させた美しい女性みゆき(若尾文子)の事が気にかかり、身辺を調べる。みゆきは楠尾産業社長楠尾英通(田村高広)の妹であり、下半身不随の豪商の妻だと判るが、浜田という男(船越英二)もみゆきの周囲を探っていた。やがて、みゆきの身辺で次々と人が死にはじめる。

例によってボリュウムあるアップの髪形と落ち着いた口調で美しい女、みゆきを演じる若尾文子。
自由を求める謎めいたご婦人の事が少しづつ解ってくるのだが、何だか腑に落ちない。
義兄の楠尾英通に辱められる18歳のシーンも、格調を保つ口調で色っぽく・・・
愛していた村岡(仲村隆)に抱きすくめられ「あなたも普通の男ね」と嗜めようとする・・・
楠尾という姓が「糞、糞」と聞こえてしまうので、そんな若尾文子が「糞、糞」と連発する映画でもある。

騙されて江藤に嫁いだみゆきは、復讐のために上京しては刺激を求める旅行者になったというのだけれど・・・
兄の葬儀を読経なしで音楽とシャンパンの誕生日パーティーのようにして取り行ったり・・・
パーティーの後に5人の男を残して、どんな趣向があるのかと思ったら、単にあっさり別れ話・・・
心配になった梅木が山口へ向かって江藤と対面したら、あら、びっくり。
そりゃそうだ、船越英二があれで終わるわけないし、いったいどうなったんだと思っていたら、そうきましたか。
船越英二の偏愛に狂う役柄は鬼気迫りますね。

花実のない森に迷いこんだ梅木・園井啓介は意外とあっさりしていて、結局一歩踏み込みきれない役が合っていましょうか。
フィアンセの江波杏子を糞家、じゃない楠尾家にスパイとして侵入させたり、ずいぶんな事もします。
この江波杏子が意外な事に若尾文子との対比で清純そうに見え、けっこう良ございました。

銀座シネパトス

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ジョー・パス特集

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1976年4月22日放送 NHK-FM FMコンサート「ジャズ・フラッシュ」DJ:本田俊夫

引っ越し整理の際に発見されたカセット・テープ。
最近、夜中にこればっかり聴いてます。

ザ・ピンク・パンサー/
ヌアージ/
ミルト・ジャクソン、ジョー・パス、レイ・ブラウン

ヌアージ/
ジョー・パス・カルテット

ヌアージ/
ジョー・パス・ソロ

ハニー・サックル・ローズ/
オスカー・ピーターソン&ジョー・パス

ラブ・フォー・セール/
ジョー・パス&ハーブ・エリス

その手はないよ/
ラッシュ・ライフ/
エラ・フィッツジェラルド&ジョー・パス

ハウ・ハイ・ザ・ムーン/
チェロキー/
ジョー・パス・ソロ

また、テープの残り時間を気にして、途中のおしゃべりとか適当に省略している。
この頃はラッパを中心にジャズを聴き始めた頃で、ジャズ・ギターにはあまり興味がなかったのだけれど、この放送で一気に気に入ってしまったのを憶えている。しかし、このテープがあるために、かえってレコードやCD購入には至らなかった。
とても大人の雰囲気で憧れたものです。でも、、まだお酒も飲めない年のガキが聴くにはあまりに背伸びしている感も・・・。

この日の本田俊夫はジャンゴ作曲の「ヌアージ(雲)」という曲を立て続けにかけて聴き比べをさせている。
この曲が良いのですよ。ヴィブラフォンとの共演、ソロ、そしてジョン・ピサロとのギター2本によるジョー・パス・カルテット。
何しろ、ジョー・パスさんがジャズ・ギターをやるきっかけとなった名曲なんですから。

Big 3Milt Jackson,Joe Pass,Ray BrownOjc発売日:1994-04-30ブクログでレビューを見る»

CDをamazonに注文!できればアナログLPで欲しいのだけれど・・・。


ヌアージ〜雲

ヌアージをタイトルに使っているこれが一番欲しいところ。現在は容易に入手できない模様。
気長に探しましょう。

LA SALLE PLEYELOscar Peterson with Joe PassPablo発売日:1997-02-04ブクログでレビューを見る»

オスカー・ピーターソンはあまり聴かないので・・・
夜中の渋い雰囲気の中に突然陽気なオスカー・ピーターソンのピアノが割りこんできた感じ。喧しい。
ジョー・パスも負けじと大熱演で弾きまくるのは聴き応え充分なれど、やはり他の選曲とのバランスが良くない。
テープが終わりそうになってフェイド・アウトしている。マメだなぁ。

トゥー・フォー・ザ・ロードハーブ・エリス&ジョー・パスビクターエンタテインメント発売日:2002-01-23ブクログでレビューを見る»

このギターデュオ凄いです。
身悶えます。夜中にウイスキー・ロックを舐めながら聴いていたい。
ギタリストが2人集まったら多分、こんな具合にやるんじゃないかって事を全部盛り込んだような演奏とは本田氏談。
紹介前にレコードに傷がありますとお断りを入れている。アナログの時代だなぁ。
なんじゃ、現在、中古でメチャ高いでないの・・・・。
気長に探しましょう。

テイク・ラヴ・イージーエラ・フィッツジェラルド&ジョー・パス,エラ・フィッツジェラルドビクターエンタテインメント発売日:2005-03-24ブクログでレビューを見る»

エラおばさんとは2曲。
ジョー・パスは他のアーティストとのデュオが光る。
ギター・テクだけじゃなくて、相手の良いところを引き出すテクニックに長けている。

バーチュオーゾジョー・パスユニバーサル ミュージック クラシック発売日:2007-09-19ブクログでレビューを見る»

こちらが唯一CD所有の名盤。
この人はやっぱりテクニックが半端じゃないですよね。ソロになるといささか、これ見よがしに弾きまくるのがちょっと困っってしまう所です。

早速ディスク・ユニオンでLPエサ箱漁りに行きましたよ。
まずはジャンゴ・ラインハルトに捧げた名盤「フォー・ジャンゴ」を購入。400円也。

この放送当時、ジョー・パスが世に出て10年くらいだったようです。新進気鋭のイメージがあったみたい。
でも、ジム・ホールよりも年上なんですよね。
世に出るのが遅れたのは、例によって麻薬禍です。

今後はニールス・ペデルセンとの超絶テクニック合戦というのも聴いてみたいところです。

やはりカセット・テープはレコードを録音した物よりもラジオ録音ですね。捨てるわけにはいかないじゃないの。

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スーちゃん

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元「キャンディーズ」の田中好子さん死去

中高生の頃、石丸電機でE・クラプトンやK・クリムゾンのLPを買ってポイントを貯めちゃあ、アイドルのシングル盤を入手していた。
桜田淳子の次に多いのがキャンディーズ。
スーちゃんが好きだったわけじゃないし、ランちゃんが好きだったわけじゃないし、ミキちゃんが好きだったわけじゃないんですけどね。
キャンディーズは好きだったんでしょう。

彼女がセンターだった頃のも2枚ありました。

久しぶりに針を落としてみました。


歌詞を見ると
ぐるぐる危ない土曜日〜
ずーっと、くるくる(回る?来る来る)だと思ってました。


なんも言わずに熱い紅茶で乾杯しましょう

乳癌の闘病20年って、そりゃ大変だったでしょう。
癌と付き合いながらの女優業だったんですね。

ご冥福をお祈りいたします。

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