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「エクソダス:神と王」

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「エクソダス:神と王」2014年 米 監督:リドリー・スコット

紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス(ジョエル・エドガートン)とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。

十戒のリメイクという事だけれど、そういうふうに観ない方が良い。
スペクタクル史劇として観るよりもディザスター・フィルムとして面白く観ればそれで良い。
現代のCG技術を総動員、あらんかぎりの大サービス。

リドリー・スコットの解釈は興味深く、面白いのだけれど・・・。
エジプトを次から次へと襲う惨事に神の仕業だけで終わらせない理由つけをしようとしたり。
エジプトの子供が一夜に命を落とすのだけは神業でしたね。ていうか魔女の仕業みたい・・・「ワルプルギスの夜」だね。
子供の姿をした神様(神の使者?)が単に復讐に燃えて、神の憎しみが表出してくる神の描き方も興味深い。



でも、スクリーンから感じられるのは「ウヒャーすご~い・・・」ただ、それだけ。
クリスチャン・ベイルのモーゼの人物像が、立ち上がって来ない。
セシル・B・デミルの「十戒」で予習しておいたので補えたけれど。どうしても差を感じてしまう。
モーゼの賢人ぶりをあまり描いてくれない。

注目の紅海のシーン。えっ!引き潮・・・。
その割に潮の戻りが大迫力で凄まじい。


最も、納得の行くのは十戒をモーゼ自ら石板に刻んでいたって所。なるほど40日間、山から降りれないわけだ。
その40日間の間に辛抱堪らなくなった民が偶像崇拝に走ってドンチャカ騒ぎする所が好きだったんだけどな。

とびっきりというわけでは無いけれど、古代の砂漠に登場する美女たちに関してはリドリー・スコットのもセシル・B・デミルのも、それなりに目の保養になって良いです。
美女は今回の方が民族的なリアル感があるね。えきぞ!



ユナイテッドシネマ浦和

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「恋狂い」

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「加藤彰 たゆたう愛」

「恋狂い」1971年 日活 監督:加藤彰

航海士の矢島は四十日間の船旅を終えて、新妻火奈子と会えるのを心待ちにしていたが、火奈子の姿は部屋から消え失せていた。一体何があったのか。映画は愛しい夫を待ちわびすぎて、精神が混乱をきたしていく女の性の彷徨と、失踪した妻を探す男の狂おしいフーガを描く。

加藤彰ロマンポルノ第1作。
人妻・白川和子を堪能できる74分。白川版ゴーン・ガール(気になる話題作、見てないけど取り入れちゃう)

やっぱりこの方、良いですよ。
決して美人じゃないんだけれど、あの鼻、鼻孔、こわそうな髪質、当時の派手つけ睫毛、に腋毛まで。ミニスカートでもパンタロンでも。
そして今回はとにかく寡黙なのが良い。

長い亭主の留守で悶える若妻、ベッドのヘリに股間押し付けの自慰からバスでの痴漢目撃。もんもんとした所でブルーカラーの肉体に見惚れフラフラ・・・・、ダンプの運ちゃんとの情事があれば3Pもあり、SMっぽいのもあり、謎の美女、左京未知子とのレズシーン。ここで登場するTATOO男には激しく拒絶反応。いつでも物欲しげな人妻では飽き足らず、いやがるところを無理やりというシチュエーションも入れとかないとね。と、言ったあたりか。
まさにフルコースの大サービスぶり。
それにしても左京さんとTATTO男は何だったのでしょう?随分思わせぶりな登場の仕方で期待したのに・・・???
姉の葵三津子も脱ぎ要員として高レベル。

「恋狂い」というのは若妻の白川和子側と思っていたらそうではなく、航海士の亭主の方のようでした。新婚さんが離ればなれの四十日間の後悔を終えようとして、もう「考えただけで震えが来る」と言ってましたからね。ビンビン状態で帰ったら愛妻が居ないんですから・・・。捜索するうちうに良くない噂を耳にし、こちらも精神がおかしくなっていく。哀れです。

終始鳴っているBGMはいかにも昭和メロドラマ風。そこへ突然、浅川マキの「夜が明けたら」・・・
白川和子さん、少し口ずさんでましたよね。

久々にラピュタ通いになりそう。切れていた会員の更新をする。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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LES PAUL 「NOLA」

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昨年11月に取り上げたBUCKY PIZZARELLIのCD
ラグタイム「NOLA」がどしても聴きたくなって・・・
中古レコード回って観たけれどアナログでそれぞれ入手するのは困難なようなので2in1のCDを注文。海外からやっとこさ届きました。
もう、今年はズーッとMarc RibotやSonny Sharrockなんていう刺激の強いのばかり聴いていましたから、その対極。

やっぱりNOLAが良いです。
BUCKYのラグタイム。なんと可愛らしい曲なんでしょう。

誰もYOU TUBEにUPしてくれてませんので、ここで紹介できないのが残念です。

ピアノとギターでのNOLAを少し・・・

Russell Wilson- Nola - Felix Arndt

Richard Dowling playing Nola

Liberace "Nola" on 1950 Zenith Television

Les Paul - Nola (1950)

コテコテのLES PAULのも良いですけど、BUCKY PIZZARELLIのはラグタイム・ギターよりもう少し優しい音色。

BUCKY PIZZARELLI
GREEN GUITAR BLUES/THE CAFE PIERRE TRIO


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「幽霊列車」

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「KIHACHI OKAMOTO RETROSPECTIVE 岡本喜八監督特集」

「幽霊列車」1978年 テレビ朝日 監督:岡本喜八

赤川次郎のデビュー作を映像化したミステリードラマ。温泉地で列車に乗った7人の客が突如消失。警部と女子大生が事件の謎を追う。田中邦衛演じるアクの強い中年警部、喜八常連メンバーの演じる胡散臭い村の衆が楽しい。浅茅陽子のサービスショットも!

シネマヴェーラの特集はこういうテレビドラマも入れてくる処が憎いね。
テレビドラマを劇場で観てどーしよーってんだけど、貴重だから嬉しい。{/kaeru_en3/

本作を見て、今まですっかり忘却の彼方に捨て置かれていたけれど、自分は当時、浅茅陽子という人がかなり好きだった事を思い出した。
カミングアウト!
どのくらい好きだったのかというと、私はNHK朝の連続ドラマというものをまずは観ないのだけれど、その中で見ていたのは「雲のじゅうたん」「満天」「あまちゃん」の3作品のみ。後ろの2本は年末だかの総集編で観たわけだから事実上唯一観ていたのがヘバちゃんの「雲のじゅうたん」って事になる。勿論、毎日欠かさず観ていたわけでは無かったと思うが・・・。浅茅陽子を見るのを楽しみしていたんだっけ。今、思うと何故だろう・・・・ではあるが。

そんでもってこのドラマ、岡本喜八のユーモアが実に楽しいのだけれど、浅茅陽子のサービスショットに尽きる。
チラシ紹介文から期待はしていたけれど、ホンマ、素晴らしいよ。
入浴シーンを田中邦衛が間違って覗いてしまい、見事にポロリ。ええ乳です。
なるほどサービスショットだと喜んでいると、このシーンが田中邦衛による回想で3度も繰り返し登場する大サービス。
笑えるのは橋の下から列車を見上げての検分、「乗客の上半身しか見えなかったでしょ、下半身は見てないでしょ」に思わず回想・・・

事件解決後はこの女子大生がいきなり脱いで中年警部の布団に潜り込む。バックショット・サービスまで。
浅茅陽子という役者はあっけらかんとした奔放さが売りだったけれど、ここまでとは。
当時、このテレビドラマを見ていたら、見終わった後に視聴者であるこちらが何度も回想して、きっとナニしたに違いない。

浅茅さんの話ばかりになってしまいましたが、殿山泰司、内田朝雄、天本英世、桑山正一、山本麟一らの俳句会の面々がいい味だしてます。これに加えて駅長の信欣三。

山本麟一がくじ引きの結果、拘束された浅茅耀子を絞め殺す役となったが、ビビッて殺せない。
では、犯してしまおうと作戦変更となった途端にハッスル。

いくら田舎の温泉街だからと言って元校長や村長まで居ながら、法律知らなすぎだろ!という突っ込み所は赤川次郎作だし、浅茅陽子の健闘に免じて許す。

それにしても何で浅茅陽子、好きだったんだろ。

シネマヴェーラ渋谷

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「マシンガン・ツアー ~リトアニア強奪避航~」

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「未体験ゾーンの映画たち2015」

「マシンガン・ツアー ~リトアニア強奪避航~」2014年 英・リトアニア 監督:エミリス・ベリビス
REDIRECTED

ロンドンから東欧の田舎町にたどり着いた強盗4人組が次々とトラブルに巻き込まれていく姿を描いたクライムコメディ。借金で追い詰められたジョンは、友人のベンやティム、マイケルと共に、マフィアから100万ポンドもの大金と指輪を奪うことに成功する。そしてロンドンからマレーシアへ向けて高飛びしようとするが、乗っていた飛行機が火山の大噴火の影響で東欧の田舎町に緊急着陸してしまう。見知らぬ土地で足止めされることになった4人は、地元の売春婦や密輸ブローカー、汚職警官らを相手に次々と騒動を起こしていく。さらにロンドンのマフィアたちも4人を追ってやって来て、彼らは最悪の状況へと追い込まれていく。

バイオレンスの巧妙な連鎖とちょっと抜けてる登場人物たちが繰り広げる展開は面白いはずだし、好みのはず。
連鎖は良く出来ていると思うし、笑えないという事は無いんだけれども、その笑いは何故か冷えてるなぁ。冷笑・・・、何故なんでしょう?

美人局に会い、劇中ずうっとヒーター抱えて全裸で逃走してる奴(ちょいジョージ・クルーニー似)とか、知らないうちに背中に卑猥な落書き的刺青を入れられていたりという視覚的に解りやすいギャグもあるけれど意味不明。





英国女王近衛兵であるマイケルが計画に巻き込まれ、婚約者から何度も電話が入るけれど、かかる度に状況が悪化していくっていうのは面白い。

そもそもリトアニアである。
リトアニアに関して知識・情報がほとんど無い状態だったので、リトアニアといのはああいうとんでもない国だという認識をしっかりと持たせてもらった。これはもう全面的に信じてそういう風に思いこんでしまう事で正解でしょう。
ちなみに監督さんはリトアニア系。

泥棒、マフィア、売春婦、美人局、密輸入ブローカー、インチキ司祭にインチキ救急隊、汚職警官・・・・
東欧ジョーク集オンパレード?

ただ、リトアニアって東欧なのか?という素朴な疑問。
WIKIによると・・・

冷戦時代、ソビエト連邦に属したため、政治的に東欧に含められたが、地理的また文化的にも、東欧とは異なる。国際連合統計局の分類では、北欧に含まれる。また、日本の外務省欧州局では、西欧課の管轄である。

地理的にも文化的にもややこしいのであります。

結婚式を挙げるリトアニアの密輸入ボス一味、マラドーナ似の暴れん坊がいたりオモロイ。



巧妙な連鎖にラスト展開に大いに期待を持たせておいて、ラストの落ちが弱い。というかヘボい。
なんだかとても残念な感じになってしまいました。

本来なら、「こういうの大好き!」と興奮しかねない内容のはずなんだけれどなぁ・・・あくまで冷ややか。



ヒューマントラスト・シネマ 渋谷

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「オーメン」 Blu-ray

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「オーメン」1976年 米 監督:リチャード・ドナー

アメリカ人外交官であるロバート・ソーンはローマの産院にて、死産した我が子の代わりに、同時刻に誕生した孤児である男子を養子として引き取り、ダミアンと名付ける。ほどなくして駐英大使に任命され、その後も公私共に順風満帆な生活を送るロバート。しかし、乳母の異常な自殺を境に、ダミアンの周囲で奇妙な出来事が続発。疑惑を持ったロバートは調査を開始、ついにダミアンの恐るべき正体を知る。

ホラーの古典的名作「オーメン」を初めて観る。
思った以上に地味だし、怖さもホラーとしてはおとなしめな感じ。ところが詰らないかといえば、これがけっこう面白くて引きこまれ一気に見れちゃった。
よくよく考えてみると、地味だから怖くないと錯覚していただけで、実はとても怖い。怖いというか厭~な感じ。





殺人犯罪の中でも一番恐ろしいと思うのは狂信ですから。
これはどう考えたって狂信。あの串刺し神父は、どうしたっておかしいもんね。
ダミアンが悪魔の子というのは観賞側の共通認識なんだけど、普通に考えれば周囲の大人たちの狂信です。
それはさておき、ダミアンの幼さは「悪魔の子」として不気味さを充分に発揮している。何も意思していないし、悪魔として自覚していない。周りで何か異常な事がおきているだけでキリンまで逃げ出す。この怖さの感覚は、大変好もしい処です。

そしてこの作品が古典的(と言ったって70年代だけど)名作である事が良く実感できました。話には聞いていたけれど後世の多くの作家がリスペクトを持って影響されているわけですね。昨年劇場で久しぶりに観た大林監督のTVドラマ「可愛い悪魔」なんかも完全にその類だったのですね。

邸の2階からダミアンの三輪車に接触して母親が転落していくシーン。
あそこでのダミアンのとまどったような表情。本作を象徴していますね。

そして、ラストのダミアンの表情が出色です。



地味な中にあって、悪魔の下僕である二番目の乳母、ベイロック夫人の怖さ、ロバートとの格闘シーンはエグかったですね。
アカデミーを獲った讃美歌みたいな合唱曲が不穏さを増幅させ効果的なのは言うまでもありません。

今時のホラーのエグさ、グロさのイメージで観るから地味と思えるのであって、ホラーというジャンルを解いてしまえば、むしろこちらの方が好みかもしれません。
続編も続けざまに観たくなってるんですけど、どうでしょう。少なくとも2と3は行かねば。


地味な中にあって健闘しているカメラマンの首。
しかし、本作の魅力はこのようなスプラッター表現にあるわけでは無いと思うのです。



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「道」

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「道」1954年 伊 監督:フェデリコ・フェリーニ
La Strada

頭の弱いジェルソミーナは、夫ザンパノの女と酒、暴力三昧の生活で自信を失い、何度も彼のもとから逃げようとする。そんな時、ある青年に出会う。ジェルソミーナは彼によって勇気づけられ、夫と生きていくことを決心する。しかし、ザンパノが青年を殺してしまったことから、事態は変わっていく…。

このフェリーニの名画を観賞するのは30年ぶりぐらいだろうか・・・
フェリーニ初体験がこの作品。一般的には初体験としての選択は間違いのないところなんだろうけど。
私はダメでした。このためフェリーニ作品へ興味を持つのが遅れてしまったほど。

久しぶりに観ると、なるほど確かに名画であることは理解できる。
でも、やっぱり、おつむのちょっと弱いジェルソミーナを演じるジュリエット・マシーナの無声映画っぽい演技がどうもいけない。
まるでハーポ・マルクスじゃないのさ。ハーポは大好きだけどジェルソミーナは嫌。ただそれだけ。

綱渡りの奇人から勇気付けられ自分の価値をちょっと信じてみるジェルソミーナは悪くないんだけれどねぇ。

粗暴なザンパノの怪力男芸。
大道芸やサーカスの世界はフェリーニに欠かせない要素。

ニーノ・ロータの曲は間違いなく名曲。
洗濯物を干しながらついつい口ずさんでしまうほど、心に沁みる曲。劇中での作曲者は綱渡りの奇人。ミニヴァイオリンで奏でる旋律にジェルソミーナのトロンボーン。

Nino Rota 映画「道」 La Strada ~ Gelsomina

久しぶりに観て、そんなに悪く言うこたぁ無いようにも思ったけれど・・・
フェリーニ作品では最もストーリーを追いやすい作品なのに、一番好きじゃない作品である事には変わりなかった。







早稲田松竹

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第87回選抜高校野球 組合せ決まる

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<選抜高校野球>龍大平安vs浦学 会場どよめく覇者の争い

13日決まった第87回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の組み合わせでは、史上3校目の春連覇を狙う龍谷大平安(京都)が浦和学院(埼玉)と、史上5校目の夏春連覇を目指す大阪桐蔭(大阪)が東海大菅生(東京)と、それぞれ強豪とぶつかる。部史が100年を超す伝統校対決などカードが次々と決まり、主将たちは表情を引き締めた。【センバツ取材班】
毎日新聞

今大会の顔ぶれ、古豪好きにとっては大変楽しみな大会となっております。
高野連の選考委員が古豪贔屓であるという批判もあるけど、こちとら大歓迎ですから。
抽選前から夢の決勝カード、龍谷大平安VS県岐阜商とか静岡VS松商学園とか、桐蔭VS松山東とか、ありえんだろうとは思いつつ妄想に耽るのもまた楽しや。県岐阜商VS大阪桐蔭、桐蔭VS大阪桐蔭なんていう新旧強豪対決なんてのも面白い。

とにかく応援するのは、昨年に続き龍谷大平安、総合力で小粒になった感あるものの、左腕高橋投手の成長も楽しみ。
今大会注目のこちらも高橋投手を擁する県岐阜商、それに静岡、松商学園、桐蔭、松山東に熱視線。ただ今回の21世紀枠の実力はどうでしょう。出るからには旋風以上の活躍を期待したいところです。

組合せ抽選・・・
早速、県岐阜商VS松商学園の古豪対決が組まれました。全国大会3度目の顔合わせで過去、岐阜商の2勝。
記事にある通り昨年覇者龍谷大平安と一昨年覇者浦和学院の対決も楽しみ。平安は昨夏、埼玉勢の春日部共栄に初戦敗退で春夏連覇を阻まれていて、今回も嫌な相手との対戦となった。13年前に須永投手(日ハム→巨人)にやられた雪辱戦となる。

一応、勝手にベスト8予想しておきますね。

Aブロック(九州学院、八戸大光星、大阪桐蔭、東海大菅生)vs(常総学院、米子北、今治西、桐蔭)

初戦を勝ち上がると大阪桐蔭VS八戸大光星の因縁の対決になりますね。東京の東海大菅生に期待したいけれど、ここは順当に大阪桐蔭のベスト8
対するは、このところ初戦敗退が続いている今治西、監督交代問題にも負けずに結束し、もう一度ベスト4を目指して欲しい。米子野球の復活も見たいけどね。
大阪桐蔭vs今治西

Bブロック(立命館宇治、静岡、木更津総合、岡山理大付)vs(奈良大付、敦賀気比、仙台育英、神村学園)

伏兵が集まった感じ。応援は静岡なれど、ここは立命館宇治のベスト8に新鮮味。
対するは、明治神宮大会覇者の仙台育英と昨夏ベスト4の敦賀気比の争いに注目。東北の前に北陸に大旗を、選手宣誓の敦賀気比。
立命館宇治vs敦賀気比

Cブロック(浦和学院、龍谷大平安、英明、大曲工)vs(県岐阜商、松商学園、近江、九産大九州)

昨年に続いて熱烈応援の平安。今回も初戦が鬼門。浦和学院が大阪桐蔭に雪辱する日。それは決勝まで勝ち上がらなければならない。今年はちょと難しいかな。4校激戦。浦和学院っぽいけど龍谷大平安が勝ち上がり県岐阜商との古豪対決、高橋対決が見たい。近江が穴っぽいんだけどね。
龍谷大平安vs県岐阜商


Dブロック(糸満、天理、宇部鴻城、健大高崎)vs(二松学舎大付、松山東、東海大四、豊橋工)

近畿の覇者、天理は個人的には優勝候補。軌道破壊の健大高崎が脅威だけれど、今年の天理なら・・・
本来、春に強い二松学舎。戦力的にどうかと思ったが、ここはチャンスか、昨夏の経験が物を言う。古豪を侮らなければ。
天理vs二松学舎大付

まず、これが当たるかどうか解らないうちにその先も読んでみると・・・妄想遊び。
今治西は1999年春以来6度目のベスト4を狙うも大阪桐蔭に屈してしまう。誰か大阪桐蔭を止めよ!
そう昨年の雪辱を晴らしたい、敦賀気比が昨夏に続いて4度目のベスト4で挑戦。

古豪対決は複数投手の居る龍谷大平安が制し天理と対決と行きたい処だが、それだと西ばかりになるので二松学舎大付が東の意地で進出。

敦賀気比が見事大阪桐蔭に雪辱し、1978年の福井商以来の決勝進出。
二松学舎大付に春の勢いが出て1982年以来の決勝進出。

決勝は夏の都予選決勝で10連敗した二松学舎大付が選抜決勝も2連敗の悲運で、ついに北陸に優勝旗が・・・

あれ?思ってたのと違うやんけ。
大阪桐蔭を止めたいばかりに敦賀気比を優勝させてしまったよ。

第87回選抜高校野球出場校

「あぁ、青春の甲子園」エントリー予定

10 立命館宇治
9 天理
8 大阪桐蔭
7 敦賀気比
6 二松学舎大付
5 県岐阜商
4 龍谷大平安
3 浦和学院
2 今治西
1 大曲工
-5 松商学園
-10 九産大九州
-15 宇部鴻城
-20 松山東
優勝 天理
準優勝 県岐阜商
決勝スコア 7

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「嗤う分身」

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「嗤う分身」2013年 英 監督:リチャード・アイオアディ
THE DOUBLE

文豪ドストエフスキーの名作「分身」の舞台を近未来的世界に置き換えた不条理スリラー。不器用で気の小さい青年サイモンは、向かいのアパートで暮らすあこがれの同僚ハナを望遠鏡で覗くことだけが楽しみの孤独な生活を送っていた。そんなある日、サイモンの職場に彼と瓜二つのジェームズが入社してくる。しかもジェームズは、サイモンよりはるかに優秀で……。

画面が全体的に暗すぎるきらいはあるけれど、時代や国籍不明の世界観が魅力的。
何処かで観た憶えのある世界観は「未来世紀ブラジル」や「1984」といった過去の近未来SF。当時は未来のお話だったけれど、2001年宇宙の旅からも既に10余年、今となっては遠い過去になってしまった世界観をあえて表出する面白さ。

冒頭の電車内からカメラワークがスタイリッシュでカッコ良い。
車両の揺れの中、隣の車両のハナ(ミワ・ワシウスコワ)を捉えるシーンだけで気に入ってしまう。
勿論、電車もエレベーターもレトロそのもの。オフィスのコピー機などが発する機械的騒音。

物語の内容は言って見れば「世にも奇妙な・・・」の世界。文豪原作だけに哲学的ではあるけれど、目新しくはありません。それでも引きこまれるのはジェシー・アイゼンバーグが演じ分ける2役。自信も無くイケてない不器用なサイモン・ジェームスの分身は要領の良いジェームス・サイモンと名前を前後入替ただけでややこしいが、しっかり演じ分け(姿勢、物言い)混乱は無い。
ジェームスはサイモンの欠けた部分、なりたい自分という事でしょうか。自身の立場や好きな女の子まで分身に乗っ取られていく不条理的恐怖。
そんなサイモンがジェームスを乗り越えようと行動を起こし、少し成長していく。後半ぼんやり観ていたせいかもしれないけれどサイモンが殻を打ち破っていくと、ジェームスとサイモンの演じ分けが曖昧になってくるような気がしてくるのは気のせい?それともジェシー・アイゼンバーグの演技?



ミア・ワシコウスカの微笑み。彼女の魅力を最大限に活かしたナイス・キャスティングでしょう。
店で手練れのジェームズに口説かれ、一気に抱擁キスまで行くのをトイレの影から眺めているシーンも上手いな。店員の祝福・・・



ドッペルゲンガー物は多く作られて名作も多いけれど、まずまず面白くはなるので堅いジャンルって事でしょうか。

無国籍感は選曲にも拘られ、我らが日本人にとっては、「スキヤキ・ソング」や「ブルー・シャトー」が矢庭にかかったりするのが意表を突かれ面白い効果を産む。これは日本人だけが感じれる効果とするなら、なんかちょっと得した気分。他国の曲も使われてるんでしょうかね。

ミア・ワシコウスカってなんかイイ。



下高井戸シネマ

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「独立愚連隊」

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「KIHACHI OKAMOTO RETROSPECTIVE 岡本喜八監督特集」

「独立愚連隊」1959年 東宝 監督:岡本喜八

第二次世界大戦末期の北支戦線。クズ兵士ばかりを集め危険な任務に当たらせる“独立愚連隊”と呼ばれる部隊に、従軍記者の荒木がやってくる。交戦中に中国人慰安婦と心中したという、見習士官のことを調べに来たという。実は荒木の正体は大久保元軍曹であり、彼こそ見習士官の実の兄であり、弟の死の真相を知るため戦地に赴いたのだった。死んだ慰安婦の妹から紙片を渡された大久保は、弟が上官の不正を部隊長に告発しようとして、その上官から逆に殺されたことを知る。

岡本喜八の戦争アクション。2作目の「西へ」を観て、前年に作られたこの最初の奴も観ておかんとと欲して早8年の月日が流れてしまった。どうもタイミングが合わんかったのよね。
「西へ」の記憶もかなり薄れてしまった。シリーズ2作といっても別物語で内容はかなり違うものという認識はある。確かに随分と雰囲気は違うようです。
て、言うか、本作は岡本喜八が戦後初めて戦争という題材を純粋娯楽アクションとして撮り上げた作品と教わってきたはずなんだけど・・・
お涙ちょうだいの反戦映画で無い事は確かだけれど、娯楽の背景に反骨、批判精神がキッチリと息付いてるではないですか。誰だ、娯楽でしかないと吹き込んだ奴は!

佐藤允の従軍記者は饒舌でキザに過ぎる処がナニだけれど、独立愚連隊を率いる石井軍曹(中谷一郎)やカタコト怪しい馬賊(鶴田浩二)とのやりとりがイキでカッコ良い。
副官の中丸忠雄も悪役としての資質をいかんなくを見せてくれる。

看護婦から慰安婦となった若き雪村いづみの扁平な顔立ちが上戸彩っぽくてキュート。
ハズキーな声も良い。若き雪村いづみに魅せられたのは2回目と思うけど、最初は何だったっけかな。

そして、最近のお気に入り中北千枝子が花子という中国人慰安婦。怪しげなカタコトでコメディ要素を務める。
もう、最高に面白い。中北さん、大好き。
美女といえば上原美佐を見る事が出来て良かった。黒沢映画を観る機会が無いもので・・・
鶴田浩二が弟だと紹介するけれど、どう見ても女やん。

三船敏郎の使い方もご立派。

独立愚連隊の面々は派手には描かれないもののクズ兵士としてそれぞれいい味出している。特に賭けばかりしている二人組が良いね。
ミッキー・カーチスは運転兵のペーペーで酒も飲ませてもらえない。

石井軍曹「例え上官がどんな奴でも、俺は命令だけは守りたいんだ。愚連隊の抵抗だ。意地だ・・・。死んでくれとは言ってるわけじゃない。俺は死ぬのは御免だ、バカバカしいからな。」
・・・・
独立愚連隊は全滅。続編を作るにはまったく違った物語を用意しなければならなくなった。

今回見逃したけれど「どぶ鼠作戦」「血と砂」も忘れずに観たいリストに入れておこう。



シネマヴェーラ渋谷

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「甘い生活」

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「甘い生活」1959年 伊 監督:フェデリコ・フェリーニ
La Dolce Vita

作家志望の夢破れて、今はしがないゴシップ記者のマルチェロは、豪華なナイトクラブで富豪の娘と出会い安ホテルで一夜を明かす。ハリウッドのグラマー女優を取材すれば、野外で狂騒し、トレビの泉で戯れる。乱痴気と頽廃に支配された街ローマ。同棲中のエンマは彼の言動を嘆く。二人で訪れた友人スタイナー一家の知的で落ち着いた暮らしぶりを羨むマルチェロだが、彼らも子連れの無理心中で突如死に、残るは絶望の実感のみ……。

追悼 アニタ・エクバーグ
もっと主演級かと思ったけどワン・エピソードなのね。それでも存在感は随一。



フェリーニの退廃的ローマ徹夜論。徹夜で迎えるそれぞれの朝。
エピソードの積み重ねで例によって親切な説明を排していて難解さはどうしても残る。しかも3時間はチト長い。
しかし、やはり圧倒的な絵力。演出力。
8 1/2 ほどでは無いけれど魅力的な場面がかなり多く魅了される。
なかでも、やはり徹夜明けの朝が良い。
富豪の娘マッダレーナと娼婦宅をホテル変わりに使った朝、娼婦に渡した謝礼はいかほどだったのでしょう・・・



有名なアニタ・エクバーグのトレビの泉シーンは、やはり圧倒的。
圧倒的パツキン巨乳のアニタ・エクバーグによるお色気ムンムン、ローマの休日。
深夜を過ぎて噴水が止まる事によって無音状態になる演出は見事。
朝帰りで婚約者に平手打ちされる、女誑しの美男マルチェロ・マストロヤンニも殴られる。



深夜のオープンカーで妻エンマとの痴話喧嘩。放りだされたエンマが迎える朝・・・。

乱痴気騒ぎパーティーの後の朝散歩。海岸に打ち上げられた巨大エイ。
ラストに登場する少女は天使なのか。その可憐さは美女アヌーク・エーメやアニタ・エクバーグ等と好対照で印象深いラスト。
波の音で彼女が何を言っているのかは聴きとれない。
オープニングでは水着美女4人をヘリコプター機上から口説こうとするけど、当然ヘリの音で聞こえない処と呼応してる。



順序が逆になりましたがオープニングがやはり素晴らしいんです。
キリスト像をヘリで運ぶ。俯瞰で捉えるローマの街。今まさに建築中の高層アパート群。

退廃的なパーティ、饗宴の場面演出は無駄が無く流れるようで観ていて気持ち良い。



心情読み取り難い二枚目マルチェロ・マストロヤンニもそれだけに退廃的ムードを醸し出していて良いけれど、自殺しちゃう友人ステイナーのアラン・キュニーの恰幅の良さが渋い。

乱痴気パーティーの時にマルチェロの隣に侍っている女子。台詞も無いような端役だけどエキゾなイイ女だったな。



例によってニーノ・ロータの曲は悪かろうはずもなく、懐かしさを伴う軽快さが気持ち良い。
何処かで聴いたことあるメロディーやぞ。
プロ野球ニュースのオープニングで使われていた曲。「甘い生活」からだったんですね。ちぃ~とも知りませんでした。

02 - Nino Rota - La Dolce Vita - La Dolce Vita

10 - Nino Rota - La Dolce Vita - Nella Villa Di Fregene



早稲田松竹

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訃報 桂米朝さん

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桂米朝さん死去 上方落語界の重鎮 89歳

上方落語界の重鎮で人間国宝の桂米朝(かつら・べいちょう、本名中川清=なかがわ・きよし)さんが19日午後7時41分、肺炎のため、死去した。89歳。旧満州(現中国東北部)生まれ。通夜は24日午後6時から、合同葬は25日午前11時から、いずれも大阪府吹田市 公益社千里会館で。喪主は長男の五代目桂米団治(かつら・よねだんじ、本名中川明=なかがわ・あきら)さん。葬儀委員長は田中秀武・米朝事務所会長。

米朝さんは1925(大正14)年、旧満州で生まれ、父親の実家がある姫路市で育った。旧制姫路中学(現姫路西高校)卒業後、大東文化学院(現大東文化大学)に入学、在学中から寄席や演芸の研究に取り組んだ。復員後の47(昭和22)年、四代目桂米団治に入門し、三代目米朝を襲名した。

入門後間もなく「高津の富」で初高座。精力的に寄席や落語会を開き、戦後、消滅寸前だった上方落語の復興に中心的な役割を果たした。故笑福亭松鶴(六代目)、故桂文枝(五代目)、桂春団治(三代目)とともに「上方落語の四天王」と称された。

ラジオやテレビ番組の司会を務めるなど、多方面で活躍。落語ファンの開拓に努めた。後進育成にも尽力し、故・桂枝雀さん、桂ざこばさんら弟子は22人、孫、ひ孫弟子まで含めると一門は60人以上に上る。

古典の発掘にも取り組み、「百年目」「地獄八景亡者戯」など、埋もれていた数十のネタを再び世に出した。また米朝落語全集の出版や、ビデオ全集を出すなど、落語の文字化、映像化の先駆者としても知られる。著書に「上方落語ノート」「落語と私」など。

96年4月、胆管結石で入院したが、復帰後、柳家小さん氏に次いで、落語界では2人目となる重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けた。このほか芸術祭優秀賞(69、70年)、神戸新聞平和賞(92年)などを受賞。87年に紫綬褒章、2002年に文化功労者。09年に文化勲章受章。

06年8月と08年5月に転倒して背骨を折るなどしたが回復。同年10月には長男が五代目桂米団治を襲名した。

(神戸新聞NEXT)
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とうとう、米朝さんが亡くなってしまった。
今朝のワイドショーで訃報を知ったのだけれど、扱いの小ささに愕然。既に現役を退いて隠居であったから仕方ないでは済まされない。まさに「巨星堕つ」という言葉を使って良い人だ。堂本君のステージ事故に時間割いてる場合ではない。(あちらは現役の人気者だが)
夜になってネットを確認すると各界から続々と偲ぶ言葉などが寄せられていて一安心だ。

上方落語は生で聴く機会が少ないし、江戸落語とは、まったく違ったジャンルなので深く聴きこんではいないけれど上方四天王の中でも、当時からレコード音源も多かったので図書館で借りてきちゃ、聴いてたもんだ。

米朝さんと言えば「地獄八景」や「百年目」となるが、個人的には「無精の代参」「一文笛」が好きで良く聴いた。
「無精の代参」は上方ネタで他の人のをあまり聴かないというのもあるが、マクラの無精親子が来世で猫になりたがる話が大好きなんです。
それと、関西弁スタンダードフレーズとして米朝さんの「邪魔くさい」がなんとも好きでありました。

上方四天王は皆それぞれ個性的で、少し後の世代で構成されていた東京落語の四天王より貫禄がありましたな。(年上だからしょうがないけど)
そして、あの理知的で本寸法の芸風から弟子の枝雀、ざこば、可朝という異端ともいえるキャラを創出した事も特筆すべき事でしょう。
枝雀の芸風はあまり好きではありませんでしたが、朝丸(ざこば)の落語は面白かった。(過去形なのは最近聴いてないから)

今週末は予定(レンタル観賞)を変更して米朝さんのカセットテープを引っ張り出して聴く事にします。
まずは「無精の代参」ね。
桂米朝 「不精の代参」

昔、年末に鈴本で行われた独演会に2回行って、高座に触れる事ができました。

「猫の忠信」 昭和54年12月26日 桂米朝独演会
「阿弥陀池」 昭和54年12月26日 桂米朝独演会
「算段の平兵衛」 昭和54年12月26日 桂米朝独演会
「厄払い」 昭和55年12月25日 桂米朝独演会
「立ち切れ線香」 昭和55年12月25日 桂米朝独演会
「ふたなり」 昭和55年12月25日 桂米朝独演会

生で聴けたのは以上6席。

しかし、米朝さんの画像検索してみると80歳超えた引退後の姿が沢山出てくるね。
あれだけ高座姿がカッコ良かった米朝さんもすっかりご老人・・・・仕方がないけれど。


映画出演
カモとねぎ
落語野郎 大馬鹿時代



米朝アンドロイド


大往生だったらしいです。ご冥福をお祈りいたします。

「味園ユニバース」

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「味園ユニバース」2015年 ギャガ 監督:山下敦弘

大阪・千日前に実在する味園ビルにあるユニバースが舞台。大阪のある広場で行われていた『赤犬』のライブ中、突然若い男が乱入し圧倒的な歌を披露しはじめる。その男に記憶が無いことが分かるが、興味を持った赤犬マネージャーのカスミは彼に「ポチ男」と名付け自宅のスタジオで働かせることになるも、男の失われた過去には大きな問題があった。

味園ビルの事をぜんぜん知らない東京人でしたが、今回、味園のCMをYOU TUBEで観て、だんぜんこの映画観たくなりましてん。
関ジャニ∞って最近バラエティー番組持ってたりジャニーズの売れ筋だけれど、いまだに2人くらいしか顔が解りません。その2人も名前は良く解りません。渋谷すばるなんて人が居ることさえ知らなかった。映画を見ても「ああ、この子ね」という心当たりさえ無い。(ごめんね)

しかし、この渋谷すばるの佇まい、歌力。多分、その魅力を最大限に引き出した山下監督の手腕・・・。
と、言うのは、あまりに渋谷すばるが良かったので、観賞後YOU TUBEで随分調査したのですが、歌唱力はあるものの映画程の輝きを感じなかったもので・・・。

記憶喪失している時と戻った時の表情の演じ分けも見事。
一発目の歌唱、「古い日記」ですべて持って行っちゃう。
歌手、俳優として今後の活躍が大いに期待できると逸材であると思います。

ただ、山下監督の良さって、「苦役列車」「もらとりあむタマ子」という何も起こらないオフビートな味わいこそて感じと思うのだけれど、今回は何やらドラマチックな展開やカタルシスを表出させようとする感じがあって、これがどうもシックリ来ない感じ。不穏な状況になっても、何事も無かったようにスルーされ、結局何も起こらないいつもの山下監督テイストに落ち着く。
渋谷すばるの魅力を引き出し過ぎてしまった揚句、監督自身、彼の存在感に引っ張られちゃったとも思えるほど・・・



要するに渋谷すばるに尽きる映画でした。

一番、がっかりなのはタイトルにまで持ってきた「味園ユニバース」
あのCMから観るいかがわしさ、憧れのグランド・キャバレー感(ニュースタイル・ハイ・キャバレー、ユニバース)があまり感じられなかった事。ステージのシチュエーションは別に「味園」でなくても良くないかと思ってしまう。
調べたら、グランドキャバレーの営業は終了していてライブハウスとして運用されているんですって。



昭和歌謡ショーといった赤犬(こちらのバンドも今回初めて知りました)の珍妙なステージで味園の魅力を出そうというのなら、ちょっと赤犬が奇抜すぎて「味園」の魅力というより「赤犬」の魅力が前面に出過ぎちゃってませんか。

今回、もう一つお目当てだった二階堂ふみさん、関西弁頑張りましたが、ネイティブの鈴木さりなが相手では不利でしたか。可もなく不可もなく、安定。何故かセーラー服でミキシング。








関ジャニ∞渋谷すばるソロデビュー曲『ココロオドレバ』ロングver

大阪味園、ユニバース、地方CM4本



いいかげん、山下敦弘監督「リンダ リンダ リンダ」を借りようぜ。観たいと思って10年経っちゃたじゃないか。

ユナイテッドシネマ豊洲

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「プリデスティネーション」

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「プリディスティネーション」2014年 米 監督:マイケル・スピエリッグ/ピーター・スピエリッグ

1970年、ニューヨーク。とあるバーを訪れた青年ジョンは、バーテンダーに自身が歩んだ人生を語る。それは女性として生まれて孤児院で育ち、付き合っていた流れ者との子を宿すも彼に去られ、さらに赤ん坊を何者かに誘拐されたという壮絶なものだった。それを機に男性として生きることを選んだジョンに、バーテンダーは未来からやって来た時空警察のエージェントだと明かす。驚く彼を自分の後継者に選んだバーテンダーは、装備を託すとともに宿敵である爆弾魔との対決に臨んでいく。

これは、ロバート・A・ハインラインによる「輪廻の蛇」を基にしたSFサスペンス。時空を往来する犯罪者を取り締まるエージェントと出会い、その仲間になった青年が繰り広げる戦いと彼が抱える宿命を活写する。というぐらいの情報のみであらすじさえ調べずに観賞。自分としては珍しい事ですが、これが大正解。
ネタバレしてはいけないタイプ。

時空エージェントの話のはずが、青年ジョンの半生語りが延々と続き、「あれ?」となる。ただ、この半生がメチャクチャ面白くて引き込まれる。ついに時空警察エージェントが正体を明かしてから、時空を飛び回るわけだが、なんとなくこうじゃないかなというこちらの推測を大いに上回る仕掛けにビックリ。
少なくとも、あの面白かったジョンの半生がほんの序の口である事を知る。

伏線回収も見事な感じで気持ち良い。けれど、当方のこんにゃく頭では1度の観賞だけでは堪能しきれない。
これは何度も何度も観ていろんな事を確かめたくなる。昔ながらの入替無しの連続上映だったら、確実に2、3回居残りしてたでしょう。再度チケット購入して観に行くのは銭も暇もないので、初体験の記憶が薄れた頃、レンタルして徹底的に観たいですね。



時代を遡り、過去の自分と平気で遭遇してしまうシチュエーションがミソ。

使い古されたタイムトラベルものでもまだまだ充分面白いものが作れるって事。
原作のロバート・A・ハイラインはSF界では基本の基というものらしいけれど、読んだことありません。「輪廻の蛇」はわずか20数ページの短編との事。脚本の勝利ですね。そんなに短いのなら立ち読みしてみますか。

ふたなりちゃんを演じたセーラ・スヌークが美人じゃないけど女でも男でも魅力的キャラ。





こんな画像を見るといかにもSFチックな作品と思えるでしょうが、そんな生易しいものではありません。
小楽器ケースのような携帯型タイムマシンのダイヤル式時間合わせのアナログ感など、小道具の拘りも好ましい。

プリデスティネーション=宿命。面白かった。満足!

ユナイテッドシネマ豊洲

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「独立愚連隊 西へ」DVD

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「独立愚連隊 西へ」1960年 東宝 監督:岡本喜八

太平洋戦争の真っ最中、中国大陸の北支戦線。日本軍からやっかいもの扱いされ危険な前線に駆り出されてばかりの左文字隊は、霧の中で八路軍にばったり遭遇し四方を囲まれてしまう。だが左文字隊長と八路軍の梁隊長は、お互い元気なときに正々堂々と戦おうと平和的に別れた。左文字隊は北原少尉とともに消えた日本軍旗の捜索を命じられるのだったが…。

8年隔てて観た「独立愚連隊」が良かったので、いろいろ忘れてしまってる「独立愚連隊 西へ」を借りてきて再観賞。

1作目の粋な部分をさらに強めて・・・
粋の象徴は八路軍のフランキー堺と独立愚連隊の左文字少尉のやりとりにあるけれど、他にも粋な台詞、場面が一杯。
左文字が北原少尉に取った計らいも粋。
「葬儀は終わった、祝言だ。」~赤チンの謡。
スパイという悪役であるはずの中丸忠雄でさえ、今回は粋だ。

若大将の爽やか路線って何か好きになれないんだけれど、ここの加山雄三の爽やかさは実によろしい。
左文字のキャラが周囲に粋な行動を促していると言っても良いくらいだ。

兵隊さんたちの敬礼がカッコ良い映画でもある。戦争物の基本の基だけどね。
そうだ、子供の頃、戦争娯楽映画ってかなり好きだったのを思い出した。



一作目と変わって主役級だった佐藤允は独立愚連隊の一軍曹となる。その代わり独立愚連隊それぞれのキャラが活かされている。とくに算盤占いの堺三千夫の活躍が嬉しい。

好きなシーンを挙げればキリのない作品だ。
いつもエロ目線なのでここだけは記しておこう。独立愚連隊が追っかける中国軍の女兵の尻が良い。



1作目では出ていなかった天本英世(これもカタコトの怪しさが面白い)中国ゲリラ隊長
ゲリラ隊に日本軍最新式銃で銃殺される愚連隊の面々の大芝居。皆さんの撃たれ演技のヘン顔競演。加山雄三のが良いです。

1作目に続いて批判精神あふれる重要な役は中谷一郎。今回もカッコ良いよ。

どちらも面白いが、いろんな面でスケール上がってる2作目の方がより一層好きかな。



独立愚連隊 西へ

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「悶絶!!どんでん返し」

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「神代辰巳の世界 没後二十年メモリアル特集」

「悶絶!!どんでん返し」1977年 日活 監督:神代辰巳

東大卒のエリートサラリーマン・北山が、ヤクザにおかまを掘られたことをきっかけに、地位もプライドも、そして男もかなぐり捨てて、めくるめく性の世界に突き進む!ヒロイン(!?)の鶴岡修が歌う「愛あればこそ」(ベルばらのテーマ)を聴け!!

神代作品にこんなにも下品な(褒め言葉)コメディがあったんですね。
痛快!痛快!面白い。

ピンサロでの谷ナオミの超明るいトップレスに掴みはOK
SMの女王谷ナオミの一連の作品とは一味違う側面が楽しい。ちゃんと緊縛シーンも用意されているけど、いつもとは違う。

ヤクザ未満の竜二(遠藤征慈)と弟分(粟津號 )2人組とスケ番グループの美人局。支配しようとするヤクザ未満に反撃する不良女子高生とのどつきあいの振り切り方が素晴らしい。
結局、支配される女子高生側。彼女らを抑止するためにヤクザ未満が取った手は「付き馬」手法。

そしてエリートサラリーマン北山(鶴岡修)のカマ掘られてのオカマ作品。
男色行為後の谷ナオミの情事の「どうだったの~、どうだったの~」がいいね。
オカマに目覚めた鶴岡修が谷ナオミの座を奪ってどんでん返しの始まり。状況状況でそれぞれの立場がクルクル代わる。
上位に立つものは下位を徹底的に痛めつける、この下品さがたまらない。

スケ番ミドリ(牧れいか)はピロピロ笛の花電車が上手くできないため一気に下位へ。
牧れいかの佇まいが良い。
粟津號が猛特訓に付き合ううちに恋が芽生え、遠藤征慈のイロの座に座った鶴岡修に痛めつけられるが・・・

まだお元気だった東郷健もゲスト出演。

結局、遠藤征慈から捨てられてしまう哀しいオカマのラストがバツグン。



エンディングのバター犬散歩の大サービスまで、やってのけてくれちゃう。ざんげの値打ちもない/北原ミレイ

谷ナオミとオカマの鶴岡修、不細工スケ番の牧れいかがとっても可愛ゆい傑作喜劇。

神代作品といえば鼻唄、その曲。
本作では昭和歌謡 藤圭子「女のブルース」なんかに交じって当時センセーショナルに登場した矢野顕子。
なるほど、「あんたがたどこさ」の選曲とか神代監督が好みそう。当時、私もラジオから録音して良く聴いてました。

シネマヴェーラ渋谷

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「川柳川柳 84歳の誕生日を祝う会」

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2015年3月23日
DOURAKUTEI出張寄席
「川柳川柳 84歳の誕生日を祝う会」第一部 川柳川柳生誕84年記念落語会
新宿二丁目 AiSOTOPE LOUNGE

開口一番 快楽亭ブラ坊 「与太郎」
大本営八俵 漫談
川柳つくし 「川柳の円生襲名」
快楽亭ブラック 「小林旭の正体」
立川左談次 「漫談」
中入り

川柳川柳 「ガーコン」長講


このイベントは二部構成で第二部は「川柳川柳誕生パーティ」別料金。
第一部のみ観賞だったが、やはりメインは第2部のようでありブラック師や左談次師はお祝いというより飲み会重視の模様。
左談次師の云う通り、川柳生存確認2015というイベント。
寄席に義務として年数回行くようにしているが、年々プログラム的魅力が薄れなかなかままならないので川柳師の落語会でお元気なところを確認申し上げる。

米朝さんが亡くなって1日中、YOU TUBEで米朝落語聴いていて、上方とは言え、その気になれば元気な米朝落語をもっと生で聴けたのになぁと後悔するほどでした。
そういう意味では川柳師は定期的に確認が出来ている。これは家元でも晩年はままならなかった事です(あちらはチケット高いし取りにくいからね)

開口一番から早くも川柳ネタが飛び出しお祝いモード。

今回初めて噂の大本営八俵を生で観ることができました。キラキラネームや相撲のしこ名のネタ。大いに共感、楽しい。また胡散臭さが今回の会場に会ってる。(クラブ・ラウンジ、舞台照明暗めにしてのスポットライト)ストリップの幕間みたいで良い。
それにしても手にしているネタの文字が上手い。本人が書いてるんでしょう。彼はイラストも上手いからね。

真打、つくし。師匠をネタに新作。これはネタにされる師匠(川柳師ネタは多い)が偉い。どれだけ弟子を食わせる事になっている事やら。大して食えてませんか?

期待の快楽亭ブラック師。あまりにあっさり、しかも川柳師より7つも若い小林旭ネタ。

左談次師は先代小さん師のおかみさんにハグされるあの話題など。

お誕生日主役の川柳師がいつもの「ガーコン」を長講スペシャルバージョン。ゼロ戦とワイルド・キャット、ヘル・キャットの戦いぶり。三菱の堀越グループのお話なども聞けた。もちろん喉の方はまだまだ健在。
芸人生活60年であり戦後70年の今年。8月15日に向けて仕事が多いらしい。なかなか爺さんから戦争話が聞けなくなった今日この頃、反戦映画よりよほどお勧め。
ガーコンを初めて聞いて早36年。今日初めて知ったが、当時聴いていた「ガーコン」はネタおろし間もなかったんだなぁ。

やりにくいのは当時川柳師50歳代、客には60代、70代も多く、戦争体験者が居たけれど、今はみんな知らない。と言っておりました。月日は確実に経って行くのですよ。同じような事がサラリーマンでもあって、私はカラオケは滅多に歌わないが、歌詞カードに古い野球小僧やエノケンの歌があると好んで歌い、多くの先輩方から「若いのになんで?」と喜んでいただいたものだが、もう皆さん引退されちゃって・・・、今やカラオケでそんな歌、歌ってもだれからも相手にされない。だからマイクは持たない。

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「リング」 DVD

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「リング」1998年 東宝 監督:中田秀夫

テレビレポーターの浅川玲子は、見たら一週間後に死ぬというビデオテープの噂を耳にする。にわかには信じられない玲子だったが、姪の死をきっかけにビデオについて調べ始める。やがて、偶然手に入れた問題のビデオを確認のため見た玲子は、その内容に、噂が本当であることを確信する。が、それは7日後の自分の死を意味した……。

40すぎてからの映画ファンで名画座の旧作探訪に忙しい自分は巷で義務といわれる作品をほとんど見てないので、遅ればせながら少しづつ観ていこうかと思ってる。死ぬまでにどんだけ義務が果たせますでしょうか。
ジャパニーズ・ホラーの先駆けとしてハリウッドリメイクや3D、パロディまで溢れている本作。内容情報は何となく入ってきますわな。
公開当時、怖い怖いとの評判で、怖いならよしておこうとそのまま放置されてた奴。
果たして17年も時を経た今更見て面白いんだろうか・・・

結論、ちっとも面白くなかった。
普通にゾゾっと来るところはあったけど。
主演の女優がよくないので乗れない。不細工だし。
ひきかえ、女子高生智子が誰かと思ったら竹内結子・・・きゃわゆい。
中谷美紀は顔見せ程度、次に活躍するんでしょ、確か。
感想としてはそんな程度ですか。



























ジャパニーズ・ホラーの演出は当時はどの程度の発見だったのでしょう。
リアルタイムで観てこそでしたか。



2とか0に行くよりも鈴木光司の一連作品を読むほうが良いかな。いや、そっちもいいか。

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「濡れた唇」

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「神代辰巳の世界 没後20年メモリアル特集」

「濡れた唇」1972年 日活 監督:神代辰巳

「かぶりつき人生」の不入りで干された神代が、ロマンポルノで再スタートした1本。コールガールの洋子に惚れた金男。洋子のヒモを殺した二人は逃亡の旅に出るが・・・。主演の絵沢萌子の存在感と演技が素晴らしい、アメリカン・ニューシネマ風ロードムービー。

材木屋の主人の娘幸子とそこの住込み店員金男の二人は恋人同志だったが、金男はなぜか幸子に充たされないものを感じていた。デイトの夜、幸子と別れた金男は、公園で夢中になっているアベックにいたずらしようとするがそれも気が進まず、コールガールとの交渉で気を静めようとした。スナックでマネージャーと共に現われた洋子を見て金男は一目で好きになってしまった。それからというもの金男は、洋子に邪険にされながらも彼女に魅かれていった。

永遠の熟女優、絵沢萌子さんの初期代表作をやっと観る事ができました。当時33歳でいらっしゃるわけだがそのゆるみがちなボディは貫禄充分。
おかっぱヘアのルックスは何処となくきゃりーぱみゅぱみゅを連想させる。今後はきゃりーぱみゅぱみゅを見ると絵沢さんの裸が重なって見える事でしょう。ラッキー!

外人客から逃げ出して全裸疾走しながらワンピを着ていく後ろ姿は絵沢さんならでは。
例によって神代監督は絵沢さんに春歌を口ずさませる。

金男が洋子のアパートで行水したりよろしくやっているとスナック・バーテン(洋子の情夫)がやって来る。コールガールの寮みたいになってるんですね。「洋子が埋まってるだよ。入れてくれよ」とバーテンが隣近所を徘徊するのが面白い。
この情夫をひょんな事から殺してしまい、逃亡の旅へ出てロードムービーとなる。故郷に帰り同級生の粟津號とその彼女(相川圭子)との逃避行。
アメリカン・ニュー・シネマ~日活ニューアクションの系譜。
あくまで強い男を求め続ける洋子のスタンスが良い。
比して金男のヘタレ具合も情けないほどに良い。洋子がダメなら久子とやるし、結局は騙した婚約者幸子の元に帰るでしょ。

絵沢萌子ファンは必見。

シネマヴェーラ渋谷

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Heartbreak Hotel

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